紅き微熱と黒き蓮華
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第一話
前書き
今回はどういう風に進めようかとても迷いました。
やっぱり出会いは難しいですね
自分の中で一応goサインが出せるぐらいだったのでとりあえず上げます
もしかしたら少し変更するかもしれません
迎えたサモン・サーヴァント。
召喚の順番を待つ者は、どこか落ち着かない様子でソワソワしている。
それもそのはず、このサモン・サーヴァントは進級試験だけでなく、己の一生のパートナーとなる使い魔を決める儀式でもあるのだ。
また、メイジの実力を見るなら使い魔を見ろという言葉があるように呼び出した使い魔でメイジの格が決まると言われている。
したがって気楽にいけというのは無理な話だ。
だがそんな中、タバサはいつも通りの無表情を崩さずに黙々と読書していた。
彼女はキュルケと共に、学院でも有力なトライアングルクラスのメイジであり、皆から一目置かれていた。
そんなこともあって周りからは今回のサモン・サーヴァントでも期待されていた。
もう片方のトライアングルメイジであるキュルケといえば、心ここにあらずといった具合でため息をついていた。
彼女の手には母からここ一番の時に持ってなさいと言われて貰った、蓮をあしらったペンダントが握られている。
(もう、蓮を見たから思い出しちゃったじゃないのよ…)
キュルケはペンダントを首につけ直し、再びため息をついた。
ふと、隣を見るとルイズがなにやらぶつぶつと呟いている。
「あら、ルイズ。独り言だなんて、失敗したときの言い訳でも考えてるのかしら?」
「バッ、そんなんじゃないわよ!!万が一、いや億が一失敗しちゃった時の為にミスタ・コルベールが…自分なりの召喚の言葉を考えておきなさいって言っていたから…それを考えているのよ」
後半で思い詰めたような表情で尻すぼみにになっていくルイズの言葉を聞いて、キュルケは申し訳なさそうな顔をした。
「そう。…でも貴方ならきっと成功するわ。だって私のライバルだもの。だから堂々と胸を張ってなさい」
「…え?」
そうこうしている内にキュルケの番が来たようだ。
所定の位置に着くためルイズに背を向け歩き出す。
「キュ、キュルケ」
ルイズに呼び止められ、後ろを振り返る。
「何かしら?」
「あ、あ…ありがとう」
小さく呟かれたそれはキュルケの顔を綻ばせた。
所定の場所に向かうキュルケはその途中で集団から離れ一人、読書をしているタバサを見た。
彼女の隣には先程召喚したのであろう幼竜がいた。
(私も頑張らなくてはね)
所定の位置に着いたキュルケは召喚の言葉を紡ぎ出す。
「ハルケギニアに生きとし生ける者よ、我の呼び掛けに応じ馳せ参じたまえ!!」
目の前では彼女の得意魔法である「火」の渦が現れ、熱気がこちらにまで及んでくる。
まさに、天に昇らんとする勢いの火にキュルケは驚いた。
(こ、これは…当たりかしらね。火竜かもしれないわ)
ところが、唐突に火の渦が消えてしまった。代わりに虚空からドサッ―――と人間らしきものが落ちてきた。
「ミスタ・コルベール。これは、一体?」
突然の出来事に頭の整理が追い付かなかったキュルケはコルベールに尋ねた。
「お、おそらく、人間、亜人の類いだろう。こんなことは初めてだ。信じられん!」
周りではまさか、あのツェルプストーが人間を?等と口々に囁き合っている。それを見てキュルケは羞恥で顔が朱に染まった。
「ですが…」
「えーと君はトライアングルメイジだ。だから…そう!その君が呼び出したのだからさぞかし腕の立つ者だろう。さあ、契約を続けなさい」
コルベールはしどろもどろになりながら落胆するキュルケを励ました。
キュルケは契約の為に仕方なくうつ伏せで意識を失っている黒髪のポニーテールの女性を仰向けにした。
細身ながらもがっしりとしたその体躯にキュルケは認識を改めた。
(まさか、殿方だったとはね。…ってめちゃくちゃ美形だわ!この顔だったら使い魔にするのも悪くないかも)
