転生とらぶる
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魔法先生ネギま!
0434話
ネギが自信満々で俺にグレートグランドマスターキーを託すと宣言する。
それに待ったを掛けたのは周囲の者達……ではなく、俺だ。
「グレートグランドマスターキーを俺が持つというのは色々とやばすぎないか? 例えば魔法世界が俺の意志一つでどうにでもなるんだぞ? 下手に魔法世界の者達が持つよりも危険視されるような気がするんだが」
「うん、その可能性もあるよね。それに僕は今のアクセル君を信頼しているけど、何かの拍子に操られたりする可能性もある。……そこで、これを使おうと思うんだ」
そう言ってネギが取り出したのは鷲の翼の両端に天秤のような物がついている文鎮のようなものだった。その代わりと言ってはなんだが、かなりの魔力を秘めているのはこうして見ているだけでも分かる。
「ちょっ、ネギ先生それって!?」
恐らくその正体を知っているのだろう。桜咲がどこか慌てたように口を開く。
「ええ。刹那さんも知っての通り、これはフェイトが用意した鵬法璽というマジックアイテムです。契約した者の言葉を絶対遵守させるという非常に強力な効果を持っています。……アクセル君、これを使って魔法世界に害意を持ってグレートグランドマスターキーを使用しないと誓える?」
「害意を持って、か。……俺としては構わないと思うが、すぐに返事は出来ないな」
「だろうね。だから、鵬法璽を使って実際に契約するのはグレートグランドマスターキーを実際に手に入れてからって事になると思う。……どうかな、茶々丸さん。そもそも魔法世界の住人ではなく、それどころかこの世界の住人ですらもないアクセル君なら下手に魔法世界や麻帆良とかに封印するよりは格段に安全なんだと思うけど」
ネギの言葉に多少考えていた茶々丸が小さく頷く。
「そうですね。それにアクセルさんの空間倉庫に入れておけば、アクセルさん以外にそれを取り出すのは実質的に不可能になりますし。あるいは本人を操ろうとしても、そもそもこの世界にいないのならその手段を取るというのも不可能です。それに……」
チラリと茶々丸の視線が俺へと向く。
「大魔王の異名が定着し、紅き翼のジャック・ラカンすらも倒すようなアクセルさんを相手にして実力行使を行う愚かさはM……いえ、どこの勢力でも十分承知しているでしょう。魔法世界にいない、この世界にいない、空間倉庫、アクセルさん自身の強さ。そして最後に鵬法璽と何重ものグレートグランドマスターキーの盗難を防ぐ方法があるというのなら、私としては問題無いと思います」
俺にグレートグランドマスターキーを預けるというのを不安視していた者も、茶々丸の話を聞いて安心出来たのだろう。特に綾瀬と共に避難してきたアリアドネーの2人はその傾向が強い。
「あるいはもっといい隠し場所としては俺の空間倉庫じゃなくてホワイトスターの方に置いておけば、それこそこの世界の者達だと手出し出来ないだろうな」
「その辺はアクセル君に任せるけど……」
ネギがそう言いかけた時だ。これまで黙って話を聞いていた明石が一歩前に出る。
「ちょっと待ったぁっ! え? 何? 今の話を聞いてるとアクセル君はこの魔法世界はともかく、麻帆良とかがある現実世界とも違う場所の出身って事になるんだけど……マジ!?」
「ん? 千鶴、舞踏会の前に説明するって言ってなかったか?」
その辺はあの時に千鶴が説明したとばかり思ってたんだが……そう思って視線を向けると、黙って首を左右に振る。
「時間も無かったし、あの時は完全なる世界の説明で精一杯だったのよ」
「っていうか、それは私も初耳なんだけど!?」
ネギの従者である筈の早乙女までもが驚きの表情で俺を見ており、同時に甲板に集まっていた結構な人数が同様だとばかりに頷いている。
「あー、そうだな。なら改めてこの場で自己紹介をしておくか。……今更だがな。俺の名はアクセル・アルマー。これはそのままだ。ただし出身はこの魔法世界でも現実世界でもない、いわゆる平行世界だな。そこで世界に喧嘩を売れる程度の人型機動兵器部隊の隊長を務めてるんだが、ちょっとしたテロに巻き込まれて平行世界間を転移する為の転移装置の暴走でこの世界に跳ばされてきた訳だ」
