転生とらぶる
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魔法先生ネギま!
0433話
『アクセル君、新オスティアから通信が入ったからブリッジに来て頂戴。ネギ先生ももうすぐ戻る筈よ』
グランドマスターキーの使い方も理解し、それなりに使いこなせるようになった為に魔法球から出て敵の襲撃を警戒していた俺へと早乙女からそう通信が入る。
にしても、新オスティア? 思いつくのは総督のクルトか。……舞踏会襲撃の後処理で忙殺されてるんだと思っていたが、これは何かあったと見るべきか。
影のゲートを使い、ブリッジへと移動する。
「おわっ! きゅ、急に出てこられるとさすがに吃驚するわね」
自分の影から姿を現した俺へと驚いた早乙女だったが、目の前に広がっているのは大量の岩塊が空中に浮かんでいるという光景だった。
「デブリかよ」
その光景に、思わずSEED世界でアルテミスから逃げだした後の補給作業を思い出すが、今はそれどころではない……か。
『やあ、アクセル君。元気そうで何よりだ』
顔に数ヶ所程絆創膏を貼った高畑がモニタ越しに顔を出す。
その隣には恐らく高畑やネギと戦った為だろう。こちらも同様に、だが確実に高畑よりも多く絆創膏を貼ったクルトの姿もあった。と言うか、高畑や今のネギと戦って絆創膏状態で済んでいるとかこいつも大概だよな。
「舞踏会の方はどうにかなったのか? 俺達は先に脱出させて貰ったが」
『まぁ、その辺は何とかね。僕達が気が付いた時には敵の幹部は既に姿を消して、置き土産だけが残されていた状態だったからね。……それでも数は多かったんだけど』
苦笑しながら頬を掻いている高畑を見ていると、ブリッジにネギ達が姿を現した。他にも龍宮と長谷川。そしてルーナ――いや、今は神楽坂として扱った方がいいのか――も一緒だ。
「タカミチ! ゲーデル総督も!?」
『やぁ、ネギ君。実はちょっと厄介な事態になっていてね。呉越同舟って奴だよ』
「厄介? それはオスティアの……」
『そうです。どうやら私達よりも先に進んでいるネギ君達なら気が付いているようですが、完全なる世界が廃都の最奥部で何かを始めたようです』
高畑に変わったクルトがそう告げ、背後のモニタに20年前に起きた映像を映し出す。
……こういう時でも無駄に演出に凝る奴だな。
『廃都から観測された魔力の総量と、あの完全なる世界が蠢いている事を考えると推定されるのは20年前の再現でほぼ間違い無いでしょう。先程まで私とネギ君達が話していた魔法世界の危機については10年、あるいは100年といった期間での話でしたが、これは数時間から数十時間といった今すぐにでも襲い掛かって来る目前の危機です。この事態に直面して現在帝国、連合、アリアドネー全ての勢力が力を結集して混成艦隊を編成してそちらへと向かっています。……正直に言いましょう。これは魔法世界消滅の危機です』
世界の危機。それが何を意味しているのか分かったのだろう。ネギがギリッと奥歯を噛み締める。俺もまた同様に思わず口の中で舌打ちをする。
そう、それは即ちフェイト達が完全なる世界を作るという計画を開始したという事なのだ。
『魔法世界の危機。……ですが君達は既に知っていると思いますがごく一部を除いて我々の戦力は奴等に歯が立ちません』
まぁ、そうだろうな。グランドマスターキーどころか、マスターキーが1つあるだけで魔法世界の住人は文字通りに手も足も出ないままに消滅させられるのだから。
脳裏に浮かんでいる空間倉庫のリストにグランドマスターキーの名前が表示されているのを確認して話の続きを聞く。
『先行している君達は我々の貴重な戦力です。……言っている意味は理解して貰えますね?』
我々、という単語にアクセントを置くクルト。
それはつまり、共に完全なる世界に立ち向かって欲しいという事だろう。
『力を貸して頂きたい、ネギ君。そしてアクセル君。この通り、お願いします』
深々と頭を下げるクルト。そんなクルトの様子を黙って見ていた高畑が横から口を出す。
『2人共騙されないようにね。こいつがこういう殊勝な態度を取っている時は大抵裏で何かを企んでいるんだから』
『黙れタカミチ。こんな緊急事態にそんな事をしている暇があるか』
「……そちらのお話は分かりました。ですが、僕達はそもそも旅行中の学生でこの世界の人間でもないんです。皆を戦闘に巻き込む以上は、それぞれの意見を聞きたいと思いますので少し時間を下さい」
