俺がDIO?
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喪失編
八話
前書き
ワンピースはブルックまでしか知らない(うろ覚え)
なので、時間があったらwikiだけでなくアニメや漫画も見ます。
といっても、作者の文才は上がらないので、ご了承ください。
ちなみに作者が好きなキャラはクロコダイルです。
「ホワイトブロー!」
吸血と同時に吸血鬼のエキスを流し込む筈だったが、突然煙のようなものに寸前で阻止された。腕を交差させ、防御するも横凪ぎに吹っ飛ばされ、煉瓦の壁に激突した。
その衝撃で擦り傷程度の怪我を負ったが、その程度なら吸血鬼の能力ですぐに自己再生されたので特に問題ない。それよりも今は目の前の男だ。
俺は瞬時に立ち上がると突然の乱入者に視線を移した。
「てめぇ、俺の部下に舐めたことしてんじゃあねぇぞ」
「す、スモーカーさん!」
そう言った男は背中に背負っていた十手を巨大化した武器を構えた。
白のジャケットに口には葉巻、何より強面の顔と傷がどう見ても堅気には見えない。
たしぎを助けた辺りで仲間という事は分かったが。
「悪魔の実の能力者か。煙とは珍しい.....そして、今の発言で恐らくたしぎの仲間、つまり海軍関係の人間......俺を捕まえに来たのか?」
「下らねぇ質問してんじゃあねぇ、海賊。俺の管轄で好き勝手暴れた上、部下をここまでされてただ捕まえると思ってんのか?てめえは」
「なるほど、たしぎの仇討ちをしようと言う訳か」
能力者にしては随分仲間思いな男だ。
いや、違う。人外な能力者を持っていても、この男は‘’人間‘’だからか。
結局悪魔の実の能力者は化物の力を持っているだけの人間で、それでいて化物と呼べない中途半端な存在だ。
「何馬鹿みてェに突っ立ってやがるッ!」
スモーカーと呼ばれていた煙の能力者が下半身を煙に変え、向かってくる。片手を距離を図るかのように前に出し、もう一方の腕に持った長刀のような十手を横殴りに振り払った。
それを吸血鬼の身体能力で大きく後ろに跳躍し、かわすとナイフを数本投げる。
カツカツッ!
一直線に放たれたナイフはスモーカーを貫通し、後ろの煉瓦の壁に音を立てて地面に転がった。だが、スモーカーは涼しい顔で十手を肩に担ぐように構えている。
スモーカーの方を見るとうっすら笑みを浮かべ、こっちを見返してきた。
「分かったか?海賊。てめえじゃあ俺を殺すどころか傷ひとつ付けられねェ。俺の悪魔の実の能力は体を自由自在に煙に変えられる。どれだけてめェの力が強かろうが、実体の無い煙相手じゃあ何の役にも立たねェんだよ」
「体を煙に、か。厄介な能力だな」
だが、策が無い訳でもない。
確かに煙相手に攻撃をしても、すり抜けるだけで結果は分かりきっている。だが、スモーカーはあくまで人間であり、実体は存在している筈だ。
つまりスタンドのようなモノだと考える。
スタンドは同じスタンド使いにしか倒せないように、悪魔には悪魔でしか倒せないように。
なら、スタンドは悪魔をがあっても可笑しくはない。
そんな俺の考えとは裏腹にスモーカーはジャケットの胸ポケットから葉巻を取り出すと口にくわえ、火を点けた。
「何なら降参してみるか?まぁ、今更降参しようがしまいお前はここで俺が殺すがな」
辺りを見渡すと多くの海兵が俺とスモーカーを囲むように武器を構えていた。
たしぎは病院にでも、運ばれたのか見当たらない。
多勢に無勢、まさに絶体絶命と言えた。
だが.....
「今のお前には井の中の蛙、大海を知らずという言葉が似合っている」
だが、そんな危険な状況でも俺は極めて冷静だった。
なぜなら空には既に太陽は無く、月の光が町を照らしていたから。
夜は吸血鬼の独壇場だ。
化物はいつも暗がりに潜み、光が沈むと現れる。
「自身を煙に変える....確かに凄い能力だ。だが、お前では俺を殺せはしないだろう」
「.....何だと?」
「お前は化物のような人間であり、俺は化物だ。そして日は落ちた。お前と俺の圧倒的な差、その違いを見せよう」
俺が言い終わると同時に海兵達が悲鳴を上げた。
「ぎょっ、魚人だぁ!!」
「凄い数だぞ!?コイツら一体どこからッ」
「じゅ、銃弾が効いてねぇ!死なねぇぞ!?」
「海軍が海賊に狼狽えるな!全員捕まえろ!逃がすんじゃあねぇぞッ」
スモーカーは慌てる海兵に激を飛ばすが、銃撃音や悲鳴に飲み込まれるようにかき消された。
「無駄だ。この慌てよう、お前の声は届きはしない」
「てめぇ.....!」
「戦いは非情だ。正義が悪に勝つなどの何の根拠もない理由で勝つのではなく、正義も悪にも関わらず実際は力さえあれば、数があれば勝てる上、俺の魚人達は質も良い。結果は分かりきっている」
そう言うと、俺は淡々と周りで起こっている戦闘と呼ぶよりは蹂躙に相応しい戦いをスモーカーに示した。
既に海軍側は防戦一方で後退を始めている。
「だからなんだってんだ?てめぇら海賊ごときに俺が負けると思ってんのか!」
スモーカーが再度煙と化して十手を振り上げ、襲い掛かってくる。
甘いな。
バシッ!
