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(仮称)真剣で転生者に恋しなさい!

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第1話

 
 
 Side:迷彩


 私が転生してから約10年程が経った。今回の人生では両親は存命し、足の障害も無く。不自由は殆ど無かった。
 有るとすれば、両親と祖父母が仕事の関係で海外を飛び回っている。そのため、私は孤児じゃないのに孤児院に預けられると言う訳わかめな状態にある。


「ツル兄~何してるの~?」
『ん、何でもないよ。それより、どうした?カズ』
「一緒に遊ぼ!タッちゃんも一緒に遊ぶの!」
『ゲンも?起きてたのか?』
「うん!」


 今の会話で分かるだろうが、私が預けられている孤児院は川神――今は岡田だが――一子と源忠勝が預けられている施設だ。で、転生して精神年齢が高いからか、この施設の子供達に懐かれる。白髪赤眼のアルビノなのに、怖くないのかね?
 と、言うか。我が家は1800年くらい前から続く日本最古の道場(一子相伝らしいので門下生は私だけ)なのに、実家を空にして良いのかね?

 まあ、実家が京都に有るのに神奈川の川神に居る時点でそんな事を言っても詮無い事だが。




 そして、一子達と遊んだ後、私は院の外に出て適当にぶらついている。

 川辺を適当にブラブラ歩いていると、私と同じように白髪の子が座り込んでいるのを見かけたので、話し掛ける事にした。


『ねえ』
「…なに?」
『どうかしたのか?』
「仲良しのグループにいれてもらえなかった」
『そっか。じゃあ、一緒に遊ぶ?』
「いいの?」
『ああ。私も暇だしな』
「やったー!あ、ボク小雪って言うんだー」
『私は迷彩だ』
「めいさい?じゃあメイって呼ぶね!」
『なら小雪の事はユキと呼ばせて貰うよ』


 その後、私とユキ夕方近くまで遊んだ。











―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――









――――――翌日


 私はいつものように一子と忠勝と一緒に学校に行き、席に着く。


 そして普通に授業を受け、今は休み時間で仮眠しようと思ったんだが……


「近づくなよー!椎名菌にかんせんしちまうだろ!」


 五月蝿くて眠れない。


「いんばいのむすめー!」


 声も鬱陶しいと感じる上に、イジメてる理由も腹が立つ。一寸懲らしめるか。ボイスレコーダー(6つ目)で今の音声も録音したし。


 私も一時期髪と目の色で苛められてたしな。

 え? どうしたかって?




 仕返ししたよ。少し小突く位の。そしたら親が出てきて親呼んで親と土下座して謝れとか言って来たけど、その事をビデオカメラとボイスレコーダーで録画録音してたからそれを提出したら相手の親は顔を真っ赤にしてた。
 不要物って事でカメラとボイスレコーダーは没収された。校長初めとする教師陣は苦笑いしてた。あと、次の日から虐めはなくなり、親が出てきた奴等は転校した。


『おい』
「なんだよ敦賀!」
『煩くて眠れん。それに、何時かのバカ達みたいに成りたくなかったら黙れ?』


 私はそう言ってボイスレコーダーを見せる。すると、虐めていた奴等は顔を青くして黙った。


『まあ、虐めてたから天誅って事で』


そう言って私は虐めていた奴等にデコピンをかます。すると『プギャ!?』と言う声を上げて気絶した。


『あれ? 気絶してる』
「助けて…くれたの?」
『一応ね。私自身も同じような扱いされてたし』
「………ありがとう」






―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――






 ――翌日


「おい敦賀!」
『ん? 誰だ?』
「俺様は島津岳人! って、ンな事は如何でも良い! よくも俺様のダチをいじめてくれたな!」
『いや、元々そいつらが椎名をいじめてるからだし。やって良い事と悪い事の区別位、幼稚園の年長でも分かるぞ?』
「なんだとぉ! てめぇぶっつぶしてやる」
『物理的に潰せない奴が大法螺を吹かない事だ雑魚』
「俺様は雑魚じゃねえ!」
『ああすまん、間違えた。無駄マッチョ』
「俺様の鉄拳くらいやがれ!」


 大振りパンチをしてきたので軽く屈んで―――

「ぐはぁ!」

 ―――反射的にカウンターで蹴りを出してしまった。


「………」
『………』
「………」


 気絶してる…のか?


『………やっぱり口だけだよ。こう言うの何て言うんだっけ。口先三寸だっけ?』



 その数日後、学校中に『虐めをしたら敦賀迷彩が仕返しに来る』と言う噂が流れ(主に虐めをしている奴等に)、最近虐められなくなったと京(互いに自己紹介して名前で呼ぶようになった)が言っていた。










――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――










 ――数日後


「お前が敦賀か?」
『うん? まあ、そうだが?』
「おい、キャップ。マジで謝んのかよ」


 キャップ? …………………ああ、カズやゲンが言ってた、風間ファミリーのリーダーの風間翔一か。


「仲間の不始末はリーダーである俺が取る」


 なんだか物騒だな。喧嘩にでもなるのか? っと、思っていると。


「悪かった!」


 風間はその場で土下座した。


『………………ハイ?』


 ……………え? 状況が理解出来ないのだが。


「ガクトが迷惑かけた」


 ……え? これってあれか? 身内が迷惑かけたからリーダーが謝るってやつか?


『……………なぜ、何もしていないお前が謝る?』
「俺がリーダーだからだ」
『リーダーだから謝る? ふざけるな! 幾らグループのリーダーが謝ったとしても虐めていた当人が悪びれもせずにへらへらしていて理不尽な理由で苛められた奴が許すとでも思ってるのか!?』


 と、大声を出した事で教室に居た生徒達が私達の方を注目し、少し殺気が出てしまったのか、島津たちは顔を青くして土下座して謝て来た。流石に何とか袋の緒がキレたので―――

『その土下座を私じゃ無く京に謝罪の言葉と共にするべきじゃないのか!』

 ―――と、怒りに任せて怒鳴り散らしていた。その後、学校でも有名な風間ファミリーのメンバー3人が謝っている姿が噂と成り、京への虐めは完全に無くなったそうだ。


 ちなみにその後の京は―――

「ねえ、迷彩」
『ん?』
「好き(はぁと)」


『………………はい?』

 ―――何がどうしてこうなった?


 Side:Out

 
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