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万華鏡

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第四十五話 運動会当日その五

「皆普段の色と違うな」
「私がライドブルーなのね」
 水色と言っていい、琴乃はその色について里香を見て話した。
「プラネッツで青って里香ちゃんだけれどね」
「琴乃ちゃんが黄色でね」
「まずそこが違うし」
「紫は嫌いじゃないけれど」
 紫の半ズボンを穿いている景子も言う。
「何か違う感じなのよね」
「景子ちゃんも普段赤だからね」
「ええ、袴の色もそうだし」
 彩夏に応えて言う、巫女のその袴の色のことだ。
「一番好きな色だからね」
「だからよね」
「うん、そうなの」
 それで赤だというのだ、そしてだった。
 その紫に違和感を感じながら言う景子だった。
「いい色だけれど不安の色じゃないのは」
「ちょっと、よね」
「少し気になるわよね」
「私もね。オレンジじゃなくてね」
 彩夏も自分の赤い半ズボンを見て言う。
「赤っていうのはね」
「苦手なのね」
「違和感があるのよね」
 彩夏にしてもそうだというのだ。
「まあ赤に黄色を混ぜたらオレンジだけれど」
「それ言ったら紫もじゃない」
 赤に青を入れたら紫になる、景子が今言うのはこういうことだった。
「そうでしょ」
「そういえばそうね、紫も」
「赤は入ってるわよ」
 だがそれでもだというのだ。
「赤じゃないからね」
「それが違和感あるわよね」
「どうしてもね。それにね」
 しかもだとだ、景子は今度は自分の後ろ、下の方を見つつ心配そうな顔になってこう四人に言った。
「見えてないわよね」
「ああ、お尻な」
「ええ、皆大丈夫?」 
 今言うのはこのことだった。
「私それが気になるけれど」
「ああ、大丈夫だよ」
 美優は実際に景子のその後ろ、お尻の方を見て答えた。
「全然な」
「そう、ならいいけれど」
「っていうか半ズボンってそんなにずり上がらないからさ」
 安心していい、美優はこう話した。
「心配しなくていいよ」
「だといいけれどね」
「景子ちゃん普段そんな短い半ズボン穿いてないのかよ」
「いつも膝までなの」
 そうした長い半ズボンだというのだ、景子が普段体育の時間に穿いているのは。
 それでだ、こう心配して言うのだ。
「短いとね」
「ずり上がるのかどうか、か」
「そうなの、気になるから」
 それで言うのだ。
「あまりね」
「そうなんだな、気になるんだな」
「けれど特に気にしなくていいのね」
「ああ、ブルマじゃないからな」
 そこは違うというのだ。
「っていうか今時ブルマもないか」
「今皆穿いてないわよ」
 八条学園でもない、様々な制服や体操服がある学園でもだ。
「もうね」
「だろ?ブルマはずり上がるって聞いたけれどな」
 それも問題だったのだ、そこから後ろが見えてしまうからだ。 
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