| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ヘタリア大帝国

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

TURN93 怪獣軍団その三

「あの様子は」
「だからですね」
「無理はさせられないな」
 これがイギリスの判断だった。
「だから今はな」
「はい、それでは」
 こうしてパルプナと怪獣達は予備戦力となった、そしてだった。
 イギリス兄妹が迎え撃ちマリーとモンゴメリーが側面に向かう、両軍の戦いが今はじまった。
 両軍は艦載機にビームを放つ、だがだった。
 やはり枢軸軍の攻撃力は高い、エイリス軍の艦艇は次々と炎に包まれていく。
「なっ、速い!」
「しかもこの威力は!」
 エイリス軍の将兵達は驚きながら叫ぶ。
「第六世代か!?」
「その艦艇を標準配備にしているのか枢軸は!」
「くそっ、こっちはやっと開発出来たってのにな」
 イギリスは次々と沈む自軍の艦艇を周りに見ながら歯噛みする。
「もう第六世代を標準かよ」
「これでアステカを瞬く間に降したのですね」
 イギリス妹も難しい顔になっている。
「この質で」
「みたいだな、これはな」
「強いですね」
「ああ、数では優っていてもな」
「しかも将兵の質も高いです」
「何かいないか?あの総統さんがな」
 イギリスは攻撃を仕掛けて来る枢軸軍の中から感じ取った。
「レーティア=アドルフがな」
「彼女はベルリン陥落の際に自害していますが」
 イギリス妹はまさかと否定した。
「幾ら何でもそれは」
「ないか」
「はい、ですから」
「それじゃあただ有能な提督がいるだけか」
「そうかと」
 枢軸側はレーティアの亡命を言っているが連合の誰もこのことを信じていない、ヒムラーですらそうなのだ。
 それで彼等もなのだ。
「有り得ません」
「そうだな、ロンメル提督はいるけどな」
「レーティア=アドルフ総統が生きている筈がありません」
 二人はこのことは否定した、そのうえでだった。
 彼等はその戦いを経ていく、枢軸軍の火力と機動力に圧倒されながらも。
 モンゴメリー達はその中で枢軸軍の側面を衝こうとする、だが。
 ここで怪獣達が動いた、一斉にエイリス軍の方に来た。
「なっ、怪獣が動いた!?」
「まさか!」
「おい、待機命令は出したのな!」
「お兄様ご自身が!」
 イギリス妹は何とか冷静さを保ちながら狼狽している兄に言った。
「確かに」
「そうだな、おいパルプナ!」
「祖国さん、私も戦います」
 パルプナはモニターからイギリスに言って来た。
「このままでは祖国さんが」
「いい!まだ耐えられるからな!」
「それでも」
「くっ、そういえばこの娘は」
「はい、提督ではありますが」
 妹はここでも兄に答える。
「正規の軍人の訓練は受けていません」
「戦争のことはか」
「しかも今回が初陣です」
 つまり何も知らないというのだ。
「これでは」
「まずいぞ、これは」
 見れば怪獣達の動きは完全に統制を外れている、しかも。
 パルプナが直率する怪獣達が突出していた、これではだった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