SAOもう一人の聖騎士
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追想~跳躍する者達~
前書き
はい、そろそろ終わらせたいです。・・・・・・クライン諞終わったぐらいからもうグダグダだなぁ・・・・・・
ユグドラシルシティにほど近い高位ダンジョン。無論湧出(ポップ)するMob達は強力なものばかりだが、ヨツンヘイムの邪神ほど規格外なものが出るわけではないため、複数人で互いをサポートし合えば安全に戦うことが出来る人気のスポットだ。
・・・・・・・しかしPKを推奨しているALOの性質上、プレイヤーが集まる場所にはまた、別の考えを持ったプレイヤーが集まるものである。
「・・・・・・・ここって、こんなならず者の溜まり場みたいなところでしたっけ?」
「・・・・・・・漫画並みに荒れてんな・・・・・・・」
短刀を武器とし、高機動を活かした近接戦闘を得意とする少年、レコンと、彼の師匠である青年、キューブリックは、PKを生業とする脱領者に絡まれている真っ最中だった。
彼らも元々は風妖精、火妖精お抱えのPK部隊だったのだろう。こう言ったならず者部隊は、実力は高いがえてして問題行動が多い。敵対者を徹底的に叩き潰す手法をとるモーティマーなどは彼らを重宝していたが、かつてと違い競争性が薄くなった今日のALOでは彼らをレネゲイドすべきだと言う意見が殺到したのだ。むべなるかなと思う。
「おうあんたら、ここでスキル値稼ぎするんなら使用料おいてけ」
これぞいかにもと言う感じの、ステレオタイプのセリフと共にメンチを切ってくる脱領者達。その姿は滑稽だが、実力は折り紙付きだ。
「・・・・・・・ハッ!お断りだねはみ出し者!さっさと穴蔵に帰んな!」
キューブリックの啖呵と共に戦闘が始まった。
二人同時に跳び、落下の勢いと体の回転も込めて振り下ろされる白刃。片手剣単発重攻撃『スピンフォール・スラッシャー』。コンビネーションもかなりのものである。高速で振り下ろされる二つの白刃が構えることすら許さない・・・・・・と思いきや
「「ぎゃっ!」」
同時に上がる野太い悲鳴。キューブリックの武器が片方を胴から相手を両断し、レコンが逆手持ちに振り上げた短刀の柄がもう片方の顎を粉砕したのだ。
「レコン!全員ぶっ飛ばして進むぞ!」
キューブリックが自らの変則的な武器・・・・・・・肘から先を覆う長い腕環の手首部分から蟹の鋏状に刃が延びた小手・・・・・・・・とでも言うべきか。短剣と拳武器の中間にあたるこれはヘルセスタスと呼ばれ、拳の破壊力と短剣の速度を合わせ持つ優秀な武器だ。を構え、雄叫びを上げる。
「くっそ!嘗められてるぞてめぇら!さっさとぶっ殺せ!」
先ほどと同じ片手剣に、槍、斧・・・・・・・それぞれ違う種類の武器を持った彼らは、先に片方を集中攻撃で倒すと決めたのだろう。レコンに向かって一挙になだれこんでくる。
・・・・・・・だが、それにも関わらず先に仕掛けたのはレコンの方だった。
「ディグレ・チェイス・マキシウェル!」
『跳躍』の魔法。足腰のステータスを強化し、高く跳ぶことが出来るようになる。単純な魔法なのだが、この『跳躍』による三次元機動がレコンの神髄なのだ。
長い深緑のマフラーをなびかせて垂直上昇。鳥のように跳び上がる。空中で姿勢を変え、獲物に掴み掛かる猛禽の如く逆手の短刀を振り上げる。その真下にいた脱領者が彼を串刺しにしようと、大剣を斜めに振り上げた。
・・・・・・・甘いよ。
そう言いたげな、不敵な微笑がレコンの口元に浮かんだ。
彼の行う『跳躍』は並みのプレイヤーの羽を使った飛翔を大きく上回る。より速く、より高く、より遠くへ跳躍し、重力、慣性すらも無視してのける。
いきなり落下の勢いが緩まり、停止した。
まるで空中でブレーキをかけたかのように急停止し、振り上げられた大剣が空を斬る。
「終わりだ!」
その直後に再び落下を始めたレコンが短刀を振り下ろす。跳躍の勢いと全体重を乗せた一太刀が脱領者の右肩から左腰にかけて深々と斬り裂き、残り火(リメントライト)へと変える。
着地した後すぐさま跳び膝蹴り。今度は顎を真下から砕いて見せた。また一人、脱領者がリメントライトに変わる。
レコンの『跳躍』術は、最早『飛翔』の域にまで達しているのだ。初見で知らずに戦えば、どんなに卓越したプレイヤーであったとしてもこうなってしまう。
「レコン!」
叫び声が聞こえた。その声の主は、この場には絶対に居ないはずの人物で・・・・・・・
「リーファちゃん!?」
後書き
レコン君改造計画順調に進んでます。
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