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ソードアート・オンライン stylish・story

作者:黒神
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第四十二話 救出と説得

 
前書き
遅くなって申し訳ないです!!ではどうぞ!! 

 
シュウとリーファはユイに連れられて、世界樹の麓にある中に通ずる大きな門の前に辿り着いた。ユイの話ではここがグランドクエストの門だと言う事だ。
そしてどうしてキリトが一人でこのクエストに挑んだのかと言うとキリトとユイでアルンの町並みなどを堪能しているとユイがアスナの存在を感知するとキリトは居ても立っても居られなくなり空に向かって飛び立ったが制限があるため途中で落ちてしまうがその途中に空からIDカードが落ちてきたらしく、それがアスナが落としたものと察し、後先考えずに独りでクエストに挑んだみたいだった。

「無茶だよ!いくらキリト君が強いと言っても一人では攻略できるようなクエストじゃないよ」

「それに関しては俺も同感だな。まったく・・・こいつは後で説教だな」

二人ともキリトも無謀さには溜め息を付いていた。そしてゆっくりと門が開かれた。

「良いか?確認するぞ、リーファ。目的はキリトの救出だ。俺が前線に出て敵の気を引いている内にリーファはキリトを救出。そして安全地帯に移動したのを確認すると同時に俺も外に出る。出来るだけ戦いは避けるぞ」

「うん。でも無茶だけはしないでね?シュウ君」

「Of course(勿論だ)。こんな所で死んで堪るかよ」

そう言うとシュウは背中の羽を展開して、大きく広げた。やる気を思わせんばかりの大きな展開だった。
そして門が開くとシュウとリーファは中に入った。中で見た物は鎧を纏った無数のガーディアンが飛び交っており、その中心には黒い炎がポツンと点っていた。

「やられたのか!?キリトの奴。まあ・・・これだけの数だ。一人じゃやれるのも無理はねぇか。んじゃ・・・行くぞ?リーファ」

「うん!」

シュウは最初から全力で望むため左手に閻魔刀と持ち、ガーディアンの群れに突っ込んだ。

「Die(死ね)・・・」

シュウはスピードを生かし、抜刀術で一体のガーディアンを切り裂くとそれに伴って、周りのガーディアンが目を光らせ、シュウに襲い掛かって来た。

「良し。敵の気はこっちに回った。リーファ、相手に気付かれずにゆっくりで良いからキリトの炎に近づけ!俺の回復はしなくて良い!!」

「えっ!?でもシュウのHPが持つか分かんないよ!?」

「過剰なヒーリングは相手の気を引く事がある。今回の目的を忘れるな!」

シュウはガーディアン達の攻撃を回避しながら、リーファに説明していく。モンスターと言ってもバカではない種類もいる。中には前衛を無視して後衛の火力を先に潰しに来ると言う例外のモンスターも居ない訳ではない。
リーファはシュウの説明に心当たりがあるのか頷き、攻撃はせずにガーディアンの眼を盗みながらキリトの意識の炎にゆっくり近づいた。

「良し・・・もう少し。待っててね、キリト君」

リーファがキリトの炎を掴んだ瞬間、一体のガーディアンがリーファの存在に気付いたのか突っ込んできた。リーファも応戦しようとしたが両手でキリトの炎を掴んでいるため、腰に差している刀を引き抜く事は出来なかった。
リーファは自分の背中を盾にして、キリトの炎を守ろうとした。

「せめてキリト君だけでも!!」

ガーディアンの大剣とリーファがぶつかろうとした瞬間・・・

「I let you do it・・・Be scattered(させるか・・・散れ)!!」

シュウが閻魔刀の次元斬を飛ばし、そのガーディアンを真っ二つにした。

「行け!リーファ!!」

「ありがとう、シュウ君。助かったよ」

リーファが出口に向かってシルフの特性であるスピードを生かして向かおうとしたが・・・

ドスッ!!

「あうっ!!」

「っ!?リーファ!!」

リーファの軽い悲鳴が上がると背中に光の矢が刺さっていた。
ガーディアンは前衛だけでなく、後衛も居たらしい。ガーディアン出現ポイントから剣と盾でななく、弓を構えているガーディアンが居た。

「こいつら・・・前衛と後衛が居たのか!!失態だ!!」

シュウはリーファに狙いを定めている弓のガーディアンに次元斬を飛ばし、牽制しようとしたが剣と盾のガーディアンがそれを許さない。

「クソッ。これじゃリーファのバックアップに回れねぇ!退け!」

シュウは自分を軸に360度身体を回転させ、閻魔刀で回転切りを放ち、周りのガーディアンを一掃するとミラージュ・ソードの呪文を高速で唱えた。

「シム・ニジャーリムス・テネブリス・フェチート・オルティオーネム・アド・オルチシェンダム・ノービス」

シュウが呪文を終えると今回は最大限にMPを使ったためシュウの周りには20本近い幻影剣が展開されていた。そしてその幻影剣はオートに飛んで行き、弓のガーディアンを刺して言った。幻影剣に攻撃力は望めないが後衛を牽制するには十分だった。
リーファが矢が飛んでこない事を確認すると急いで出口から外に出た。それを確認したシュウも幻影剣でガーディアンの間合いを牽制しながら外に出た。

