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ソードアート・オンライン 白銀の死神

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番外編
  黒の剣士:4

食事を終え、残っていたキリトの≪ルビー・イコール≫をちびちびと飲んでると、シリカがボソッとつぶやいた
「何で…あんな意地悪…言うのかな…」
それを聞いたキリトは急に真顔になると、カップを置き口を開いた

「君は…MMOは…SAOが…?」

「ハイ、初めてです」

「そっか…――どんなオンラインゲームでも、キャラになると人が変わる奴がいる。善人になったり、悪人になったり…。従来はそれをロールプレイって言うんだろうけど、俺はSAOではそうだとは思わない。こんな異常事態だってのに。そりゃ、全プレイヤーが協力して、というわけにもいかないのは解る。でも、他人の不幸を喜ぶ奴、アイテムを奪う奴、――人殺しまでする奴が多すぎる」
キリトはシリカの目を真っ直ぐ見ていた。どんな顔をしているかはわからない、だが、キリトからは怒り、そしてその中から深い悲しみが感じられた

「俺は、ここで悪事を働くプレイヤーは、現実でも腹の底から腐った奴だと思ってる」
吐き捨てるようにキリトは言う

「キリト」
俺の咎めるような声に、シリカが気圧されたような表情に気付いたのだろう、すまない、と軽く笑った

「…俺だって、とても人の事を言えた義理じゃないんだ。人助けなんてろくにしたこともないし、仲間を…見殺しにしかけたことだって…」

「キリトさん」
シリカはそこから悟ったようで、テーブルの上で握られていたキリトの右手を両手で包んだ

「キリトさんは、いい人です。あたしを、助けてくれたから」
キリトは一瞬驚いたようで、手を引っ込めようとしたが、すぐ力を抜いた

「…俺が慰められちゃったな、ありがとう、シリカ」
それを聞いたシリカはボンッ、と音を立てそうな勢いで顔を真っ赤にしてばっ、と手を放した

「ど、どうかしたのか…?」

「な、なんでもありません!」
…全くキリトは、助けてやるか

「キリトだけかよ、いい人は」

「あっ…いえっ、そんなことはないですよ!?ナオさんも優しい方です!」

「本当か!?」

「もちろんです!!」


ずいぶんと話し込んでしまい、気が付くと夜八時だった、明日に備えて早めに休むことにした。俺とキリトの部屋がシリカの両隣だったのには驚いた。三人で笑いながら、お休みを言い、部屋に入っていった

部屋に入り、着替えた後、いろいろと準備をしていると、ふと用事を思い出して、キリトの部屋に行くことになった
部屋を出ると、キリトの部屋の前に、針山のように尖った髪型をしたプレイヤーが聞き耳を立てていた。ほーう。そっと近づきながら、短剣を装備する

「アンタ、何してんの?」

「うわあぁぁ!!」
短剣を突きつけると、ガタガタッ!!と音を立てながら階段を駆け下りていった

「おい!今のは!?」
中からキリトが飛び出して来る

「ああ、外から≪聞き耳≫使ってる奴がいた」

「そうか…」

「ああ、恐く――って、シリカ?」
キリトの後ろにはシリカがいた


「へー、四十七層のことを、ねえ」

「ああ、それで少し話をしていたんだ」
ウィンドウのホロキーボードを打ちつつ話をする

「っと、送信。これでいいか」

「ああ、シリカ、もう遅――って、寝てるし」

「あっ…」
シリカはキリトの部屋のベッドで寝てしまっていた」

「……」「……」

「なあ…ナオ」

「断る」

「…はあ、床で寝るわ」

「そうしな。んじゃな」 
 

 
後書き
途中のキリトのセリフにフラグがあります

注意して見て!!

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