BALDR SKY
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12WALRUS(War of the Advanced Loval Race for Unborn Skeleton)襲撃
SASに滞在して、決行日が近くなった。メイにはどんなタイプがいいと聞いたらあんまり戦いたくないと言われたので、好きに選ばせた。すると、この娘、試作2号機サイサリスを選びやがった。
「1擊で終わるんでしょ?」
「まあ、確かに」
という事で、装備が決定した。一応、武装ビームバズーカと核弾頭だ。ビームサーベルも持っているがな。という訳で、メイの機体はサイサリスに決定した。そして、俺は追加でユニコーン系列三号機、フェネクスを作った。ただ、色は赤にしたけどな。そんなこんなで修行したのだ。リーナに関してはサポートとして勉強してもらっている。メイは所詮子供レベルよりは上で、プロ並みだが腕利き(ホットドガー)じゃないので。後方攻撃だ。ある意味、核は正解だ。
さて、こんな会話をしているうちもVTOLで空の旅は終わりに近い。
「マスター、フェンリルが襲われてカティア・グットマンとフランツィスカ・グットマンの電子体が誘拐された」
「トレースは?」
「問題無しです。しっかり終えています」
「OK、各自作戦実行だ。エセルドレーダ、リアルの襲撃は任せた」
エセルドレーダとレインの報告に問題が無い事を確認した。
「イエス、マイマスター」
高度1000メートルより、エセルドレーダが扉を開けて飛び降りた。その後、扉を閉めて機体を離れさせる。エセルドレーダは空中でナノマシンを散布。黒い霧を作り出し、自身は翼を作成して地上に降りる。そして、誘導灯を打ち込んだ。これで強制的に接続開戦を得られた。
「よーし、パーティーの始まりだ!」
「はい!」
「気を付けてくださいね」
「いってきます」
「引率は任せろ」
俺たちはリーナと雇われパイロットを残してダイブする。
【ダイブ】
移行と移動を行い、俺たちはシュミクラムの姿で降り立つ。降り立ったのはシナンジュ(母さん)、フェネクス(俺)、クシャトリヤ(レイン)、サイサリス(メイ)だ。一人だけ系列が違う。ジオン括りなら俺が違うのだけれどな。
「WALRUSのシュミクラムが出てきたか」
赤色の機体にウイルス達。
「ここは私が担当する。フェンリルも来るだろうからな」
「「「了解」」」
「AP、こちらヘイゼル。コードネーム紅の暴君で行動する」
APはリーナのコードネーム、アップルだ。
『了解。えっと、ご主人様達は?』
「こっちはワルプルギスでいいよ。3人ひと組で行動する」
『了解。ワルプルギスはそこから北に向かってください』
リーナの指示で行動を開始する。正確にはリーナの指示をちゃんと確かめながらだけど。
「お兄様、敵シュミクラムは私が撃破します」
「頼む」
「はい。ファンネル、行ってください」
無数のファンネルが解き放たれる。
「お兄様、構造体は一部破壊しても大丈夫ですか?」
「ああ、ダメな場所はわかるよな?」
「はい。でしたら、こうします。メガ粒子砲、撃て」
左右に2基の計4機の胸部メガ粒子砲を放ち、壁を破壊して一気に通路を作った。わらわらとよっとくるWALRUSに対しては簡単だ。
「邪魔です」
24機ものファンネルが敵の頭部をピンポイントで破壊していく。
「凄いですね」
「メイ、行くぞ。レインは最後尾でジャミングを展開しながら付いてこい」
「「了解」」
目的に最短距離で進んでいると、流石に妨害者が出てくる。
「やぁやぁやぁ、君達。いったいこんな所になんの御用かな? フェンリルが来るかと思ったんだけどね」
黄色いシュミクラムにこの声はWALRUSのスポークスマン・フリントか。
「ち、邪魔だな……」
「そんなこと言わずに遊ぼうよ! さぁ、さぁ、楽しくね!」
「こっちの目的はカティア・グットマンとフランツィスカ・グットマンの救出だ」
「なるほど、騎士気取りかい」
「そうだ。メイ、殺れ」
「うん。いいのかな……ごめんね。えっと、私は帰ってきた? あ、これでロックが解除されたね」
「おい、何をする気だ……」
メイが施されたロックを解除して、バズーカを構えた。
「えい!」
可愛らしい声がした後、アトミックバズーカが発射された。
「ふん。そんな遅いものでボクを捕らえられるはずないじゃないか」
フリントは避けた。だが、俺たちはサイサリスの盾に搭載した防御装置を展開して隠れる。
「おい、まさか……馬鹿か貴様らぁああああああああああああああぁぁぁぁぁぁっっ!!」
着弾と同時にエネルギーが膨れ上がり特大の爆発を起こす。キノコ雲がネットで確認された初めての日だ。フリント?