「リーファ!怪我は大丈夫か!?」

シュウは門が完全に閉まったことを確認するとリーファが受けた光の矢の傷が気になるのか尋ねるが問題無かったみたいだった。

「大丈夫だよ、シュウ君。心配してくれてありがとね」

「なら良かった。悪ぃが、キリトを蘇生してやってくれねぇか?俺じゃやり方が分かんねぇ」

「うん。任せて」

リーファは持っていたキリトの炎に呪文を唱えるとキリトが人の姿に戻った事を確認するとシュウが尋ねる。

「さてと・・・まずは俺達に言わなきゃいけねぇ事があるんじゃねぇのか?キリト」

その言葉にはいつもチャラチャラした雰囲気を一切見せておらずに今にも怒声を上げそうな小さく、そして大きい言葉だった。

「俺は・・・彼女を助けないといけないだ!だから俺は!!」

「だからってあんな無茶な事をやるなんて、キリト君らしくないよ!!何で私達に言ってくれなかったの!?」

「これは俺の問題なんだ。俺がやらなくちゃ意味が・・・」

キリトが言い切る前に・・・

ゴスッ!!

シュウの鉄拳がキリトの左頬を捉え、尻餅を付いた。キリトはシュウを見据えたがシュウの瞳には怒りが込められていた。

「シュウ君!?」

「大丈夫だ。加減はしておいた。おい・・・テメェはリーファの気持ちを踏みにじるつもりか?」

「そうじゃない!俺は無関係な人を巻き込みたくないだけだ!」

「無関係か。ならお前の目の前にいる彼女がお前の妹だったらどうする?キリト。いや・・・桐ヶ谷和人!!」

「何でリアルの名前を出してるんだ!こんな所でリアルの名前を出しても意味が分からないぞ!!」

「やっぱり・・・『お兄ちゃん』なんだね、キリト君」

シュウの意味不明の言葉にキリトは立ち上がり、シュウに詰め寄ろうとするとリーファが『お兄ちゃん』と言う事を発するとピタリと止まり、リーファを見据えた。

「スグ?直葉・・・なのか?」

「そうだよ。私は直葉。桐ヶ谷直葉だよ」

「俺がお前に聞かれて欲しくないと言って出て行かせただろう?それは彼女が直葉ちゃんだと言う事を確認したかったからだ。さっきの通り、その予感は的中していた」

シュウはリーファの顔が少しずつ壊れて行く事を気に掛けながら、続ける。

「そしてユイがお前が単独でクエストに挑んだ事を伝えに来た時に俺はリーファはお前を助けに行かねぇと思った。ゲームとリアル・・・この二つの世界で失恋しておいて立ち上がれる筈がねぇと思ったからな。だがリーファはお前を助けに来てくれた。これがどう言う事か分かるか?」

「キリト君・・・いやお兄ちゃん。私はお兄ちゃんの事が好きだよ?でも私はお兄ちゃんと明日奈さんの関係を壊したくない。私はお兄ちゃんに幸せになって貰いたい!だから私にも手伝わせて!!」

「スグ。俺はお前の気持ちも分からずに自分勝手にやってきた最低な兄なんだぞ?それなのに手伝ってくれるのか?」

「それが家族じゃないかな?お兄ちゃん」

リーファは涙目になりながら自分の考えを口にして行く。
シュウはここまでキリトの、兄の事を思えるリーファに感心の念を抱いていた。そして彼女の事を好きになれて本当に良かったと実感していた。
しかしリーファもシュウに救われていた。シュウの割り切れと言う言葉と告白もあったために今のリーファがあった。

「お前、こんなに想われてるんだぜ?俺はそんなに手は上げねぇが俺がお前を殴った理由が分かったか?キリト」

「・・・そうだな。俺はシュウに殴られても可笑しく無かったな」

シュウは家族の事に関すると人一倍真剣に考える性格なためあんな事になってしまったがキリトもそれを理解したみたいだった。そしてキリトはシュウとリーファに真剣な表情で頼み込む。

「シュウ。スグ。俺は明日奈を助けたい!だから俺に力を貸してくれ!!」

「勿論だよ!!」「その言葉を待ってたぜ?キリト」

先程のわだかまりも無くなったように三人の絆はさらに深くなって行ったみたいだった。 
 

 
後書き
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