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ヘタリア大帝国

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TURN93 怪獣軍団その八

「エイリスの統治は大体酷かったけれどね」
「南アフリカでは特にか」
「あたしもよく聞いてたよ」
 マダガスカルにおいてだ。
「貴族の横暴が凄かったんだよ」
「というとマレー以上だったのですか?」
 ラスシャサがそのビルメに問う。
「南アフリカでのエイリスの統治の酷さは」
「あんたのところはまだ国家がいるだろ」
「はい」 
 マレーシアのことである。
「その通りです」
「国家がいると違うんだよ、何かとね」
「祖国さん達の目があるからですか」
「それに東南アジアやオセアニア、インドとかはエイリスもまともな人材を送っていたからね」
 四国総督がいい例だ、エイリスはそうした場所ではガメリカや中帝国の目や介入を警戒してまともな人材を送っていた。
 しかしアフリカ、南部はどうかというと。
「どうしても気が緩んでね」
「だからですか」
「ああ、本国もあまり見ていなかったからね」
 だからだというのだ。
「かなり酷かったんだよ」
「そうだったのですか」
「あの娘も相当酷い目に遭ってたね」
 ビルメにはよくわかることだった。
「相当ね」
「そうですか」
「ではここはどうすればいいのですか?」
 イザベラはあらためてビルメに問うた。
「この場合は」
「そうだね、少しずつほぐしていくしかないね」
 これがビルメの解決案だった。
「あの娘の心をね」
「少しずつですか」
「急には無理だよ」
 その気持ちをほぐすことはというのだ。
「怯えってのは強い気持ちだからね」
「だからですか」
「そういうのは実際に受けてみないとわからないんだよ」
 ビルメの言葉は悲しいものも含んでいた。
「だからあたしもレジスタンスを考えていたんだよ」
「そうだったのですか」
 シャルロットはビルメのその言葉を聞いて驚きの顔を見せた。
「オフランスからの」
「そうさ、まあ王女さんみたいな人だけじゃないからね」
 中には悪質な人間もいる、それでだというのだ。
「搾取とか抑圧から解放されようって思ってね」
「まだこっちは凄い緩やかだったけれどね」
 そのビルメの祖国のセーシェルが言う。
「けれど私達も南アフリカみたいなことされてたら怒ってたからね」
「そうだったのですか」
「そうよ。まあシャルロットさんはそういった人じゃないけれど」
 世間知らずだったが邪悪ではない、シャルロットはそうした人間だ。
「それでもね」
「そうですか」
「うん、そうだよ」
 こうシャルロットに話す、シャルロットにとっては驚くことだった。
 それで暗い顔になりこうも言った。
「人は気付かないうちに」
「まあね。悪い奴ばかりじゃないけれどね」
 ビルメがそのシャルロットに話す。
「善意でも気付かないうちに色々していることもあるよ」
「そうですね」
「王女さんだって最初は押し付けがましかったしね」
 オフランスの文化や芸術をだ。
「そういうとことがあったからね」
「そうですね、今思えば」
「善意の人でもそうなんだよ」
 ましてや邪悪な輩なら余計にだというのだ。 
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