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中二病が主人公になったら?

作者:アガセ
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第1話

"やあ、みんな!オレ、赤ちゃん!ww
唐突だけど、いまオレが置かれている状況を説明するよ!

オレは中二病探偵、『鳴門勇太』。
とある実験をして爆死し、死んだ先で『大○田常務』に会った。
『大○田常務』の話を聞き、ソイツが吹くオカリナに夢中になり、
突然体が落下を始め、目が覚めたら・・・

体が縮んでしまっていた!(デデーン♪ww)

とまあノリで『名探偵コ○ン』みたいに言ってしまったが、
一先ずそれは置いておこう。

とりあえず、無事『うずまきナルト』になれたみたいだ。
何故わかるかって?
だって、前世と比べてオレの手が超小さくなってるし、
目の前に『波風ミナト』と『うずまきクシナ』、
そして九尾こと『九喇嘛』さんがいるんだもん。
でも、ここから始まるとは思わなかったよね。ww
普通、原作第1話から始まると思うじゃん?
あ、でも原作第1話からだと
火影岩の前で宙吊り状態から始まっていたのか。
それはいやだなー。"

そうこう考えているうちに眼前まで九尾の爪が迫ってきていた。

「アダダダダブウゥゥゥ!(エッ!?ちょっとタンマ!ヤバイって!)」

しかし、それは届かなかった。
皆さんご存知の通り、ナルトの両親が庇ったのである。
その二人からもの凄い勢いで血が噴出し、
彼らの足元には大きな血溜りが出来ていた。
それを見てナルトは、

「ダダブダァァァ!(マミッたぁぁぁ!)」

・・・と不謹慎なことを叫んでいた。

そして、少ししてクシナがナルトに語り始めた。
ナルトも、流石にこれは真面目に聞く。
おそらく、これが両親から送られる"人生で最初で最後の言葉"であるから。

「ナルト・・・好き嫌いしないで・・・いっぱい食べて・・・大きくなりなさい!
お風呂には・・・毎日ちゃんと入って・・・温まる事・・・
それと・・・・・・夜更かししないで・・・・・・いっぱい・・・寝る事・・・!!
それから・・・・・・お友達をつくりなさい・・・
たくさんじゃなくていいい・・・から・・・!
本当に信頼できるお友達を・・・・・・・・・数人でいいの・・・!
それと・・・・・・お母さんは苦手だったけど・・・
勉強や忍術をしっかりやりなさい・・・!
ただし・・・・・・得意・・・不得意が誰しもあるものだから・・・
あまりうまく・・・いかなくても・・・落ち込まないでいいからね・・・
・・・アカデミーでは先生や先輩の事を・・・敬いなさい・・・!
あ・・・・・・それと・・・大切な事・・・忍びの三禁について・・・
・・・特に・・・"お金"の貸し借りには気をつける事・・・
任務金は・・・ちゃんと・・・貯金する事・・・・・・
それと・・・"お酒"は20歳になってから・・・
飲み過ぎては体にさわる・・・から・・・ホドホドにする事・・・!
・・・それと・・・三禁で問題なのが・・・・・・"女"・・・
母さんは・・・女だから・・・よくは分からないけど・・・
とにかく・・・この世は男と女しかいないから・・・
女の人に興味を持つ事になっちゃうけど・・・
・・・変な女に・・・ひっかからないよーにね・・・・・・!
母さんのような女を・・・見つけなさい・・・!!
・・・それと・・・三禁といえばもう一つ・・・・・・
自雷也先生には・・・気をつけなさいってばね・・・!
・・・・・・・・・。
ナルト・・・これからつらい事・・・苦しい事も・・・・・・たくさんある・・・
自分を・・・ちゃんと持って・・・!
・・・・・・そして夢を持って・・・
そして・・・・・・夢を叶えようとする・・・自信を・・・持って・・・!!
・・・・・・もっと!もっと・・・もっと・・・!もっと!
もっと・・・本当に色々な事を一緒に・・・・・・教えてあげたい・・・
・・・もっと一緒にいたい・・・愛してるよ・・・」

それを聞いてナルトはクシナの目を見ながら、
座っていない首を全身を使って動かして何とか頷いてみせる。

「フフフ・・・まるでちゃんと私の話を理解して聞いてるように見えるね・・・
賢く生まれてくれて・・・母さん・・・凄く嬉しいわ・・・」

そう言ってクシナは痛みで苦しいにもかかわらず、
精一杯ナルトに微笑みかける。

ちなみに、ナルトの心の中では、

"・・・やべぇ。泣きそう。
原作で一度読んではいたものの、やはり目の前で言われるとね。
前世じゃあオレを操り人形みたいに扱おうとしていた親だったからな。
うん、もの凄く心にジーンときた・・・。
ああ、ハッピーセットの『喋ったぁー!』の感覚で『マミった』とか言ったことを凄く後悔してる。"

と思っていた。

「・・・ミナトごめん・・・私ばっかり・・・・・・」

「ううん・・・・・・・・・いいんだ・・・
ナルト・・・父さんの言葉は・・・
・・・口うるさい母さんと同じかな・・・」

「ダブダブブダダダブ!
(うん!オレ、父さんや母さんの言った事、決して忘れないよ!)」

「ハハハ・・・クシナの言う通りだね・・・
じゃあ・・・そろそろお別れだ・・・八卦封印・・・!」

ミナトがそう言うと、目の前にいた九尾は消え
二人は事切れたように倒れた。

"さて、死んだ両親の分も精一杯生きようとは思ったもののまずは何をすればよいのやら。
赤ちゃんとしての性なのか眠くなってきたな・・・。
とりあえず、オレの身は多分誰か彼か回収してくれるはずだから、
うん、ここは思い切って寝てしまおう!ww"

と思うや否やすぐに寝てしまった。


~火影邸~

しばらくして眼が覚めると、そこは知らない天井だった。
少なくとも、自分はいまベッドで寝ている状態であることは何となく分かった。
あたりを見回してみると、高級そうなソファーや沢山の本棚、
そして『影』という漢字の『偏(へん)』と『旁(つくり)』の間にちょっと変わった
渦巻が描かれている机があった。

"う~ん、どこかで見たようことがあるような・・・"

「お、目が覚めたか、ナルトよ」

"・・・?"

声がした方を見て見ると、そこには白い髭を蓄えた老人が立っていた。
ナルトは目の前に立っている老人が、
『三代目火影 猿飛 ヒルゼン』であることにすぐに気付いた。

"ああ、そうか。ここは『火影室』だったのか。"

三代目がナルトに近づき、

「やはり何度見ても、ミナトにそっくりじゃのぉ。のぅナルトよ」

と言った。
"そりゃあ、四代目の息子ですからww"と、ナルトは内心ドヤ顔でツッコんでいたが。
三代目はナルトを抱き抱えて窓の方へ行った。

「ミナトよ、儂がちゃんとナルトを育てるから、お前は安心して眠っておれ。」

悲惨な事件があったにも関わらず、それでも酷く澄んでいる星空を見上げながら、
決意を固めた目で三代目はそう言った。 
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