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第二章

「選手にはな」
「といいますと」
「一体誰に使うのですか?」
「金を」
「グラウンドにといいますと」
「つまりだ」
 理事長は今度は悠然と笑って理事達に話した、そうして金のあらたな使い方を教えたのであった。
 大会は共催のもう一方の国が豊かな資金を使ってグラウンドを立て受け入れ態勢を整えた、そのうえで開会式は某国が受け持った。開会式も気になるところが多かったがそれでもとりあえず大会ははじまった。
 ここまでで誰もが安心した、しかしいざ試合がはじまってみると。
 某国の選手達は次々と問題行動を起こした、その行動はというと。
「何だ、あのパフォーマンスは」
「スケートか?」
「オリンピックの判定への抗議か?」
「それをしたのか?」
 世界のファン達はそのパフォーマンスに眉を顰めさせた。
「今のスポーツとは関係ないだろうに」
「何であんなことをしたんだ」
「それにだ」
 しかもだ、まだあった。
「ラフプレイが多いな」
「ああ、故意にやってないか?」
「いや、やってるぞあれは」
「そうか、やっぱりな」
 今度はそのラフプレイだった。
「相手の選手を掴んだりな」
「蹴ったりもしているぞ」
「サポーターのブーイングもあるしな」
 そのサポーター達はというと。
「一文字でアゲイン何とかって書いたりな」
「あれも酷いな」
「独裁者の息子達とかな」
「後遺影もあったな」
 彼等も彼等で問題を起こしていた、そしてその選手達のラフプレイだが多くの国のファン達がここで気付いた。
「しかし審判は何をしてるんだ?」
「そういえばカード出さないな」
「相手チームにカードは出るのにな」
「何でだ?」
「何で審判はカードを出さないんだ?」
 このことにだ、ファン達は気付きだしたのだ。
「そういえばな」
「何でだ、それは」
「それはどうしてなんだ?」
「まさかと思うがな」
 そしてだ、ここからある考えに至ったのだった。
「審判買収されていないか?」
「まさか、国際大会でか?」
「全世界が見ている前で審判を買収してるのか?」
「それはないだろ」
「幾ら何でもな」
 皆最初は否定した、だがだった。
 見れば見る程だった、審判の行動がおかしかった。
 某国のラフプレイには知らない顔をして相手チームの些細なプレイにはカードを出しオフサイドの判定を出す、そうしたことが続き。
 相手チームに不利なホイッスルが鳴りだ、遂にファン達は言った。
「あれがか!」
「おい、違うだろ!」
「あれはゴールだ!」
「ノーゴールじゃないぞ!」
「あの審判何だ!」
「何処に目をついているんだ!」
 流石に皆これには怒った、そしてここでだった。
 確信した、某国は。
「間違いないな、あいつ等」
「ああ、買収してるな」
「審判買収してるぞ」
「連中にだけ都合のいいジャッジばかり出るしな」
 某国の選手のどんなラフプレイも見て見ぬふりだ、そして相手チームはノーゴールに些細なプレイにカードが出されたのだ。 
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