消し飛んだよ。施設の大半が崩壊しているが、こちらと地下は問題無いだろう。
「AP、母さんは無事?」
『はい。こちらで確認を取れています。事前に渡された防御装置を発動したようです。アトミックバズーカのデータも取れました。予定通り、殆どのダメージは上に行っています』
「ありがとう。これより突入する」
「「『了解』」」
出来た大穴に飛び込んで、降下していく。後残るのはヴォーダンだけだ。
「次は核が使え無いな……」
『ご主人様、エセルドレーダさんから報告です。地上の制圧を完了したとの事です。カティア・グットマン、フランツィスカ・グットマン両名のリアル・ボディの奪取に成功しました』
「了解。エセルドレーダはなんて?」
『こちらに来るそうです』
ヴォーダン相手にするには丁度良いか。
「わかった。待ってる」
最下層に降り立つと、そこには通常サイズのシュミクラムの数倍はある大きさの機体があった。それは横に長い形態だが、驚異のロックオンシステムと取り巻きのワルキューレによるAIの上書きによる強制停止を行う無敵に近い存在だ。だが、それは未来の話。現在では精々が膨大な火器と驚異のロックオンシステムだけだ。
「貴様ら、何者だ? お前には名乗る予定は無い。ただ、ここで死ね。大戦の亡霊さん」
「言ってくれる」
ヴォーダンが準備に入ったので、こちらもデストロイモードで対応する。
「レインは全武装を展開。メイはビームバズーカを準備!」
「「了解」」
そして放たれる無数のミサイル。相手のロックオンシステムはジャマーを無効化する。なら、やる事は一つだ。
「舐めるなっ!!」
ビーム・マグナムでねじ伏せる。ビーム・マグナムは極太のビームがしばらく続く。そのあいだにビーム・マグナムを動かしてミサイルを全て破壊する。
「レイン、ファンネルでミサイル発射口を破壊! メイはレーザー発射口! レインもメガ粒子砲で手伝って!」
「「了解!!」」
ファンネルがそちらに向かうとレーザーで迎撃しようと発射口を開く。
「今だね!」
そこにビームバズーカが打ち込まれて左の発射口が完全に破壊される。その間にファンネル達が背後に回って、ミサイル発射口を破壊する。だが、逆サイドのレーザーが放たれようとする。
「まだです!」
胸部メガ粒子砲×4とバインダー部メガ粒子砲×2×4で右側を完全に破壊する。
「ぐっ」
残った左側と背中をパージして新たなミサイル群を展開し、同時に腕にある特大のビーム砲を放とうとする。
「くっ、手がでません」
メガ粒子砲の反動でレインは動けない。メイビームバズーカじゃビーム砲は防げない。ビーム・マグナムならいけるんだがな。そして、そっちを防ぐとメイが対応しないといけない。
「メイ、ビームバズーカでミサイルを撃ち落とせ」
「こちらもファンネルでできる限り落とします」
「わかりました、頑張ります」
そして、放たれる砲撃にビーム・マグナムを撃って相殺させる。即座に放たれる大量のミサイルをメイとレインが必死に撃ち落とすが、手が足りない。
「これで、終わり……なわけないんだよな」
「負け惜しみだな」
なんとかミサイルを回避する。レイン達も被弾している。特にメイの被弾率が高い。
「いや、援軍がきたし」
上から降り注ぐは無数の黄金光。破壊の雨となりて発射口と発射されたミサイルを破壊し、ヴォータン本体にも多大なるダメージを与える。
「ご無事ですか、マスター」
「ああ」
リベル・レギスが味方だと、心強いよな。
「まだだ、まだ終わらんよ!」
俺とヴォーダンの打ち合いは続く。互いのビームが行ったり来たりしていたのだが、俺の方に近づいてくる。
「終わりだよ、死んでええええぇぇぇっ!!」
メイがボロボロのサイサリスでヴォーダンの頭部横へと着地し、ビームバズーカをあてて、引き金を引いた。放たれたビームだけじゃ、殺すには足りない。
「多連装ロケットシステム起動! 全弾発射!! そして、止めのプラズマリーダー!」
メイの全弾発射によって、ヴォーダンは破壊された。あれ、俺ってあんまり活躍してないな。まあ、いいか。さっさと奥へと進むのだが、その前にヴォーダンをサルベージしていく。
