鬼の手をもつ男(GS美神の二次)
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第6話 美少女に取り憑く、恐怖の目玉… 上 (改)
エミを家で預かるようになってから三年の月日が流れた。
我が家の新しい家族になったエミは小学校を無事に卒業し、中学一年生
となり今までやって来た呪術の修行をしつつ、GS目指して青春を満喫している。
ちなみに俺も受験とGS試験に勝利して、GS
ようやく先生のお守りから開放された。
お陰である程度の平和な毎日を過ごしている。
後、ついでだが従兄弟がおもちゃの大会で何度か優勝したらしい。
あのエミのスカートをめくっては叔母さんにボコボコに
されるスケベ小僧にも、長所や特技が存在したようだ。
まあ、近況報告はこのくらいにして本題に入ろうと思う。
三日ほど前から俺の通う高校に幽霊もしくは妖怪が出ているらしい。
らしいと言うのは、はっきりと姿を見たのではなく痛々しい悲鳴のような声だけが聞こえるので
妖怪なのか幽霊なのか?はたまた誰かの悪戯なのかが不明なのだ。
そこで、GSである俺に校長先生が調査を依頼し、妖怪や幽霊ならば除霊をする事になったのだが…。
「霊気の欠片も感じないな……」
部活が終わる夕方頃に出てくると言うので、わざわざ時間まで除霊道具を持って
あてもなく学校を見回っているのだが……。
妖気や霊気がまるで感じられない。
生徒達の聞き間違い、もしくは悪戯だったのだろう。
悪戯という結論に至った俺は、自分の教科書やら文房具などが入った鞄を取りに自分の教室へ
戻る事にした。
くだらない。こっちは大学受験を控えてるのにこんなくだらない事に巻き込まれるなんて……
帰ったら勉強し……?
微かに…。
ほんのごく僅かに…普通だったら見逃してしまいそうなほどの微弱な妖気を感じた。
って、居るのかよ……。
帰ろうと思った矢先に現れるとか、正直やる気をなくす。
気にするほどの妖気ではないのだが、これも仕事。
行かなければならない。
すっかり重くなってしまった足を動かし、妖気の出所に向かう。
しばらく歩くと目的地に辿り着き、妖気を感じる部屋の扉を見る。
2年C組……。
妖気の出所は一年の教室からだった。
ここに妖怪が……。
経文を左手に持って、右手で教室の扉を開けると……。
「誰!?」
うちの高校のセーラー服を着たナイスバディな黒髪ロングの美少女が居た。
何故こんな時間に?居残りだろうか?
右手に包帯をしているようだが怪我でもしたのだろうか?
とりあえず、何か妖怪や幽霊を見ていないか目の前の美少女に聞いてみる事にした。
「えーっと…俺は、三年の横島で。校長先生の頼みで噂の幽霊もしくは
妖怪を除霊しようと探してたんだけど、この教室で微弱な妖気を感じて
様子を見に来たんだ」
「!?」
俺の言葉を聞いた彼女は酷く怯えた表情をして、俺が居る別の教室の
扉から勢い良く、出て行ってしまった。
「幽霊や妖怪が苦手だったのかな……?」
明日から後輩を驚かす、ドS先輩なんて噂が流れたらどうしよう。
一株の不安を胸に教室を霊水晶を使って霊視する。
「これは……」
先程まで美少女がいた場所に微かな妖気が留まっている。
しかし、一瞬にして妖気は消え去った。
あまりにも微弱だった為、すぐに消えてしまったのだろう。
だが、これは厄介だ。
たぶんだが、あの美少女は妖怪もしくは悪霊に憑かれてしまっている。
はやく除霊しないと、怪我をしたり事故に巻き込まれたりするかもしれない。
そう考えた俺は、霊水晶に霊力を集中させて、彼女に憑いているであろう悪霊の妖気を
追って走り出した。
学校を出て、道路を走り……5分ほどすると一軒のコンビニを見つけた。
俺は、息を整えてコンビニに入る。
すると文房具を販売している棚の前に先程であった彼女が居た。
彼女を見つけた俺は片手に持っていた霊水晶を通して彼女を見る。
すると包帯を巻いている彼女の右手の甲に……
目玉が映っていた。
百々目鬼
古来より存在する妖怪であり伝承では「盗癖のある女性の腕に、
盗んだ鳥目(金銭)の精が鳥の目となって無数に現れたのでこれを百々目鬼」
と伝えられているが、
現代では女性・男性に関わらずスリなどの犯罪行為をした時などの良心の
痛みに憑かれてしまうらしい。
後、この百々目鬼に憑かれてから危険なのは、
目玉が出来てからも行為をやめず、痛む良心に苛まれながら犯罪行為を続けると……。
目玉が増え続け、最終的には人間から全身目玉の妖怪『百々目鬼』へと変化してしまう。
それが彼女に出来た目玉の正体であることは間違いない。
昨日は同じ学校の女子が万引きをしているシーンという、とても声の掛けづらい
状況だった為、今日彼女と話してみようと考えていたのだが……。
彼女のクラス、学年、名前を俺は知らない。
どうしたものか……。
とりあえず、昼休みを利用して探してみるか……。
☆☆
昼休みとなり一階にある一年の教室から順に周る俺に突き刺さる痛い視線。
恐らく、左手だけに黒い手袋をしたうえ三年の俺が廊下をうろついては一年の教室を覗く姿は
立派な不審者に見えているだろう。
正直辛い…。
痛い視線に晒されながらも調査を続け、全ての一年の教室を見回った後、
二年の教室を順に周ろうと、二年生の教室がある二階へと向かうため階段を
上り、二年の廊下を見渡すと一つの教室だけ人だかりの様なものが見える。
何かあったのだろうか?
人の集団を発見した俺は何かあったのかと思い、集団に近づく。
近づくと集団は男ばかりで、二年の教室の一点へと視線が注がれている。
ちなみに視線を注いでい男達は……。
「ああ、律子さん。今日も美人だな……」
「美人でナイスバディー。あのわがままボディを思うままに…」
「あの、オパーイで俺を……」
「才色兼備、誰にでも優しい、彼女にしたい女子NO1…はぁはぁ」
などなど、犯罪者一歩手前な危険な言葉を小さく呟いていた。
この学校は大丈夫なのだろうか?
正直この学校の風紀やモラルなどを思わず心配してしまう場面だった。
しかし、この男子生徒達が信奉?するほどの美人がこの学校に居たのは正直、気になる。
俺も男だ、美人でナイスバディーには非常に興味がある。
俺は男達の壁をゆっくりゆっくり、かき分けて進む。
しばらくして、ようやく男達の肉壁を攻略し、件の美人を見ようと窓から覗くと……。
「………」
視線の先には探していた、黒髪ロングの美少女が友人達とお弁当を食べていた。
だが、彼女の弁当箱を持つ左手を見て俺の中で緊張が走る。
何故なら……、彼女の左手には昨日俺が見た右手と同じように包帯が巻かれていたからだ。
今日、祓わないと手遅れになるかもれないな……。
学校が終わり次第、無理にでも彼女と話をしよう。
後書き
改変しました。
後、現在は就職活動および、卒業に必要な課題などなどがあり急がしい状態となっておりまして
更新が絶望的な状態となっており、次の更新も不確定なものとなる事をご了承ください。
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