『……いいでしょう。ですが、先程も言ったように既に残り時間は殆ど無いと言ってもいいのです。魔法世界消滅のカウントダウンが行われているというのは理解して下さい』
そう言い、通信のスイッチが切れる。
「アクセル君、ごめん。勝手に決めちゃって」
「構わないさ。どのみち俺達としてもフェイトに対して用事はあったんだから、このままさっさと帰るって訳にはいかなかったしな」
「ありがとう。……ハルナさん、皆を甲板に集めて貰えますか?」
「あいよー」
早乙女が頷き、船内放送のスイッチを入れる。
「あー、テス、テス。グレートパル様号に乗ってる全員に告げる! この船は私が預かった。返して欲しければ……」
「何言ってるんだお前はぁっ!」
スパーンッと早乙女の頭に長谷川のハリセンが振り下ろされる。
「こんな、時に、巫山戯てる、場合じゃ、ねえだろうがぁっ!」
スパパパパパーンッと連続で早乙女の後頭部にハリセンを振り下ろし続ける長谷川。
「ご、ごめっ。ごめんって! ちょっとシリアスな雰囲気に耐えられなかっただけなのよ!」
「私は、お前が、泣くまで、叩くのを、やめない!」
「いや、止めろよ」
影に干渉して影槍を作り、それでハリセンを振り下ろし続けている長谷川を絡め取る。
「ちょっ、おいアクセル!」
「お前が早乙女に突っ込み続けていたら話が進まないだろうが」
溜息を吐き、早乙女の近くにあったマイクを手に取る。
「さて、早乙女と長谷川によるミニコントが終了した所で本題だ。この放送を聞いてる者は全員甲板に集まってくれ。そこでネギが重大発表があるらしいからな。以上だ」
それだけ言って放送のスイッチを切り、パチンッと指を鳴らして影槍を消す。
「おわっ!」
突然の出来事によろめいた長谷川だったが、何とか態勢を整えて俺へとジト目を向けてきていた。
「おい、アクセル」
「文句は聞かないぞ。そもそも早乙女も早乙女だが、お前もお前だ。こんな時に巫山戯てるお前が悪い」
「むっ……けど私はあのバカに突っ込みを入れただけであってだなぁ」
「そういうのは現実世界に帰ってからやってくれ」
それだけ言い、ここに来た時と同様影のゲートへと身を沈めて甲板へと向かう。
……凄く便利だよな、これ。
甲板の物陰に影のゲートの出口を繋げてそこから身を現すと、既にかなりの人数が集まっていた。
「ちょっ、アクセル君。どこから出て来てるのよ」
円が呆れたように呟きながら俺の方へと近づいて来て、その周囲にいたあやか、千鶴、美砂、茶々丸。ついでに千鶴の側にいた夏美と小太郎もまた同様にこちらへと近付いてくる。
「アクセル、ネギの話があるとか放送で言っとったけど、なんなんや?」
「その辺はもうすぐネギ本人が来るから聞いてくれ。まぁ、お前にとっては悪い話ではない……とだけ言っておくか」
元々戦闘大好きの小太郎なのだから、そう言っておけば問題無いだろう。
「皆さん、お待たせしました。全員集まってるようですね。では早速ですが僕の話を聞いて下さい」
甲板へと長谷川達を引き連れてきたネギが口を開く。
……長谷川はジト目を俺へと向けていたが。
そして現状が魔法世界の危機であり、敵に立ち向かえるのは魔法世界の中でも極一部でしかない事、自分達がその極一部であり、それとは別に完全なる世界にアーニャが捕らえられている事、そして消されてしまった人達を元に戻すには俺の持ってるグランドマスターキーよりも上位のグレートグランドマスターキーが必要な事。そして何よりもこの世界を救える為の力があるというのにそのまま逃げたくないという説明をする。
「……以上のように、どうやら正真正銘僕達がこの世界を救う為の鍵となってしまっているようです」
「なるほど、確かにアクセルの言う通りどちらかと言えば俺好みの話やな」
ネギの話を聞いていた小太郎が俺の横でそう呟く。
「でも、私達がこの魔法世界を救う鍵だなんて……ちょっと荷が重すぎだよ」
「何言うてんのや。夏美ねーちゃんのアーティファクトがあれば100人力やん」
「ちょっ、小太郎君。何もこんな所で言わなくても!」
「アーティファクト?」
夏美の姿を見て、小太郎へと視線を向け、最後にまた夏美へと視線を向ける。
「うふふ。小太郎君と夏美ちゃん、舞踏会の時に仮契約をしてたんですって」
「ちづ姉……」
顔を真っ赤にしながら千鶴へと抗議する夏美。
まぁ、確かにこういう事態になった以上は魔法に巻き込むとかなんとか言ってられないし、それ以前に魔法世界にいる時点で手遅れな以上は仮契約をしておいた方がいいのか。ただ問題なのは……