『えええええええええええ!?』
さらりと説明した俺の真実に、驚愕の声を上げる面々。それを横目に、質問責めにされるのは御免とばかりに船内へと戻っていく。
「ネギ、クルトに返事をするのは?」
「あ、うん。30分後くらいかな」
「分かった。ならその頃にまた戻って来るから、ここの騒ぎはよろしくな」
「え!? ちょっ、アクセル君!? 僕に押しつけていかないでよ!」
そんな悲鳴を上げるネギの声を無視して、甲板にいた面々へと声を掛ける。
「あー、俺への質問に関してはネギに聞けば答えてくれる筈だ。俺の記憶を追体験したからな」
それだけ言って、さっさと影のゲートへと身を沈めるのだった。
「アクセル、言い逃げやん」
そんな小太郎の唖然とした声を聞きながら。
「グレートグランドマスターキーを俺に預ける、か」
気絶した俺が目を覚ました部屋。そこのベッドに寝転がりながら思わず呟く。
確かにネギの考えとしては正しいし、魔法世界の妙な奴に狙われる可能性も考えると俺に預けるというのは正解だろう。少なくてもその時点で魔法世界の住人はグレートグランドマスターキーを入手するのが非常に難しくなる。そうなると残るのはMMか、あるいは魔法世界の住人に依頼された現実世界の魔法使い達だが、それすらも俺がホワイトスターへと戻ってしまえば手を出す事は難しいだろう。そして俺自身もまた、鵬法璽とかいうマジックアイテムで契約を結び、魔法世界に対して悪意を持ってその力を使うような真似は出来なくなる。
「だが……俺を信頼しすぎじゃないのか?」
そうも思うのだ。確かに今の俺はネギに協力している。だが、それがいつまでも続くとは限らない。そうなった時ネギがどう出るか……
そんな風に考えている時だった。グレートパル様号全体に衝撃が走り、同時に何かを破壊するような轟音が聞こえてきたのは。
「っ、何だ!?」
咄嗟に跳ね起き、同時に影のゲートを展開して沈み込み甲板へと姿を現す。そこにいたのは雷化したネギと宮崎、綾瀬。そしてアリアドネーの2人に俺と同じく今の騒動を聞きつけて出て来た桜咲、古菲、長瀬の3人。そして……
「月詠!?」
驚きに満ちた桜咲の声が甲板へと響き渡る。
そう。甲板の近くに浮いている岩を砕き、その残骸に埋もれているのは月詠だった。
「おや、先輩に……あぁ、貴方がアクセルはんですか。確かにフェイトはんが食指を動かされるだけはありますなぁ。そっちの坊やにしてもずいぶんと美味しく実って……」
うっとりとした表情でこちらへと視線を向ける月詠。その視線は一見普通の人間の視線に見えるのだが、良く見ると血に……否、戦いに酔った者のそれだった。それも並大抵の物では無く、完全に一線を越えたそれだ。
その視線を向けられたネギが一瞬ビクリとしたのが分かる。
そんなネギの前へと一歩踏み出す。
「先行偵察って所か。だが、俺がいる所に仕掛けてきたのは悪手だったな。ここで消え……いや、脱落して貰うぞ月詠。お前はこいつらが相手をするには危険すぎる」
正直に言えばここで殺してしまうのが一番後腐れがないだろう。そして俺にその手の躊躇いはない。だが最大の問題はここにいるのは一般人が多いという事だ。さすがにそいつらに殺人現場を見せるのは躊躇われる。それにもしそうなったら士気もガタ落ちだろうしな。
「うふふふ。アクセルはん、あんたはやっぱり本質的にこっち側やな。けど残念ながら私はフェイトはんからアクセルはんに手出しするのを禁じられてるんや。せやから、伝言だけ伝えさせて貰いますわ。『待っている』と」
待っている? それはまるで俺と再会するのを期待しているかのような一言。とてもではないがあの無表情がデフォのフェイトから伝えられる言葉だとは思えなかった。だが調やルーナからの話を聞く限りでは、それこそが俺と接触して変わった結果なのだろう。
「いやいや、モテモテですなぁ」
からかうように言いつつ、どこからともなく取り出したのは……グランドマスターキー!?
