真・恋姫†無双 リウイ戦記
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六話
董卓は黄巾の乱以降。并州に良政を敷き、経済、軍事を拡大した。それを足がかりに朝廷の威を借りて隣接する涼州に少しづつ手を伸ばし勢力を拡大した。さらに羌族らを抱きこみ私兵を増やしていった。
一方で朝廷に送り込んだパイモンの報告では朝廷内では、権力闘争が続いていた。
リウイ私室
「大将軍の何進と宦官の闘争は日々激化しています。その上に何進は前回の戦いで何も出来ずに終わったので求心力が無くなっており、外部の有力者の袁紹、袁術を招いて朝廷内で勢力を伸ばしています、それと対して宦官らも何処かの有力者を招こうとしています」
「その闘争に巻き込まれないように、こちらの事は胡の跋扈が酷いと伝えろ」
「承知したしました。しかし、連中は焦っています。再三に渡る上洛を断るのはどうかと思いますが」
「そこは、賄賂で何とか…」
「どうしました?」
リウイの沈黙にパイモンは問いかけた。
「パイモン、曹操とやらは如何いった反応だ?」
「曹操ですか、彼女は典軍校尉の顕官とそれ相応の領地を貰ってそこを統治しておりますが」
「以前聞いたが、曹操は張角らを匿っているそうだな」
「はい、証言者も居ります、それが如何しましたか」
「宦官に曹操の上洛を促せ、連中にはその事を語り、曹操に叛心があるかを問わせる」
「その手がありましたね。では、曹操に上洛の使者を送るようにします」
「お前はしばらくはそこにいろ、曹操の上洛とその後の朝廷の様子を見た後。こちらに来い」
「承知いたしました」
パイモンとの話しが終わった後、ペテレーネが部屋の扉を叩いた。
「失礼しますリウイ様。…あの、今日は私の番ですので…」
「そうか、入って来い。ペテレーネ」
「はい!」
嬉しそうに部屋に入って来たペテレーネを見た後、パイモンは
「おじゃまをしては無粋ですね。それではリウイ様、失礼します」
そう言って去っていた。
その後、リウイの画策通り。曹操は上洛するとの報を聞き、董卓の事は朝廷でも忘れられた。
その後。宦官は何進を暗殺し、宮廷争いは曹操と宦官の勝利で一段落がついたが、その後、曹操は宦官らを粛清し朝廷を整え、漢王朝を自分のモノにした。
朝廷 曹操私室
「張三姉妹を匿ったのがこんなに早く裏目に出るとね。仕方が無いわ、私の覇道を敷く為、これから負けていられない」
「華琳様…」
曹操を心配する三人の部下を見て、曹操は命を下した。
「春蘭、秋蘭、桂花。急いで支度しなさい」
「「「はっ」」」
その後、曹操は禁軍を自分の軍に吸収し三十万の軍を手に入れた
曹操の行動を見た後、パイモンはそのどさくさに城内の各地の食料庫に火をつけたのた後、朝廷を去り、リウイと合流した。それからしばらくして袁紹からの檄文が届いた。
謁見の間
「反曹操連合か、連中も懲りないわね」
「だが。これで、漢王朝の時代は終わるか」
「そうですね、上手く工作した甲斐があります」
主だった面々が集まり会議をし、如何するかを決めていた。
「お兄様、どう思います?」
「濡れ衣とはいえ、曹操は悪名を着せらている。参加する方がいいだろう」
「そうね、その証拠に曹操を味方する者は誰もいないわ。私も参加するほうがいいと思う」
「そうですか。では、袁紹さんにその様に文を送ります」
月が使者に文を持たせ送り出した。そしてその後、カーリアンや霞、楼、エヴリーヌが入って来た。
「やっと暴れられるわね」
「せやな、長かったで」
「そうだな、私もようやく自分の力を見せられる」
「楼って、私達に一対一で負けてから、何か難しい事、詠やねねに教わってたんだっけ」
「そうだ!用兵を一から学んだのだ。もう以前の私とは違う」
「ふーん。エヴリーヌには関係ないけど。がんばってね」
「ふっ、その様な悪罵モノとも無いわ」
「エヴリーヌ、貴女も少しは楼を見習って用兵を学べば」
ファーミシルスはそんなエヴリーヌに忠告した。
「いや!そんなの学んだらお兄ちゃんの傍にいられなくなるもん」
「リウイ様の傍にいるからこそでしょ、全く。カーリアンの悪いところばかり真似て」
「ちょっと、悪いところってどういう意味よ」
「その品性のかけらも無いところよ」
「なんですって」
「二人共やめろ、話を戻すぞ。月すぐに、連合に加わる軍を編成してくれ」
「はい!じゃあ皆さん準備に掛かってください」
十日後。月は軍を整え、連合の合流地に六万七千の軍を引き連れ、進軍した。
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