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lineage もうひとつの物語

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序章
  新米ナイト

 
前書き
人生初の小説ですので構成や言い回し等拙いところを多分に含みます。

独自設定が多くこれを書いたのが5年以上前ということもあり情報は古いです。

実際にプレイしていたのは海賊島実装直前までのためアイテムの名前が古かったり効果が違ったりするかもしれませんが御容赦願います。 

 
アデン王国

貧しくもなく豊かでもないが平和な国があった。
その国は善王と呼ばれ国民から愛されるデューク・デフィルという王が治めていた。
しかし永遠に続くかと思われた平和には終わりがある。
善王が崩御し国は乱れた。
王妃を操り王として君臨したケン・ラウヘルは圧政を敷き重税をかけ国民を苦しめた。

グルーディオ城は反旗を翻しケン・ラウヘルに抵抗するもラウヘルの兵力の前では敵わず壊滅させられてしまう。

善王時代からの側近であった数人は善王の忘れ形見である子供を連れ王都から脱出。

子供を未来の希望として匿った。

いつか必ず集結し王国を取り戻すという決意をもって各地に散らばり力を蓄え機会を待っている。

争いの火種は今は燻っているがいつ点火してもおかしくない不安定な情勢。

そのような国の一つの街でこれから旅にでようという青年がいた。

街とはシルバーナイトタウン
青年の名はアレン

先日ナイト訓練所を卒業したばかりの新米ナイトである。
訓練生時代からツーハンドソードを愛用している変わり者。
訓練所で使う剣は自前で準備する必要があり通常の訓練生は片手剣を使う。
軽く使いやすいうえに安上がりだからだ。
しかしアレンはカッコイイからという理由で大枚はたいてツーハンドソードを買ってしまった。
最初の頃はツーハンドソードの重さに振り回され訓練どころではなかったのだが段々と慣れ訓練生の一対一では負け無しとなった。
重いツーハンドソードを振り回していたので筋力は同じ訓練生とでは比べ物にならないくらいついた。
成績は中の中という平凡なもので終わったが。


アレンは卒業式を終えてすぐ旅の準備に取りかかる。

訓練生は卒業後様々な道へ進んでいく。
自宅周辺で修行するものも居れば故郷の守備兵になったり城勤めになったり。
優秀な者の中には訓練生のときから冒険者パーティーに勧誘を受けそちらに編入されるものもいる。
が、いきなり一人で旅に出る者は稀である。

幼い頃両親とともにグルーディオ戦役に巻き込まれ冒険者に助けられたものの天涯孤独の身となった。
冒険者にシルバーナイトタウンへ連れてこられ生活することになったのだ。
その冒険者は元アデン城に遣えるナイトであり国王交代の折りに冒険者となった者だった。
冒険者は住居をアレンに与え訓練所入所前まではたまに顔を出してくれ生活費も与えてくれていた。

アレンの夢は助けてくれたような冒険者になることであり人々を助けていつかは命をかけてでも護れる人物に遣えること。
今まさに長年の夢が叶うと思うといてもたっても居られなかったのだ。

新調した大きい袋にせっせと物を詰めていく。
各種ポーションを床に並べ丁寧に詰め込んでいく。

「割れませんように」

ポーションは瓶詰めされているので袋の中で割れると目も当てられない惨状になってしまう。
キッチンに向かい吊るされている肉を手に取り匂いを嗅ぐ。

「いい香りだ」

自前の干し肉を紙で包んでいき最後の一つをくわえながら袋に詰め込む。
自分好みの味付けなのですごく旨い。
これなら目的地ではいけそうだ。

肉の筋と口の中で格闘しながらタンスを漁る。

「げ、しわくちゃだ」

フードのついた薄手のマントで砂漠には欠かせないもの。
手で叩きシワを伸ばすが戻る筈もなくそのまま畳んで袋に放り込む。
後はランプや油等の旅に必要な物を詰め込み袋を閉じる。

「うわぁ、重そう」

持ち上げてみるが結構重い。

「肩にかけるから大丈夫かな」

と自分を納得させ腰に着ける小さい袋へ残しておいたポーションを入れる。

「これでばっちり」

出発は明日の朝一番
目的地は故郷であるグルーディオ地方

「よし早目に寝よう」

ベッドに滑り込み目を閉じる。
どのような冒険が待っているのか期待と少しの不安を胸に眠りについた。
 
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