麦わら海賊団を支えた神(仮)
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フーシャ村
爛々と輝く太陽の下、雲1つ無い青空。
そこには本来、空…空中に見ることの無い影が浮いていた……人である。
いや、人の形をしているが人とは大きく違う点が存在した。
それはその人の形をした者には6対計12枚の純白の翼が存在する点である。
その人の形をした者の容姿はまた人間離れした美しいものだった。
肌の色は薄い褐色で、髪の色は美しい白とも取れそうな銀色で髪型はソフトモヒカンである。
スッと違和感のないほどに高い鼻。
細筆で書いたかのような左右絶妙なバランス、絶妙な太さの眉。
闇の中でも輝くのではないかと思わせる鋭い眼光の紅い瞳。
彼が優し気に微笑むだけで世の女性を魅力するであろう絶世の美男子である。
身長は目視で2m00cm〜2m10cmくらい、身体は服越しでも分かるほどに鍛え上げられていて、無駄な肉、脂肪が一切無い、もはや一種の芸術品と言っても過言ではないだろう。
まさに世界そのものから愛された神のような青年だった。
その神のような青年とは先日エドワード・ニューゲートに続き、シャンクスと親しげに会合をしていたルミスだった。
しかしルミスは純白の翼を羽ばたかせて停滞し、宙で胡座をかきながら腕を組み苦悶の表情を浮かべていた。
ルミスが苦悶の表情を浮かべている理由…それは先日、西の海で久々に再開したシャンクスとの事が原因であった。
シャンクスが片腕を失くしていることを不審に思ったルミスが尋ねると、‘‘新しい時代”に懸けてきたと言うではないか。
‘‘新しい時代”…つまり次世代を担う者だということ、その上シャンクスが片腕を賭してまでの存在だ。
ルミスは絶対に面白くなると内心確信を持ち、その少年の住む村の名前だけを聞き、場所など分かるはずもないのに興味と興奮で居ても立ってもいられなくなり飛びたしてきた。
さて本題に戻ろう…。
ルミスが何故苦悶の表情を浮かべているか…みなさんお気付きだろう。
《村の場所が分からない!》のだ。
ーークソッ、強がって出てきたは良いが村の場所が分からねぇ!
とりあえず真下にある島に降りてみるか…。
ハァ…。
ルミスは真下にある島に目を向けると、溜息を吐きながらも急降下を始めた。
そこはたくさんの風車が村中にあり、牛などの家畜が飼われている牧場が広がる平和そうな小さな港村だった。
ルミスは地上から30m手前くらいに急降下をやめ、翼を大きく羽ばたかせてゆっくり、ゆっくりと地上に足を付けた。
ルミスは両足を地面に付けて一息吐くと、周りからの視線を感じて辺りを見回した。
すると辺りでは目を見開き、顎が外れるのではないかというくらいに口を開いた村人達でごった返していた。
ルミスはその視線に耐えられなくなり、苦笑いを浮かべる。
彼の苦笑いだけでもかなりの破壊力があり、実際に村人の8割方の女性が……堕ちた。
村人が騒がしくなり始めた時、彼の周りにいた人垣が割れるように開いたかと思うと杖を付いた老人が現れた。
ゼブラ柄の帽子とズボン、白のワイシャツにメガネをかけていた。
ルミスはこの老人が村人の中の誰よりも威厳、瞳の奥に見られる覚悟が強く感じたため、見ただけで村長であることを確信した。
ルミスが目を鋭くして老人を見ていると老人はそんなルミスに臆することなく声をかけた。
「今背中に翼が生えているように見えたがあんたは何者なんだ?
そして何の用でこの村に寄ったのかは知らんがこの村は裕福じゃない。
あんたにやれる物はないが…?」
ーーん⁇え?俺盗賊か何かだと思われてるの?
ルミスは誤解されていることに気が付くと凄い勢いで顔の前で手を横に振ると誤解の意を告げる。
「ちょ、ちょっと待ってくれよっ!
何か誤解をしているようだが俺は盗賊でも山賊でも…(まだ)海賊でもないぞ!
