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ヘタリア大帝国

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TURN90 密林という名の迷路その二

「よくありません」
「けれどそれで戦争が終わるならいいだろ」
「それはそうですが」
「日本の外相さんって頭硬くないか?」
 ロマーノはいぶかしむ顔になって東郷に顔を向けて問うた。
「前から思ってたけれどな」
「ああ、ロマーノさんも気付いたか」
「まあな」
「悪い人じゃないんだがな」
 東郷は余裕のある顔のまま宇垣を見ながら話していく。
「ちょっとばかり頭が硬いんだよ」
「だからこうしたこともかよ」
「中々気付いてくれなかったりする」
「普通は気付かんぞ」
 宇垣はむっとした厳しい顔で東郷に返した。
「何故そんなことが考えられる」
「じゃあ私が考えついたのって」
「独創性といいますか」
 日本が真面目な顔でムッチリーニに返した。
「イタリンの外交センスでしょうか」
「それなのね」
「イタリンは。私が見たところですが」
 この前置きからの言葉だ。
「昔から外交が上手なので」
「それは確かにですな」
 宇垣もこのことは認めて頷く。
「イタリンは外交上手です」
「そのそれぞれの国で外交の上手下手がある様なので」
 日本はさらに話す。
「ムッチリーニさんも思いつかれたのではないかと」
「そうなるのね」
「この考えは凄いです」
 日本は猥褻とは言わずこう評した。
「では早速」
「それじゃあね」
「ううむ、わかりました」
 宇垣は釈然としない顔だがそれでもよしとした。
「それでは講和の条件に入れます」
「よく考えると貿易にもなります」
 日本妹は国益から考えて述べた。
「そうしたゲームや漫画の輸出ですから」
「輸入にもなる」
 東郷はこのことも述べる。
「中々面白い話だ」
「これで一つの産業の発展につながりますか」
「産業だったのですか、ああしたものも」
 宇垣は東郷と話す日本妹に対してやはりいぶかしむ顔になってそのうえで問うた、今回もそうした顔になっている。
 それでだ、また言ったのである。
「いや、わしにはどうも」
「やっぱりこの人頭硬いな」
 ロマーノは今も言う宇垣を見て述べた。
「もう少し柔らかくなったら違うだろうな」
「親切で優しい人だしね」
 イタリアも言う。
「本当にもう少しだけね」
「柔軟になれたらな」
「うん、もっとよくなるよね」
「外相としてもいいから残念だな」
「本当にもう少しだからね」
「わしは褒められているのか」
「褒められてますよ」 
 東郷が宇垣にまた言う。
「しっかりと」
「そうなのか」
「俺も外相を頼りにしてます」
 その通りだ、口には出さないが東郷は宇垣を尊敬もしているのだ。彼にとって宇垣は真面目でかつ誠実な先輩である。
「ですからそれでお願いします」
「わかった。それではな」
「アマゾン戦の後の交渉を」
「戦いが終わればそれに越したことはない」
「はい、本当に」
「だからだ。わしは喜んで向かおう」
 こう言ってそしてだった。
 宇垣はムッチリーニの提案した交渉条件を入れた、アステカとの講和の話が大きく変わった。
 そのうえでだった、枢軸軍はブラジルからアマゾンに攻め入ることになった。その際イスパーニャが東郷に話した。 
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