ヘタリア大帝国
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TURN96 ランス=ハーンその五
「あれはないよ」
「そうか」
「あの艦隊何なのかな」
「総員退艦出来たみたいですが」
シィルも唖然となっている。
「あの、それでも」
「凄いの見たよ」
攻撃をした本人の言葉である。
「これはね」
「とにかく一糸報いた」
ランスはまだ驚きを収めきれていない、だがそれでも言った。
「帰るか」
「うん、じゃあね」
「暫く元の可愛い娘ちゃん達の相手をしようか」
それはそれで満足するランスだった、何はともあれ元軍は撤退した。
ネクスンは無事港に戻った、そこで部下達に明るく言った。
「いやあ、危なかったね」
「だから何で普通の攻撃があんなのになるんですか?」
「有り得ないですよ」
部下達は何とか死地を脱した顔で応えた。
「あの、提督って本当に」
「どういう運勢ですか?」
「どうしたも何も助かってるじゃないか」
ネクスンは相変わらずの調子である、無闇に明るい。
「元軍の侵攻も防いだしいいじゃないか」
「靴紐が切れたら絶対に攻撃受けますよね」
「しかも洒落にならない大ダメージですし」
それこそ先程の様に艦隊が消し飛ぶ。
「しかも絶対に誰も死なないですから」
「提督ってどういう方ですか?」
「僕は僕だよ」
やはり明るい、無闇に。
「それ以外の誰だっていうんだい?」
「まあとにかく敵は退けた」
伊藤がここで言う。
「誰も死ななかった、よしとしよう」
「ネクスン殿は日本に向かわれて下さい」
宇垣がその彼に言う。
「艦隊の修理をお願いします」
「うん、わかったよ」
「全滅扱いなので二月かかりますが」
それでもだというのだ。
「宜しくお願いします」
「了解だよ」
ネクスンは右目をウィンクさせて応えた、何はともあれ枢軸軍は新たな敵を退けた。その頃日本では日本が浮かない顔で東郷に話していた。
「夕霧さんですが」
「相変わらずか」
「はい、むしろ機能が低下していっておられます」
そうだというのだ。
「このままでは」
「機能を停止してしまうか」
「それにお姿も」
コンピューターグラフィックで出るそれもだというのだ。
「調子がよくありません」
「コンピューターグラフィックスの調子?」
「はい、それがです」
よくないというのだ。
「あまりよくない事態です」
「まずいな、一番艦の夕霧fが機能を停止するとな」
「同型艦全てに影響しますね」
「あの娘が艦隊の柱だからな」
夕霧の艦隊は四隻からなる、四隻の戦艦からだ。
「司令塔が動かなくなると」
「艦隊が動かなくなります」
「そうだ、すぐに修理にあたるか」
「ソビエト軍の攻撃は予想以上でした」
夕霧の艦隊はあの一斉射撃、カテーリンのパイプオルガンの中で全滅したのだ、修理はしているがそれでもなのだ。
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