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ヘタリア大帝国

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TURN93 怪獣軍団その二

「幾らその能力が高くてもな」
「五十個艦隊規模は無茶だホーーーー」
「大怪獣に匹敵するさかいな」
「このままでは操者はその負担に耐え切れずに死ぬホーーーー」
「ではどうするべきか」
 秋山はハニーとブラジルの話を聞きながら考えた、そしてだった。
 敵の動きを見る、見れば。
 怪獣達は敵軍の右翼にいる、そして。
 中央と左翼は正規軍だ、その彼等を見て言った。
「中央にいるのはモンゴメリー提督とマリー王女ですね」
「左翼がイギリスさんと妹さんですね」
「こちらは合わせて百個艦隊です」
 怪獣と合わせて百五十個艦隊規模だ。
「数では向こうが優勢です」
「しかし将帥と艦艇の質では我が軍が圧倒している」
 レーティアがこのことを言って来た。
「と、なるとだ」
「操者を犠牲にしない為にはどうすれば」
「私に策がある」
 レーティアは秋山に言う。
「操者の特性だが」
「特性?」
「怪獣もまた生物だな」
 まず言うのはこのことだった。
「そうだな」
「はい、確かに」
「生物と共にいるには優しさが必要だ」
「操者は皆優しいホーーーー」
 ハニーもこのことを言う。
「怪獣に対しても思いやりが必要だホーーーー」
「だからだ、あの操者もだ」
「優しい性格ですか」
「しかも正規の訓練を受けた軍人でもない」
 レーティアはこのことも言った。
「だからだ、我々がエイリス軍を攻めればだ」
「エイリス軍を助けに来ますか」
「少なくとも動揺はする」
 応援に来なくともだというのだ。
「その操者がいる艦隊がな」
「怪獣の動きは操者の精神状況は凄く影響するからね」
 総督もこのことを言って来た。
「それでなんだね」
「人の優しさに付け込むのはお世辞にもいいこととは言えないがな」
 レーティアはこのことに後ろめたさも感じた、だが今はだった。
「そうも言っていられない状況だな」
「うん、そうだな」
「私も軍人でない者を敵とはいえ犠牲にはしたくない」
 レーティアにもこの感情があった、優しさに付け込む策を考えても。
「それでもだ」
「わかった、それではだ」
 東郷はレーティアの策を受けた、そしてだった。
 日本軍は大きく右に迂回、エイリス軍の左翼に向かった、その動きは第六世代の艦艇だけあってかなり速い。
 その動きを見てイギリスが言った。
「よし、ここはな」
「まずは我々が敵の動きを受け止め」
「モンゴメリーさんとマリーさんに伝えてくれ」
 イギリス妹に応えながら自軍の将兵達に告げた。
「俺達が敵の動きを食い止めている間に敵の側面を衝いてくれってな」
「パルプナさんは」
 右翼を担う彼女はと、イギリス妹は兄に問うた。
「どうされますか」
「あの娘は予備だ」 
 イギリスはこう妹に返した。
「戦局次第で動いてもらうさ」
「そして出来ればですね」
「何かやばくないか?」
 イギリスは怪訝な顔でモニターの向こうの妹に問うた。
「今のあの娘は」
「はい、そういえば」
「疲れてないか?肩で息をしてな」
「出撃前まではお元気でしたが」
「どうしたんだよ、急に」
 二人共怪獣のことには詳しくない、怪獣には縁の薄い欧州にいるから当然と言えば当然のことであるが。 
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