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ヘタリア大帝国

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TURN94 ソビエト参戦その七

 暗黒の中に次々と炎が起こった、それこそまさにだった。
「何っ、姿が見えているのか!?」
「馬鹿な、潜水艦だぞ!」
「それで見えている!?」
「何故だ!」
 ソビエト軍潜水艦艦隊は驚愕の声を挙げた。彼等は姿が見えていないからこそ安心出来ていたのである。
 しかし見えている、それではだった。
「まずいぞ、姿が見えている潜水艦なぞ」
「ただの棺桶だ」
「おい、このままでは一方的にやられるぞ」
「俺達は只の動く的だ」
「水雷攻撃どころではないぞ」
「副司令、どうされますか?」
 館長の一人が潜水艦艦隊を指揮するリディアに問うた。
「ここは」
「そうね、ここはね」
 リディアは流石に冷静なままだ、だがだった。
 自身が率いる艦隊の惨状に危機感を覚えていた、だからだった。
「一旦退くしかないわね」
「はい、それでは」
「ここは」
「司令、そうしていいですか?」
 リディアはジューコフに指示を仰いだ。
「ここは」
「止むを得ないか」
 ジューコフはその隻眼の顔を難しくさせて答えた。
「ここは」
「最早これでは敵軍の後方を攻めるどころではありません」
「どうやら敵は既にソナーを開発しているな」
 ジューコフにはすぐにわかった、流石ソビエトの名将である。
「だから潜水艦の場所がわかっている」
「だからですね」
「潜水艦を使った作戦は放棄する」
 諦めるというのだ。
「ここはな」
「はい、それでは」
「しかし潜水艦は使う」
 作戦は放棄してもだというのだ。
「鉄鋼弾攻撃の時にな」
「わかりました、それでは」
「ソビエト軍の伝統戦術を行う」 
 その伝統戦術はというと。
「圧倒的な火力で押し切る」
「では同志ジューコフ」
「ビーム及びミサイルの広範囲攻撃だ」
「パイプオルガンですね」
 参謀の一人が言う。
「同志カテーリンの」
「そうだ、ここはだ」
「では今から」
 ソビエト軍はその得意とするビームとミサイルの広範囲攻撃に移ることにした、実際に。
 凄まじい火力での攻撃が行われた、それが枢軸軍を撃つ。
 ダグラスの乗艦エンタープライズにも次々と攻撃が来た、それには。
「おい、凄いなこれは」
「ええ、噂には聞いていましたが」
「予想以上ですね」
「第六世代の船でもまずいな」
 実際に攻撃を受けての言葉だ。エンタープライズのバリアも破られダメージを受けていく。
「持ち堪えられるか?」
「何とか」
「大丈夫だと思いますが」
 エンタープライズの艦橋にいる参謀達が答える。
「しかしもう一撃受けては」
「そうなっては」
「ああ、沈むな」
 ダグラスもそれはわかった、よく。
「これだけの攻撃をまた受けたらな」
「今のところ全滅している艦隊はありません」
 それはなかった、だが。
「全艦隊かなりのダメージを受けています」
「多くの艦隊の損傷が五十パーセントを受けています」
 無論ダグラスの艦隊もだ。 
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