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万華鏡

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第四十二話 運動会前にその十二

「身体はほぐさないと駄目よ」
「温めてですか」
「高見山親方も現役時代そうだったのよ」
 ハワイ生まれの力士であった、現役時代は本名でもあるジェシーの愛称で親しまれた愛すべき相撲人である。
「試合前にはしっかりと準備体操をしてたから」
「怪我をしなかったんですね」
「そう、だからね」
 体育や部活の前、身体を動かす前はというのだ。
「そこはちゃんとしてね」
「わかりました」 
 琴乃だけでなく他の部員達も副部長に応えた、こうしてゆるキャラのことと怪我や病気に注意することも言われた、その話が終わってこの日の部活も終了となった。
 その部活の帰りにプラネッツの五人はこの日はラーメン屋に入っていた、そのカウンターで並んでラーメンを食べながらだった。
 里香が他の四人にこんなことを話したのだった。
「ラーメンのスープはね」
「トリガラよね」
 彩夏が里香のその言葉に応えた。
「そうよね」
「ええ、このラーメンのスープはね」
 見れば濃い茶色だ、その中に麺や具がある。
「トリガラだから」
「カルシウムが多いのよね、確か」
「そうなの、だからラーメンのスープは骨にいいのよ」
「そうなるわよね」
「トンコツも同じでね」
 白いスープのそちらもだというのだ。
「カルシウムが多いから」
「じゃあラーメンのスープは飲むといいのね」
「そうなの、ただ塩分や脂肪が多めだから」
「そこは気をつけてなのね」
「そうなるの、けれどこのラーメンは」
 そのスープをすすりながらだ、里香は言う。
「かなりあっさりしてるわね」
「あれだろ、ラーメンのスープってアク抜きに野菜入れてるからさ」
 美優がここで言ってきた。
「だからな」
「それでなのね」
「ああ、このお店のは特に多いんだろうな」
 アク抜きで入れているその野菜がだというのだ。
「それでだよ」
「そうなのね」
「ああ、じゃこのラーメンはビタミンとかも多いよな」
「そうなるわね。ビタミンも沢山摂らないと」
「健康にならないよな」
「そうなの、バランスよくね」
 食べてこそだというのだ、里香が言いたいのはこのことだった。
「それもたっぷりと食べて」
「じゃああれよね。スープにお野菜たっぷり入れたら」
 ここで琴乃が言う。
「かなり身体にいいのね」
「そうなの、健康にいいから」
「じゃあお味噌汁も?」
「だしの昆布や煮干からカルシウムが出るから」
 これもいいというのだ。
「後はそこにお野菜や茸入れたらいいわ」
「ううん、じゃあ豚汁も?」
「いいわよ」
 栄養があるというのだ。
「あれもね」
「そうなのね、スープやお味噌汁も馬鹿に出来ないわね」
「ええ。とにかく野菜をたっぷりと入れてね」
 そして食べるとだというのだ。 
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