ヘタリア大帝国
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TURN101 偽帝その四
「開発出来ても高度過ぎてコストがかかって」
「そう簡単に実用化も出来ないか」
「幾らソビエトが軍事技術でも冒険的でも」
それでもだというのだ。
「すぐに開発出来ないわ」
「しかも実用化はか」
「とても無理な筈、けれど」
だがそれでもだと。ドロシーは言う。
「あの艦隊は何なのかしら」
「長官でもわからねえのかよ」
「私も知らないことは多いしわからないことはあるわ」
ガメリカの科学を支える彼女でもだというのだ。
「あれは怪奇の域よ」
「個人の資質か?」
もう一人の天才レーティアも言う。
「それのせいだろうか」
「個人の資質?」
「私も断言出来ないが」
さしものレーティアも今はこう言うのだった、いつもの確信がない。
「どう見ても兵器にそうした技術は備わっていない」
「じゃああれかよ」
「そうだ、後は個人の資質だが」
「ビームを吸収する資質なんてあるのかよ」
「先程ハニー君が言ったな」
「言ったホーーーー」
その通りだとだ、ハニー自身も認める。
「デンキウナギはビームを吸収するホーーーー」
「艦隊指揮官にその資質があればどうか」
レーティアはハニーと話しながらその可能性を指摘する。
「艦隊自体がビームを吸収出来る」
「何か凄い話になってきたな」
ダグラスはレーティア達の話を聞いて眉を顰めさせて述べた。
「ビームを吸収出来る艦隊司令かよ」
「世の中色々な人がいるだろ」
シャルロットの横からビルメが言って来た。
「フェムちゃんだって雨降らせるよな」
「はい、出来ます」
フェム自身もこう応える。
「雨蛙さんのお護りで」
「そうだね、この娘もそうだしロシアさんだって冬将軍使うしね」
「あれは迷惑なことこのうえないがな」
ダグラスはロシアのその能力には忌々しげに述べた。
「とにかくそうしたこともあってか」
「そうだよ、ビーム吸収出来る奴もいるだろ」
「っていうとソビエトにアマゾン出身の奴がいるのか?」
ダグラスはビルメと話していて今度はこの可能性を考えた。
「色々な奴がいる国だな」
「そんな人いなかったけれど」
またここでリディアがソビエトの内情を話す。
「というかアマゾン暑いのにソビエトに来たら大変だよ」
「アマゾンの暑さに慣れてるとか」
「うん、とても生きていられないから」
とてもだというのだ。
「それはないんじゃないかな」
「じゃあどういうことなんだ」
「そういえばアステカにもソビエトの人来てたわ」
ここでキューバがこのことを言う。
「うちに観光で来たいって言うてたわ」
「ソビエトが寒いからだな」
ダグラスはソビエトがアステカに申し出た理由をすぐに察した。
「特にあんたのところは海もビーチも綺麗だしな」
「観光は俺の主な産業の一つやしな」
キューバの自慢の一つだ、語る顔も誇らしげだ。
「その時に来てたわ、それも何度も」
「首都アマゾンにも招待したホーーーー」
ハニーがこのことも話した。
「喜んでくれたホーーーー」
「その時に宇宙怪獣を見ていなかった?」
総督は直感的にその可能性を察してハニーに問うた。
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