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MS Operative Theory

作者:ユリス
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第三世代MS①

——第二世代MSをベースに誕生したMSの更なる進化系、可変MS——

 第三世代MSに分類されるのは、一般に可変MS、またはTMS(Transformable Mobile Suit)と呼ばれるタイプのMSで、その名の通りMAへの変形機構を持つことが最大の特徴である。

TMSは既存の兵器をはるかに凌駕する汎用性を有するMSに、高い機動性を誇るMAを融合させたまったく新しいコンセプトの兵器で、代表的な機体としてMSZ-006(Zガンダム)が知られている。

 TMSは一般的に、最強の機動兵器とされるMSとMAを一体化することで、より高い戦闘能力を追求した結果、開発されたマシンであるといわれている。しかし、実際にはMSの持つ運用面の問題―――行動半径の狭さと航続距離の短さ―――を解決するために開発されたという経緯があった。

 当初、MSの行動半径や航続距離を伸ばすための措置として、MSの航空⁄航宙機である「サブ・フライト・システム(SFS)」が開発された。SFSは飛行、および長距離移動能力を付与する画期的なシステムで、製造コストが安価なことやMS本体の推進剤を使用することなく広い行動半径が得られるなどのメリットがあった。しかし、即応性の低さはMS用オプションとしてはサイズが大きすぎることなどの問題点も指摘されていた。

 SFSとは別のアプローチでMSの行動半径の拡大を目指して開発されたものが可変MA(TMA=Transformable Mobile Armour)である。正確に言えばTMAとは、高い機動性と長距離航空能力を併せ持つMAに、MSの機能を盛り込んだもので、「MSに変形できるMA」のことである。

これはMAが主でMSが従の関係となっており、MS形態は接近戦を行う場合やAMBACシステムを効果的に使用するためのものであった。MAとMSを融合させたTMAは、MAをベースとしたマシンであったためMS携帯時には機体のサイズが大きくなるという欠点を待っていた。これは従来のセミ・モノコック方式では、機体のダウンサイジングと耐久性を両立させることが難しかったためである。また、MAをベースとしたことは機体の大型化を招いただけでなく、柔軟な運用を阻害し、さらに整備を複雑にする原因ともなった。

こうした問題に対し、「MSフォーマットの可変機」というTMAとは逆のコンセプトが考え出された。MS携帯での運用をメインにすることで、TMAに比べ汎用性や整備性が高くなることが予想されたのである。更に変形機構を確立させるために、第二世代MSで技術的には完成の域に達していたムーバブル・フレームが注目されることとなった。

ムーバブル・フレームの関節部分の自由度を高めることで、可変機構が実現すると考えられたのである。こうして、TMSの研究はムーバブル・フレームの改良と可変機構の確立を中心に行わせることとなった。





補足事項

——第二世代と第三世代の中間的MS——

 TMAのことを「2.5世代MS」と形容する場合もあるが、MSの中にも第二世代と第三世代の中間的な特性を持った機体が存在する。その代表例が、バック・ウェポン・システム(BWS)を装備することで、MA形態となるRGZ-91(リ・ガズィ)である。

リ・ガズィは、Zガンダムの量産しようとして開発された機体だが、単独での変形機能を持たないため、純粋な第三世代MSとはいえない。このため分類上は第二世代MSとなるが、第三世代にも近いという複雑かつ微妙な位置付けの機体となっている。

これ以外にも、可変式のブースターを持つAMX-102(ズサ)や、強引な解釈だが、FGX-05D(Gディフェンサー)を装備したRX-178+FXA-05D(スーパーガンダム)も「2.5世代」と呼べる機体だろう。



——アクシズ(ネオ・ジオン)のTMS——

 アクシズはTMSを主力とした数少ない組織の一つである。その主力機であったAMX-003(ガザC)や強化型のAMX-006(ガザD)は、他のTMSと異なる点がある。

その最たるものが、旧来のモノコック系構造を採用していることで、これは生産性を高めるための苦肉の策であった。しかし、武装も固定式であるなど、TMAを小型化したという印象も否めず、性能的には他組織のTMSに劣っていた。

アクシズ(ネオ・ジオン)製TMSが、技術面で他組織の物に追いついたのはAMX-008(ガ・ゾウム)の開発に成功してからであった。

 
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