面食いのキュルケが急に態度を一変させるのも無理はなかった。そこには十人中十人が、美形と答えるであろう整った目鼻立ちをした顔があった。
年齢はキュルケよりも二つか三つ上だろうか。
程無くして彼女は顔から目線を外し、彼の服装を確認しようとした所で彼女はある一点を捉え、目を見開いた。
目線の先には夢で見た十字架と同じものがなんと彼の胸に縫いつけられていたのだ。
似ているとかそういう次元ではなく全く同一の物だ。
(どうして、この人の胸に同じものが?…後で聞いてみないとね)
「コホン」
コルベールがあまりの長さに耐えかねたのか、咳払いをした。
すぐにキュルケはコントラクト・サーヴァントを執り行う。
「我が名はキュルケ・フォン・ツェルプストー。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
ゆっくりと自分の唇を彼の唇にあてがう。
どこかの誰かさんのようにこれが、ファーストキスというわけではないが、彼とのキスは何故か胸が高鳴った。
キスをしたまま、彼の顔を見るとどうやら目を覚ましたようでそんな彼に笑顔を向けた。。
一方、黒髪の彼、神田は自分が置かれている状況に驚いていた
(何が起こってやがる?)
神田はその日、探索部隊と手分けをしてイノセンスを捜索していた。
その際にいかにも怪しい鏡らしきものが宙に浮いているのをを見つけた。
彼はイノセンスだと思い、回収しようと手を伸ばすそうとするとその直前で―――――
「神田殿、イノセンスを発見いたしました」
彼のゴーレムに探索部隊からの連絡が入った。
じゃあこれは何だ?そう思った時には鏡に触れていて、次の瞬間には意識を失った。
そして目を覚ますと画面一杯に褐色の女の顔があった。
目が合うと、女はイタズラが成功した子供のように無邪気に笑った。その姿が何故かあの人と面影が重なり、本来ならば女や子どもにも容赦がない彼は突き飛ばす等しただろうが、出来なかった。
(チッ…コイツの蓮のペンダントで思い出したのか?そうでなければコイツとあの人は似ても似つかねえ姿だしな)
しばし呆けていたが、不意に訪れた右胸の激しい痛みが神田を襲い彼は再び気を失った。
彼が右胸を手で抑え、再び気を失うのを見てキュルケは慌てた。
「ミスタ・コルベール!!」
「普通では考えられないが、ルーンが胸に刻まれて意識を失ったんじゃないのか?ちょっと失礼して確認するよ」
気を失っている彼に断りを入れると衣服をはだけさせてルーンを確認した。
「こ、これは?どちらもルーンに見えるが…右胸の方だろうな。ほう、蓮とはゲルマニアの君らしいルーンだね」
彼の胸に刻まれていたのはキュルケとの契約の証のルーンの他に左胸に見慣れない文字(?)があった。
一族のしきたりか何かだろうか。
(十字架の事、聞けなかったけど今日は目を覚ましそうにないわね。人間の使い魔か…いいえ、私はトライアングルメイジよ。必ず私の使い魔にふさわしいはずだわ)
君の召喚の儀は終わったと告げ、コルベールは他の生徒の立ち合いに行き、そこに残されたのはキュルケとその膝で眠る神田のみであった。
没案1
ところが、唐突に火の渦と火竜は消え、代わりに虚空から黒髪のポニーテールの女が現れた。
整った目鼻立ちをしていて見る者に美形の印象を与えた。
「何なのかしら!貴女はいった……え?」
突然の出来事に驚いたキュルケはとりあえず口を開こうとしたが、そこで彼女は言葉を詰まらせた。
理由は二つ。
一つは彼女の胸にある十字架が夢で見た十字架と同じだったからだ。似ているとかそういう次元ではなく全く同じものだったので非常に驚いた。
そしてもう一つは――――
彼女の刀の切っ先がこちらに向けられていたからだ。
「テメェに質問だ。ここはどこだ?」
彼(声の低さからして男のようだ)は不機嫌そうな顔で尋ねてきた。
「あ、貴方いきなり刃を向けるなんてそれが人にものを尋ねる態度なのかしら?」
少々焦りを滲ませながら、キュルケはできるだけ毅然とした態度で対応すると、彼は舌打ちをしながら渋々と刀を下ろした。
(チッ…。どうなってやがる?)
