MS Operative Theory
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Z計画(プロジェクト)③
——Zガンダムの完成——
RX-178(ガンダムMk-Ⅱ)のムーバブル・フレームと、カミーユ・ビダンの設計試案の採用により、MSZ-006(Zガンダム)の設計は短時間で(一説には一週間程度)終了した。
この結果、誕生したZガンダムは両脚と胴体(腰部)にジェネレーターを分散配置する形式をとり、胴体は変形時に前後に分割される(胴体は二枚のパネルで構成された)形式を採用していた。
■分散配置式ジェネレーター
胴体の強度を重視した構造を採用するために、メイン・ジェネレーターは両脚にマウントされ、胴体にはコ・ジェネレーターを搭載した。分散配置方式は、ダメージ・コントロール能力の向上にも繋がった。
■フライング・アーマー
背部には大気圏突入能力とスラスターユニット、背面走行などの機能を併せ持つフライング・アーマーが装備された。エゥーゴに要求された単独での大気圏突入能力は、これにより達成された。
——Zガンダムの構造と特殊なデバイス——
MSZ-006として完成したZガンダムは、一見すると他のMSと大差がないようにも思える。しかし、上述のような特殊な装備を持つ以外に、後の第五世代MSにも見られるパワーウェイトレシオを重視した設計が施されるなど、野心的かつ先進的なマシンとなっていた。
■Zガンダムに採用された技術
Zガンダムにはムーバブル・フレームや分散配置式ジェネレーターをはじめ、様々な技術が投入されている。
また、ロングテール・スタビライザーやフライング・アーマー、大経口メガ粒子砲など、独自のシステムや装備を採用することにより、Zガンダムは最初機の可変MSでありながら最も完成度の高いMSとして開発されたのである。
●ムーバブル・フレーム
ガンダムMk-Ⅱを参考にした可変対応型ムーバブル・フレーム。WR形態では、胴体が前後に分割される形となる。コピーが容易で高い強度を持つとされる。
●分散配置式ジェネレーター
両脚にメイン・ジェネレーター、胴体腰部にコ・ジェネレーターを搭載する。ジェネレーターの合計出力は2.020kWにも達していた。
●ロングテール・スタビライザー
バインダーから発展したAMBACシステム。WR形態でもAMBACシステムとして使用できる。
●フライング・アーマー
WR形態では大気圏突入装備兼翼として、MS形態では背部装甲となる多機能装備。また、両形態でスラスター・ユニットとして使用される。
●バイオ・センサー
後に追加された準サイコミュで、機体の追従性の向上に貢献した。パイロットの思考が機体の挙動に反映される。
——ZZガンダムの開発——
Zガンダムが完成した時期には、主戦場は宇宙へと移行しており、当初のエゥーゴのプランであった「宇宙からの地上拠点攻撃」は現実味の薄いものとなっていた。
また、グリプス戦役が地球連邦軍の内戦である以上、MSの質が選挙区を左右すると予測されたことや、ティターンズや、ニュータイプ研究所が開発した高性能機に対応する必要性などから、エゥーゴはZガンダムを超える性能を持つMSを望んだ。
この結果、「Z計画」は継続され、その中で後に「最強のガンダム」と謳われる第四世代MS、MSZ-10(ZZガンダム)が開発されることとなった。
■ZZガンダムに対するエゥーゴの要求
エゥーゴがZZガンダムに求めたものは、単純な戦闘能力だけではなかった。基本的なコンセプトは「RX-78(ガンダム)の復活」であるとともに、ガンダムとGファイター(Gアーマー)の性能を単独で持つことでもあった。
これは高レベルの火力と機動力、運用柔軟性を兼ね備えることを意味していた。更にZガンダムと同じく、サイズ制限も設けられていた。
①全高20m前後
②火力の充実(ハイ・メガ・キャノン等の装備)
③防御力の充実(各形態で使用しないユニットは、極力最終装甲内に収納する)
④機動性の確保
※②~④は「単独でGアーマーとしての能力を持つ」という形で実現される。
■Zガンダムから継承されたテクロノジー
●ムーバブル・フレーム
腹部にコア・ファイターを収納するがセミ・モノコックではなく、上半身と下半身にそれぞれムーバブル・フレームを内蔵する。コア・ファイターは上下のフレームを接続する役目も持っている。
●分散配置式ジェネレーター
分離状態における出力の維持や、大出力ビーム兵器を搭載し、使用するために、ジェネレーターは各部に分散して配置されている。ジェネレーターの総出力は7.340kWにも達していた。
■ZZガンダムの完成
ZZガンダムは、コア・ファイター、コア・トップ、コア・ベースの3機から構成される合体変形機構を採用しているが、強度は全体的に高く、翼もシールドとして使用可能であった(フライング・アーマーの技術が転用されていると思われる)。
武装も出力10.6MW×2のメガ・ビーム・ライフル、出力1.1MWのハイパー・ビーム・サーベル(ビーム・キャノン兼用)、出力50MWの頭部ハイ・メガ・キャノン、42連装ミサイルなど強力なものを標準装備していた。
補足事項
——第1次ネオ・ジオン戦争後の「Z計画」関連機——
第1次ネオ・ジオン戦争が終結した後、「Z計画」の技術が投入されたと明確に分かるMSは少なくなる。数少ない例外の一つがRGZ-91(リ・ガズィ)である。
リ・ガズィとは「リファイン・ガンダム・ゼータ」の略称で、事実上、Zガンダムの量産仕様機だが、アムロ・レイ大尉用に1機が調達されただけだった。
●RGZ-91(リ・ガズィ)
「R型バック・ウェポン・システム」を装備するリ・ガズィ。火力と機動性を向上を意図した装備で、大気圏突入能力はない。
後書き
次回 サイコ・ガンダムの開発
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