「メイ、お前の機体は限界だから、移行しろ。エセルドレーダはメイの護衛」
「「了解!!」」
突入すると同時に、しばらくすると電子体サイズしかいけなくなったので移行する。罠を警戒しながら青い髪の毛の長い女の子の培養槽が立ち並ぶ道を進むと、悲鳴が聞こえてきた。
「いやっ、お母さんっ!!」
猶予が無いので、そのまま突入して中に居た男を撃ち殺す。青い髪の毛の女の子が泣いているが、無視して機材に向かって停止プロセスを起動するが、間に合わない。だが、それならそれで瞬時に樹形図の設計者で別の手段を講じる。
「データの移動。電子体のコピー、記憶領域確保」
「いやぁあああああああああああぁぁぁぁぁぁっっ!!!」
泣き崩れる女の子を無視していると、少女をメイとレインが抱きしめる。それと同時にエセルドレーダが警戒している。
「よし、成功。おい、フランツィスカだな。安心しろ、お前の母親は無事だ」
「え? ほ、本当……?」
「ああ。ぶっちゃけ、あの電子体は無理だった。だから、ここに大量にあるクローンの出来損ないを使わせて貰った」
やった事は簡単だ。カティアの元となったクローンの肉体をカティアの電子体クローンの素材として融合。サルベージされたデータを復元と劣化させずに移植。完成させておいたのと、俺自身の膨大な容量がなくては不可能だった行為を行って、とある場所からバックアップデータまで引っ張り出した。
「多少、記憶の喪失はあるかも知れないが……まあ、問題無いレベルだ」
サルベージされる為に寝かされていたベットにカティアが逆再生される。
「お母さん……?」
「フラン……私は……」
「良かった……」
フランがカティアに抱きついた。こうして見てると親子じゃなくて姉妹だ。カティアはノイ先生と同じ、成長しないからな。
「さて、メイ。お前からだ。ベットに寝てくれ」
ボロボロのメイに指示を出す。
「うん」
メイの電脳症部分を隔離、同一体により分割してネット内に溶かさせる。これで親和性が上がりっぱなしで大丈夫だ。
「レイン、俺の奴を頼む」
「はい、任せてください」
レインには事前に仕込んでおいたので大丈夫だ。俺も安心してベットに寝る。そして、直ぐに処理が終わった。これであの無敵ステルスモードがなくなると思うと不便だが、発狂したくないから仕方無い。
「ちょっとすいません」
「あ、はい」
「あ、あの、た、助けてくれて……あり、がとう……」
照れながら、顔を真っ赤にしてお礼を言ってくるフランは可愛い。しかも、涙目上目遣いだぞ。うん、素晴らしい。
【ロリコン認定証を手に入れた】
おい!
あるのかよ!
いや、どうせノイ先生の仕込みだろうけどよ!
「気にしなくていいよ。WALRUSを探っている時に2人の事を知ったから、助けに来ただけだし。それに用事もあったからね」
「?」
「それは……?」
「フランツィスカも……」
「……フランでいい……」
「フランも電脳症だよね。俺もそうなんだ。さっき治療して治したけれど。それで、フランも治療しないか?」
「……どうしよう?」
「しましょう。お願いします」
「分かりました」
フランを治療する。流石にあのベッドに寝るのは怖いみたいで、カティアに手を繋いでもらっていた。フランは本来甘えん坊だしな。リーナにべったりだったし。
「AP、こちらは完了した。離脱準備を進めてくれ」
『了解。フェンリルのスコール分隊が紅の暴君と戦闘になっています』
「戦況は?」
『えっと、圧倒的ですね。なんだか、可哀想な事になっています』
「わかった。直ぐに移動する。ポイントをくれ」
『了解』
さて、全員に向き直る。
「離脱してくれ。その後、VTOLで強制着陸を行ってフランとカティア、エセルドレーダの脱出を行う。カティアさんはちょっと来てくれますか?」
「分かりました」
さて、変態狼を説得しに行くとしますかね。ああ、ついでに残りのクローンや設備は回収していこう。
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