ただ探している人がいてこの村に立ち寄っただけだ‼︎
この翼は悪魔の実っていうやつの能力みたいなものだ。」
ルミスは背中に生えた翼を老人と村人に見えやすいようにバサッと大きく広げ説明した。
ルミスが悪魔の実という言葉を口にすると辺りでどよめきが起きた。
老人も驚きの表情を浮かべた。
「そ、そうか。
すまなかった。誤解していたようじゃ。
いやー、しかし驚いた。
悪魔の実の能力者を見たのは2人目で、ルフィ以外にはなかったものでな。」
「悪魔の実には動物のような種類もあったのか…」と、老人は続けて口にするがルミスの耳には届いていなかった。
ルミスは老人の先程の言葉の中に自分が探している少年の名前があったような気がして、老人に向かって両手を翳し静止の声をあげる。
「さらにちょっと待った‼︎」
「ん?どうした⁇」
「今何て言った⁇」
「…⁇悪魔の実には動物のような種類もあっt「そこじゃない!」…。
悪魔の実の能力者を見たのは2人m「そこでもない!」…。
……ルフィ?」
「それだ!」
ルミスはルフィという名に人差し指を老人に向けて、かなり大きな声で叫んだ。
老人はそんなルミスの態度に怪訝な表情で尋ねた。
「探している人というのはルフィの事か?」
「あぁ!間違いない‼︎
ちなみにその人物の名はモンキー・D・ルフィで間違いないよな⁈」
「あぁ、間違いない。
しかし…ルフィに何の用じゃ⁇」
老人は目を鋭くしてルミスに尋ねた。
「何の用、か……うーん、会いに来たとしか言いようがないんだがな。
まぁ、それは置いておいて…。
ルフィはどこにいるんだ⁉︎」
ルミスは瞳を輝かせて老人に問う、が…。
老人は顔をムスッと不機嫌な顔に変えると口を開いた。
「フンッ!あんな村のハジのことなんぞ「ルフィは1月程前に村を出て行きましたよ」…マキノ‼︎」
老人の言葉を遮ったと思われる女性が老人の通ってきた道を通って現れた。
その女性の容姿は美しいものだった。
パッチリとした大きな瞳、細く左右綺麗に整った眉。
スッと違和感を感じさせない程に高い鼻。
長く腰の上辺りまで伸びた艶やかな黒髪は後頭部のあたりで1つにたばねられている。
一言で彼女を現すと太陽のような女性である。
彼女の笑顔は見るものの心をポカポカと温め、癒す…それはまさに太陽という言葉に尽きるだろう。
服装は無地のワイシャツに花柄のスカートと華やかさが欠けるというより、地味な感じの服装だが彼女の持つ良さがより際立って見える。
体型もモデルのような美しさだった。
バストもなかなかの大きさで、引き締まった腰に大き過ぎず身体のバランスを崩さない程度に大きいヒップ、そしてスッと細く長い足…。
どれをとっても一級品であり、確実に美人の部類に入る女性だった。
そんな女性が言うにはモンキー・D・ルフィは1月程前に海賊王になるという大きな夢を掲げて1人旅立ったとのことだった。
それを聞いたルミスは慌てて翼を広げて羽ばたこうとしたが、後ろからマキノに声をかけられた。
「ルフィにっ!ルフィに何の目的で会いに行くのか教えていただけませんか⁈」
そんなマキノの言葉にルミスは不適な笑みを浮かべると口を開いた。
「仲間になりに行くんだ。
きっと楽しくなるぞ!」
ルミスの言葉にマキノは呆然とした顔で呆ける。
ルミスは今度こそと翼を広げ羽ばたいた。
そんなルミスを見てマキノは我に返ると飛んでいくルミスに向かって大声で声を掛けた。
「ルフィを、ルフィのことをお願いします‼︎」
マキノはルミスの力を知らない。
知らないが、ルミスのことを見ていれば分かった。
彼は強いと…だからルフィのことを頼んだのだった。
ルミスはマキノの声を聞き、フーシャ村に背を向けたまま手を上げ了承の意を返した。
そのままルミスは大空へと羽ばたいて行く。
ルミスとモンキー・D・ルフィとの出会いは近いだろう。
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