一方、黒髪の彼、神田もこの状況に驚いていた。
神田はその日、探索部隊と手分けをしてイノセンスを捜索していた。
その際にいかにも怪しい鏡らしきものが宙に浮いているのをを見つけた。
彼はイノセンスだと思い、回収しようと手を伸ばすそうとするとその直前で―――――
「神田殿、イノセンスを発見いたしました」
彼のゴーレムに探索部隊からの連絡が入った。
じゃあこれは何だ?そう思った時には鏡に触れていて、次の瞬間にはここに来ていた。
素早く周囲の状況を確認すると、そこには神田よりも少し年下の男女が皆同じ服装で彼を見つめていた。
ここは何らかの組織なのだろうか?
すぐさまゴーレムで連絡をとりたかったが、正体も分からない相手を前に隙を見せることは出来なかった。
「何なのかしら!貴女はいった……え?」
自分で判断するのもこれが限界だったので、一番近くにいた褐色の女に声をかけることにした。
もちろん六幻の切っ先を向けて、である。
「テメェに質問だ。ここはどこだ?」
いろいろ聞きたいことがあったが、まずは現在地を尋ねた。
「あ、貴方いきなり刃を向けるなんてそれが人にものを尋ねる態度なのかしら?」
女の言葉は最もだったので、神田は舌打ちをしつつも六幻を下ろした。
しかし、いつでも応戦出来るようにイノセンスは発動させたままにしておいた。
「それで、ここはどこなんだ?」
「ここはハルケギニアのトリステイン魔法学院よ。貴方は平民かしら?」
――――――――
没案2
「ハルケギニアに生きとし生ける者よ、我の呼び掛けに応じ馳せ参じたまえ!!」
目の前では彼女の得意魔法である「火」の渦が現れ、熱気がこちらにまで及んでくる。
まさに、天に昇らんとする勢いの火にキュルケは驚いた。
(こ、これは…当たりかしらね。火竜かもしれないわ)
「おお、さすがはミス・ツェルプストー。今年は竜が2体も召喚されるとは…」
火の渦の隙間から火竜の皮膚がかいま見えた。
ところが―――
「イノセンス発動。災厄招来‘二幻刀’」
「グオォオオ」
突然聞こえてきた声と共に、火竜が咆哮を放つ。
想定外の事態に教師のコルベールも慌てた。
「み、みんな、速やかに離れるんだっ!ミス・ツェルプストー、君には申し訳ないが最悪、呼び出した火竜は殺すかもしれない。いいね?」
本当はそんなことはしてほしくないが、みんなに危険が及ぶことを事を考えると背に腹はかえられなかった。
「…はい」
生徒全員が避難出来たのを確認したあと
前を見ると黒のロングコートを羽織った黒髪のポニーテールの彼女が火竜と戦いを繰り広げていた。
「ちょ、ちょっと貴女危ないわよっ!速く離れなさい!!」
「チッ…。このAKUMA、六幻でも斬れねぇとは。…腹を狙うか」
黒髪の彼(声の低さからして男のようだ)はキュルケの言葉を聞いていないのか、立ち上がった火竜へ向け加速し出す。
「二幻‘八花螳蜋’」
後書き
とりあえず没案ものせときました
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