問題児たちが異世界から来るそうですよ? ~無形物を統べるもの~
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Tain Bo Cuailnge ④ & 大祓 ③
「「真夏の夜の夢!」」
音央と鳴央は同時に技を発動し、相手の位置を入れ替えたり、相手を眠らせたりしていく。
そうして動きを止められたものから神隠しにあわせていくが、天逆海は鬼を無限に生成できるため、状況に変化は見られない。
「ああ、もう!茨の檻!」
音央は、そんな状況に嫌気が差したのか、八割がたの鬼を茨で縛り上げると、
「ちょっと行ってくるわ!妖精の園!」
「分かりました!こっちは任せて下さい!」
音央はそのまま、そいつらを連れて自分の領域へと連れて行く。
「さて・・・このまま縛ってても意味なさそうだし。」
音央は茨を解こうとするが、その前に鬼が火を噴き、燃え散らしてしまう。
「・・・鬼ってこんなことできるの?」
音央は知らなかったことに驚くが、鬼というのはかなり自由度の高い妖怪だ。
持つ武器も様々、能力を持っていたりもするし、角の数も1~3本。
一輝なら、「あ、火吹いた。」くらいの反応になるだろう。
「でも、吹いたってことは吹くんだし・・・あれを試すにはちょうどいいか。」
音央がそんなことを言っていると、今度は別の鬼が武器から雷を放ち、毒を吐き、もうやりたい放題だ。
「・・・一輝も言ってたけど・・・妖怪って・・・適当ね。
ふう・・・女王の命令に従いなさい。」
音央は妖精の女王として、妖精に命令していく。
音央のギフトネームは妖精の女王、ティターニア。今までは自分の力だけで動いていたが、本来は命令する側である。
そして・・・
「ウンディーネ!」
まずは、水をつかさどる妖精の力により水を放ち、火を消す。
そのまま、一輝のように斬ろうとするが、
「これ、結構難しいのね。今度一輝にコツ、聞かないと。」
ぜんぜん切れず、諦めて次の妖精の力を使う。
音央の周りに風が漂い始める。
「シルフ!ついでにサラマンダー!」
最初は風だけで行くつもりだったが、何かを思いついたのか、火も追加する。
そして、二つの要素を組み合わせて、
「火の竜巻って、意外と作れるものね。」
危険すぎるものを作り、鬼にぶつけていく。
力づくで組み合わせただけなので、荒々しいことこの上ないが、殺すためのものなのでいいだろう。
「この力初めて使うけど、うまく使えるようになれば、一輝みたいな攻撃が出来るのかしら?」
音央は新しい可能性に心躍らせながら、さらに妖精を追加する。
「バグベア!子供を喰らいなさい!」
音央の言葉と共に全身毛むくじゃらの人が現れ、子供の鬼を喰らっていく。
余談だが、毒は風で払い、雷はよけ続けている。
「さて・・・そろそろ避けずに対処しますか。ノーム!」
音央の言葉と同時に地面が盛り上がり、雷を受け止める。
「この様子なら・・・あ、鳴央?どうにかなりそうだから、こっちにも定期的に何体か送って。」
『分かりました。まずは今までに神隠しにあわせたものを送っていきます。』
音央は数が少なくなったため鳴央に電話をして敵の増加を頼む。
今回のゲームでは鬼の殺害が勝利条件なので、神隠しにあうだけではだめなのだ。
「さて・・・スプリガン!ジャックフロスト!」
音央は巨大な妖精と雪男のような妖精を召喚し、鬼に向かわせながら、
「ウォーターリーパー!ウンディーネ!」
水をつかさどる妖精二体分の力で先ほどよりうまく水を操り、先ほどの竜巻も使って鬼を潰していく。
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「さて、こちらも試すとしましょうか。」
一方、森に残った鳴央も新しい力を試そうとしている。
この二人は、一輝の奥義を参考に、自分のギフトの本質を学ぶことで新しい戦い方を編み出した。
だから、この二人の力は・・・どこか一輝に似ている。
「神隠し。これを起こす存在は私だけじゃない、ですか。妖怪に詳しい一輝さんに聞いて正解でしたね。」
鳴央は自分の“神隠し”という属性から別の属性に繋げる。
「よいしょ!」
鳴央は自分の手に現れた、葉っぱの扇を振り、風で鬼を吹き飛ばし、もう一度振ることで風で切り裂く。
これは、天狗の力を使ったものだ。
ただ、反動で軽く後ろに飛んでしまうのが問題だが。
「私には使いづらいですね・・・でも、これ以外はまだよく分かっていませんし。」
というと、鳴央は再び扇を振り、鬼を切り裂く。
「あ・・・でも、天狗からつなげていけば・・・かなり近いものなら、」
というと、鳴央はもう少しだけ広げる。
「こんな感じで・・・」
鳴央が手を突き出し、少し目を瞑ると、手から炎が出て、燃やしていく。
「普通の火が出てしまいましたが・・・まあ大丈夫ですかね。後はこれにあわせて・・・」
鳴央は火を風であおり、さらに奈落の穴、奈落の門を組み合わせて鬼を倒していく。
この炎は、天狗という属性からそれに化身しているといわれている楼羅天の力を使ったのだが、少し遠いためか金色の炎は出ず、少し神気を持つ火、位のものだ。
「なんだか・・・イメージと違います。どうにも力技は苦手ですね。」
鳴央はそんなことを言っているが、鳴央の性格のおかげでうまく倒しているだけで、一輝や音央がこれを使えば、森はなくなっているだろう。森林伐採である。森は大切に。
「あ、電話ですね。はい、もしもし。」
『あ、鳴央?どうにかなりそうだから、こっちにも定期的に何体か送って。』
「分かりました。まずは今までに神隠しにあわせたものを送っていきます。」
鳴央は自分の意識の一部を富士蔵村に繋ぎ、さらに妖精の園に繋げることで鬼を送っていく。
「では、もうひと頑張りといきましょう!」
鳴央は火と風、奈落の穴、門を操り鬼を倒していった。
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