天才少年と電脳少女
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愛は世界を救う
そのころ龍次は、アインと向き合っていた。心から、アインを見つめた
「アイン、すまなかった」
龍次がそういって、頭を下げた、その時
ボコッ!
アインが龍次の腹を殴った
「うぐぅっ・・・・」
痛みに顔が歪み、腹を押さえて倒れこむ龍次。龍次は思った。もう、アインに言葉は届かないのだと
「なら、拳で伝えるしかないな」
そういって、龍次はアインの腹を殴った
「いいか、アイン、お前は認めてもらいたかったかもしれないが、少しだけ技術が足りなかった。それだけで表舞台に立てないからって、それ人を恨み、妬むのはおかしい。本当の勝者は、それをばねにし、もう一度立ち上がるやつだ。恨んだりしない、それを結果だって受け止める、また努力する、そういうやつが本当に心の底から認められるやつって言うんだよ!」
龍次は殴りながら、アインに語り掛けた。だが、龍次はアインに思いっきりけりを入れられてしまった。倒れこむが、もう一度語り掛ける。殴りながら
「アイン、俺がお前を認めなかったことがあるか!お前にナンバーワンの称号を与え、俺の右腕にしたのはなぜか、それはお前を認め、評価したからに決まってるだろ?だからアイン、お前がこうならなきゃいけなかった理由は、どこにもないんだ。だが、慎次の存在により、誤解が生まれてしまったのかもしれない」
一瞬、アインがふらついた。そのふらつきを、龍次は見逃さなかった
「アイン、お前は素晴らしい科学者だ、ミサイル以外の氷河期プログラム解除法も見つけれるんだからなっ!」
龍次は言葉を言い終わると同時に、力を込めてアインを蹴り飛ばした。その力は、愛だった。それは、龍次も、誰も、予想しなかったほどに、高く、高く上がって、落下した。
「え?急にプログラムが通用するようになったわ・・・・」
ギブミーファイブは驚いていた。ほかの二人も、同じような状態だった
「解除!」
彩華がそういってエンターキーを押すと、アインの体から氷が消えていき、元の姿に戻った
「アインが、認められたって、自分で思ったんだな・・・・」
ダブルフィンガーはアインを見てつぶやいた。みんな、ほっと安心していた
「ごめんなさい・・・・」
目を覚ましたアインが最初に発した言葉だった
「いいんだ、自分だって悪かった」
龍次はそういって、アインの頭に手を置いた。すると、アインも少し安心したようで、少しだけ、笑みがこぼれた
「氷河期プログラムはどうなったんだ・・・・・?」
ふと、何かを思い出したかのように周りを見渡しながら、アインは龍次に聞いた
「心配ない、今、慎次が、やってくれるところだ」
そういって龍次は、氷河期プログラムの集合体を見つめ「やれ、慎次」と聞こえなくらいの声で小さくつぶやいた
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