「まぁ、それもこれもフェイトはんの元に辿り着けたらの話ですけどなぁ。これを乗り越えて。『億鬼夜行!』」
そう呟いた瞬間、月詠の背後に巨大な魔法陣が展開され、同時にその魔法陣の内部に無数の魔法陣が展開される。そして次に現れるのはその魔法陣の数に応じた召喚魔。だが……
「一度やられた手に、こっちが何の対策もしてないと思ったのか?」
脳裏からグランドマスターキーを選択し、空間倉庫から取り出す。そしてグランドマスターキーへと魔力を流しながらその魔法陣と召喚魔を一瞥して一言だけ告げる。
『リライト』
「なっ!?」
俺が呟いた瞬間、魔法陣ごと全てが無かったようにグランドマスターキーによって文字通りに消え去っていく。本来であれば同じグランドマスターキー同士の競り合いでどちらか片方が一方的に勝つという事は無かっただろう。だが、俺の魔力と月詠の魔力、あるいは気の量の差というのはそれ程に圧倒的な物なのだ。
そして自分が圧倒的有利な筈の先制攻撃をいとも簡単に潰された月詠はほんの一瞬だが確かに茫然自失としていた。そしてその一瞬があれば俺には十分だった。
瞬動を使い、月詠が呆然としている一瞬でその二刀の間合いの内へと入り込む。
「っ!?」
自らの失態に気が付いたのだろう。俺と距離を離す為に振り下ろされたその刀を、右の振り下ろしは身体を半身引いて。左の横薙ぎは月詠の立っていた岩塊へとしゃがみ込んでそのまま地を這いずるような回し蹴りを繰り出してその足を刈る。
「きゃっ!?」
その凶悪な性質に似合わない悲鳴を上げて地面、というよりは岩塊へと尻餅をつこうとした所で……
「げふっ!」
がら空きになっていた鳩尾へと拳を埋め込む。そして同時に。
『紅き焔!』
焔ノ宴の効果である無詠唱魔法を使いその身を炎へと包み込むのだった。
だがさすがに神鳴流というべきか、身体の周囲を気で覆い炎のダメージの殆どを無効化している。身体をジリジリと焦がされながらも手放していなかった両手の二刀を動かした所で念動力により動きを強制的に止め、今度こそ本当に防ぎようのない一撃をその鳩尾へと叩き込む。
「ぎゃんっ!」
さすがに念動力で身体の動きを止められては気で防ぐという真似も出来なかったのか、月詠は短く悲鳴を上げてそのまま気絶したのだった。
そのままの動きで、月詠の持っていたグランドマスターキーを空間倉庫へと収納する。
「これで2本、と」
確か宮崎の話によるとグランドマスターキーは全部で7本の筈だから残りは5本か。
「ア、アクセル君。ちょっとやりすぎなんじゃ……」
鳩尾を殴り、そのまま『紅き焔』を使用。念動力で動きを止めてそのまま鳩尾へとトドメの一撃。今の自分の行動を思い返して一言。
「そうか? こいつはこのくらいやらないと駄目だろう。お前も感じた筈だぞ、こいつの狂気を」
「それはそうだけど……」
「この女が危険だというのは認識したな? なら取りあえず月詠をどうするかだが……」
この時、先程同様に頭の中に殺すという選択肢が過ぎらなかったかと言えば嘘になるだろう。だが、幸か不幸か今の戦闘音を聞いてこちらへと向かって来ている他の面々の足音が聞こえてきている。
外に放り出すのが一番後腐れ無いんだが……それをやってしまうとネギや他の奴等の戦意がどん底にまで落ちてしまいそうだしな。となると気絶しておいてもらうのが一番いいか。
「ネギ、確か相手を眠らせる魔法を使えたな?」
「え? あ、うん」
「なら月詠にそれを使え。今日一日程度は起きないように強力な奴をな」
「あ、そうだね。分かった」
そう言い、月詠へと眠りの魔法である『眠りの霧』を使い、龍宮に頼んで武装解除をして貰ってそのままグレートパル様号の寝室にあるベッドに雁字搦めに縛り付ける。
尚、月詠が召喚した筈の召喚魔をグランドマスターキーで纏めて消滅させたというのに撃墜数やPPが増加していなかったのは……恐らく倒したのではなく、グランドマスターキーで存在そのものを無かった事にした為なんだろう。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:20
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
撃墜数:393
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