八条学園怪異譚
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第四十四話 学園の魔女その九
「まあ悪魔に近いかしらね、キリスト教の」
「そうなんですね」
「そうした神様もいるんですね」
「神様っていっても色々でね」
「そんな神様もいて、ですか」
「そうした意味でも色々なんですね」
「そういうことなのよ。中には洒落にならない神様もいるから」
茉莉也は二人に真顔で話していく、このことは。
「気をつけてね」
「祟りには、ですね」
「それには」
「だから触らぬ神に祟りなし、ともいうのよ」
この言葉も存在しているというのだ。
「まあどの神様が祟り神かは自分で調べてね」
「あれっ、何かあるんですか?」
「自分でっていうのは」
「あまりこうした神様を口に出すのははばかれるし」
祟り神の祟りを気にしてのことだ、茉莉也は神社の巫女なのでこうしたことにはかなり神経質になっているのだ。
「それに多いのよ」
「そんなに多いんですか、祟り神って」
「いちいち挙げられない位に」
「そうなの。まああそこは大丈夫だろうから挙げるけれど」
「あそこ?」
「あそこっていいますと」
「靖国よ、東京のね」
あまりにも有名な神社である、戦争で死んだ英霊達が祀られている。
「あそこは戦死した人達でしょ」
「つまり怨霊にですか」
「下手したらなるんですね」
「そう、粗末に扱ったらね」
二人にこのことを真剣に話す茉莉也だった。
「だから気をつけてね」
「じゃああれですか?何処かの新聞や政党みたいに誰かの攻撃手段にすることは」
「かなり危ないですか?」
「あれ絶対に祟られるから」
茉莉也は二人に確信の声で答えた。
「洒落にならないわよ」
「ああ、やっぱりそうなんですか」
「祟られるんですね」
「ええ、特に新聞社の方はね」
与党や自分達への反対派への攻撃手段に利用した行為は許されないというのだ、もっとも彼等に信仰があるかというと甚だ疑問だが。
「発行部数の激減だけじゃなくてね」
「もっと、ですか」
「凄い祟りを受けるんですね」
「そうなるわよ、あんなことをしたらね」
茉莉也はその新聞社については厳しく言うのだった。
「まああそこはスポーツ部が残ればいいから」
「そこだけは、ですか」
「残っていいんですね」
「ええ、私巨人嫌いだから」
これまたはっきりと言い切った言葉だった。
「あんなチームは北朝鮮にでも本拠地移ればいいのよ」
「まあ私達も巨人嫌いですけれど」
「先輩もだったんですね」
「私も虎党だからね」
つまり阪神ファンだというのだ。
「巨人嫌いに決まってるじゃない」
「私も阪神ファンですよ」
ここで七生子も笑顔で言ってきた。
「巨人嫌いですよ」
「あっ、先輩もですか」
「阪神ファンなんですか」
「今好きな選手は福原投手です」
彼のファンだというのだ。
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