「小太郎の影響で妙に好戦的なアーティファクトが出てなければいいんだがな」
「あー、確かに。アクセル君っていう前例があるもんねぇ」
苦笑を浮かべながら告げる円だが、その実例が円のアーティファクトなんだと思うが……
「あ、それは大丈夫や。夏美ねーちゃんのアーティファクトは孤独な黒子って奴で、使うと強力な認識阻害が展開するっちゅう奴や」
「それはまた、随分と便利そうなアーティファクトだな」
隠密行動には最適と言ってもいいだろう。特に今回みたいに敵の本拠地に乗り込む時には随分と頼れそうなアーティファクトだ。
「でもこれ。なんか私の影が薄いってのを現しているようでちょっと嫌なんだよねぇ」
「ははは。しゃーないやん。夏美ねーちゃんは実際影が薄いんだし」
「ちょっ、小太郎君。それ酷くない!?」
そんな風に夏美と小太郎が話していると、ネギが手を叩いて皆の注意を引く。
「それでは早速ですがオスティア廃都についてです。ハルナさん、朝倉さん」
「はいはい、この5時間の観測結果を見よ!」
早乙女がそう言い、朝倉と共にスクリーンにその観測結果を表示する。
そこにはゲートポートを中心としたオスティア空中王宮跡が。そしてその両端に墓守人の宮殿と旧オスティア市街地が浮いているという状態だった。そしてその3つが白い光によって覆われている。
「アーニャちゃんのバッジの反応は墓守人の宮殿から来てるわ。つまり敵の幹部連中がいるのはそこで、同時にグレートグランドマスターキーがあるのもそこになる訳ね」
「それはええんやけど、その3つを覆っている白い光はなんなんや?」
当然と言えば当然の小太郎の質問に、何故か得意そうな笑みを浮かべて早乙女は口を開く。
「聞きたい? それはね……膨大な魔力で編み込まれた超大規模積層魔法障壁。……分かりやすく言えばバリヤーよ!」
背後にドドーンとでも擬音が付きそうなポーズでそう告げてくる早乙女。何でそんなに得意そうになってるんだ、お前は。
「じゃあ入れないじゃん!」
明石の声に周囲がざわめくが、そこに声を挟んだのは神楽坂だった。
「あのー、パルナさん。一番上の部分からならスルッと入れますわよ?」
早乙女のあだ名であるパルとハルナが混ざっているのが気になるが、恐らくルーナが表に出て来てるんだろうと判断。ネギも同様なのかその意見は信頼出来ると宣言していた。
「それで突入時には班を3つに分けます。班分けに関してはこのプリント通りに。まずは宮殿周辺で待機して脱出路を確保するグレートパル様号、アーニャの救出を目標とする班、そしてグレートグランドマスターキーを確保する班。この最後の班は、当然フェイト達との戦闘になる可能性が高いので戦闘力を重視します。……アクセル君、アクセル君がこの班の主力になると思うけどいいよね?」
「ああ、問題無い。例の計画の話もフェイトにはしないといけないしな」
「では、他の班分けはそのプリントの通りに。何か質問のある人はいますか?」
そんなネギの質問に、茶々丸がふと手を上げる。
「茶々丸さん、何でしょう?」
「グレートグランドマスターキーを手に入れるのは問題無いと思いますし、この作戦上絶対に必要な行為でしょう。ですが、ネギ先生はこの作戦が終わった後に手に入れたグレートグランドマスターキーをどうするおつもりですか? 手にしている者はこの魔法世界では神の如き力を手に入れられるのです。つまり、ネギ先生が事実上この魔法世界の支配者となる訳ですが……各国の上層部やその他諸々がそれを許すでしょうか?」
「……そうですね。実は僕もその辺をどうしようか考えていました。茶々丸さんの言う通りにこの魔法世界に関わる人があれ程のマジックアイテムを所有しているというのはどう考えても拙いです。かと言ってどこかに封印するにしても封印した以上は解放も出来るという事になります。それで僕が考えた方法は1つ」
そう言いながら、何故か俺の方へと視線を向けるネギ。そして……
「今回の騒ぎがどうにか収まったらグレートグランドマスターキーはアクセル君に託そうと思います」
自信満々に宣言する声が甲板へと響くのだった。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:20
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
撃墜数:393
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