「なッ、テメェ....!」
「悪いが、それの対策はもう済んでいる」
俺はスモーカーの十手を掴んだまま体内の冷気を空気中に漂わせ、凍らせていく。
スモーカーの煙化していた体も同様にだ。
「クソッ!体が凍る.....!」
「煙も空気同様凍らせる事ができる。そしてこれでお前の体は氷という物質に変わり、攻撃が可能になった。
これにより氷ごとお前の体を」
俺は拳を振り上げ、真っ直ぐに。
「砕く」
「グハァ!?」
氷の砕ける音と共にスモーカーは広場の煉瓦壁に吹っ飛び、数メートル先の壁に体を打ち付け、動かなくなった。遠目からでも死んではいなくても、気絶しているのが分かる。
「流石に海軍を仲間にするのは無理がある.....仲間には出来ないが、せめて血だけは吸っておくか」
煉瓦壁で倒れているスモーカーへと近付き、首に指を食い込ませる。
やはり悪魔の実の能力者の血は段違いに馴染む。
力が溢れてくるようだ。
「これくらいで充分か」
ある程度吸い取った後、スモーカーから手を離した。
殺しはしない。
どのみちもう会うことはないだろうし、無駄に殺す事もないだろう。
それに俺は賞金首、自分から賞金額を上げるような馬鹿をしたくもないし、面倒ごとを増やす必要もない。
色々と言ったが、いずれにしろ殺す程驚異でもないという理由が大きいが。
「DIO様。終わりました」
振り向くと恭しく膝を付き、平伏するアーロンがいた。その後ろには魚人ゾンビと目を回した海兵達が倒れていた。
俺の言葉は守ったようだな。
「殺しは?」
「しておりません。あくまで峰打ちです」
「そうね。確かに殺してないわ。私も見てたわよ、DIO」
薄暗い路地からロビンが現れた。
どうやらそこから俺達と海軍の戦いを見物していたようだ。
普通なら叱責する所だが、ロビンはあくまで部下ではなく、協力者。それにロビンとしては自分が出る必要がないと判断したのだろうと納得し、当初の予定を進める事にした。
「ロビン、必要な物は買い終わったか」
「ええ、いつ出ても問題ないわ」
「なら出港だ。海軍が追いかけてくる前にグランドラインに出る。急げ」
俺はそう言って、船に向かって走る。後ろからはアーロンに続き、魚人ゾンビ、ロビンの順で付いてきている。そろそろ見えてくるか。
「帆を上げ、出港の準備を頼んだ。アーロン」
「かしこまりました」
アーロンが魚人ゾンビ達に指示を飛ばし、船の準備を始めた。
それからしばらくして、息を切らせたロビンが船に戻ってきた。どこか不満そうにこっちを見上げる。
「少しくらい合わせてくれてもいいんじゃないかしら?」
合わせる、というのは恐らく走った時の事だろう。
話を聞く限り、どうやら自分だけ置いてかれた事に不満のようだ。
その事に気付いた俺は敢えて刺激しないように言った。
「急げとはいったが、船の準備が完了するまでに着けば問題はない。準備には少なくとも30分はかかる。お前も知っているだろう」
「それでも少しくらい.....はぁ、もういいわ」
ロビンは納得、してはいないだろうが、頷くと船室に入っていった。
冷えるのだろう。
今は深夜、それも海の近く。長時間居れば、風邪を引くくらいに寒い。
だが、吸血鬼には病も老いも関係はないが。横で作業しているゾンビ達も同様に。
「出港準備が整いました。DIO様」
いつものように甲板で海を眺めているとアーロンがそう俺に伝えた。
すぐに出港するため、船尾にアーロンを向かわせ、ロビンを起こすため、船室に向かう。
「あら?もう出港するのかしら」
「ああ、そうだ。いつものように航海士を頼む」
「分かったわ」
ロビンは軽く布を体に掛け、寒くないようにすると船室を出た。
DIOはロビンに続くように甲板に戻るとふと空を見上げた。
未だ空は光指すことなく、闇に覆われていた。
スベテ、ジジジッ、コワ、ジジジッ.....!
「何だ?」
突然頭にノイズのような物が流れ、消えた。
気のせいではない。
一瞬だったが酷く、鮮明に頭に残っている。
「DIO?どうかした」
振り向くと心配そうな顔をしているロビンがいた。
今は、置いておこう。
この事はここを出てから、考えよう。
翌日、ロビンが何やらまた嬉しそうに賞金首リストを差し出してきた。
「.....」
6000万ベリー。
後書き
時止め
10秒(今の所)
スタンド
ハーミットパープル
THE WORLD
持ち物
無限ナイフ
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