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真・恋姫†無双 リウイ戦記

作者:ツカ
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五話

董卓軍は五日間の休息の後、黄巾の首領が曹操と言う者に討たれた報を聞き、董卓は領内に帰る事を決めた。
「私達は并州に帰るのですが、お兄様達はどうしますか?」
「無論ついて行く、私達は君と命運を共にすると決めた」
「ありがとうございます、お兄様」
「…お兄様と言う呼び方はどうにかならんか、月」
「エヴリーヌもその様に呼んでいましたし、駄目でしょうか」
月の捨てられた子犬の様な目を向けられて、リウイは承諾した。
「リウイは相変わらず女の子に甘いわね」
カーリアンの嫌味を聞き流しリウイらは月の領地に行くことを決めた。

        并州
「いいところだな、ここが君の領内か」
「はい!ありがとうございます」
リウイは見渡す限りの草原を見つめ感想を漏らし、月はそれに喜んだ

そして、リウイは月がどれだけ慕われた領主だとわかった。
「皆、君の帰りを待ち望んでいたようだな。凄い歓声だ」
「わたしの力じゃありません、詠ちゃんや皆が支えてくれているからです」
その態度にリウイは忠告した。
「月、君のその仲間を大事に思う態度はとても大切だ。だが、自分の力を信じる事も同じくらい大切な事だ、その事を頭に入れておけ」
「…わかりました」
月はリウイの言葉を真摯に受け取り、返事をした。

そして、城に入り月はこれからどうするかを決めるための会議を始めた。
「さて、これからどうします?」
「漢王朝がこれからも大陸を支配できるか疑問だな、力をつけた諸侯の手綱を握れるとは思えない。まずは領内の富国強兵を図るのが第一だろう」
「そうでしょうか、こちらはこれだけの力をつけたのです、利用して売り込むべきだと思うのです」
「ねね、私はそうは思えないわ。リウイ様の言う様にまずは静観しておけばいいわ、下手に売り込めば大陸全ての勢力を敵に回すと思うわ」
「…私も音々音の意見と同じだったけど、二人の意見を聞いて考えが変わったわ。確かに、今、力をつけたけど磐石とは言いがたいわ。まずは地盤を固めましょう、それに朝廷にはパイモンっていうのが入り込んでるんでしょう、それを使って少しずつ力を売り込むのが一番いいわね」
「では、以前から打診されていた、朝廷の参内の誘いは受けないほうがいいだろう。幸いここは国境近くだ胡の討伐とでも言っておけばいいと思う」
「そうですか、では、今は領内の富国強兵につとめましょう」
そうして、月は誰が何を担当していくかを決めた。
詠は領内の治水、領地開発を担当し
リウイは流通、経済の担当
ファーミシルスは軍事の全権を担当し
音々音は領内の治安を担当した

その一方でリウイや配下の将も自身の鍛錬を怠らなかった

    演習場

「やあっ」
「っつ」
カーリアンと恋が一対一での鍛錬をしていたが、その様子は一方的に攻めるだけで恋は守勢に回っていた。
その様子をみた月達は信じられないものを見たような顔をしていた。
「カーリアンって強いのね、恋が押されている所なんてはじめて見た」
「詠、カーリアンだけやあらへんよ、ファーミもエヴたんも恋と勝負して勝っとるんや」
「そうなの!」
「ああ、うちも三人に挑んだんやけど、手も足もでえへんかった。なあ」
楼は霞の言葉に気まずく頷いた。
「ああ、悔しいが惨敗だった」
「最近、大人しいと思ったら、そういう事だったのね」
「せやな、特に楼はしばらく落ち込んでたからな、でも最近はなんか吹っ切れたみたいやで」
「そうなの、楼?」
「ああ、私は自分の力を過信していた。これからは自分の力に溺れない様に鍛錬し、用兵を学んでいく」
「そう、がんばってね」
楼の新しい決意に詠は応援した。
 
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