ヘタリア大帝国
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TURN101 偽帝その十
「やはりあの人がいてくれないとな」
「何か大きな穴が開いた感じがしますね」
「寂しく感じてしまいます」
秋山と日本もこう東郷に返す。
「人間的魅力があるのでしょうね」
「そうだな、いい人だ」
東郷もこう秋山に返す。
「あの人がいてくれると有り難い」
「我々を身を呈して守ってくれましたし」
「本当に助けられた、いい人だな」
「はい、ですがソビエトがクローンを実用化しているとは」
秋山はここで話題を変えてきた、これまでの和やかな雰囲気から一転して深刻な顔になって言うのだった。
「これはかなり危険ですね」
「軍事的に有能な人間のクローンが前線に多く出て来るとな」
「数のうえでも」
「全くだ、それだけで終わればいいな」
「それだけでとは?」
日本がここで東郷の言葉に問うた。
「何かありますか」
「あるかも知れない、ソビエトは工作も得意だ」
「その工作にクローン人間を使うとですね」
「厄介だ、そうならなければいいがな」
「確かに。言われてみますと」
日本も東郷の話を聞き顔を曇らせる。
「ソビエトがそうしてくる可能性は高いですね」
「手を打っておくか」
東郷も腕を組んで述べる。
「どうするべきかな」
「では山下長官もお呼びして」
そしてだというのだ。
「そのうえでお話しましょう」
「そうだな、そうしよう」
「それでは」
こうした話をしてだった、彼等はソビエトへの工作への対策を進めようとしていた。しかしそれは僅かだが遅れてしまっていた。
ゾルゲは既に日本に来ていた、そして今はソビエトから来た者達と集まり地下のアジトの密室で話していた。
ロシアとロシア妹、それにベラルーシがいた。ロシアがゾルゲに対して言う。
「じゃあ今からね」
「はい、作戦を開始します」
「こちらの人達との連絡はいいかな」
「既にテレビ局を押さえています」
そこをだというのだ。
「情報を伝達する部門を、それにです」
「宮廷はどうかな」
「今から突入します、流石に宮廷の者達は誰も取り込めませんでしたが」
「新聞記者の人達は出来たよね」
「はい」
知識人であり宮廷に取材で出入り出来る彼等はそう出来たというのだ。
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