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インフィニット・ストラトス 黒剣の死神と謳われた天才 バージョン2

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42話 『織斑一夏』

 
前書き
事情があり、『黒剣の死神』の続きはこっちで続けることになりました。大変申し訳ありません。 

 
気配が変わった織斑は地面に刺さっている砂鉄の剣を一本抜き、こっちに走ってきて、砂鉄の剣を振りかざした。

ガン!!

「ははっ」

鍔迫り合いになり、俺は破山の峰に左手をやり磁力で破山を前に押し出し、織斑を弾くと弾き飛ばされたのを利用して爆転をしながら後ろに下がり、両目とも左を向き始めた。

「どこ見てんだ織斑……お前、『霊的な何か』でも見えるのか?」

あきらかにスピードは上がった。次はどう動くか…

「一夏君止まりなさい!!」

壁に貼り付けられた刀奈が織斑に止まるよう叫ぶが、織斑は制止を聞かずにこちらに走りながら突っ込んでき、俺がそれを迎え撃とうと斬りつけると空中に一回転しながら飛び、かかと落としで、破山の刃の軌道を下に換え、左手で持った雪片で俺の首を狙ってきた。

(速い!!)

「真理避けて!!」

俺は頭を下げて避けると、織斑は両手で持った二本の剣で斬りつけて来たから、俺はそれを防ぎながら、後ろに下がると織斑は雪片で破山を抑え、右手に持った砂鉄の剣でまた、首を狙ってきたがまたそれを頭を下げて避けた。

「ちっ。さっきから芸の無いことを…」

俺がそんなことを言うと破山を抑えてた、雪片を滑らしながらまた俺の首を狙ってきたので破山から磁力を放ち反発させ、雪片を上に飛ばし、俺は後ろに下がった。

「お前そんなに俺の首が好きなかよ。ならその砂鉄の剣は没収だ!!」

俺は織斑が持っている砂鉄の剣と織斑が取らなかった方を剣を呼び戻そうと左手を出すと、織斑は右手に持った砂鉄の剣をこっちに勢いよく投げ、左手の荷電粒子砲を撃ってまた剣の刃の向きを変えた。

ドカッシャ!!!

「真理!!」

「いって~!!またやりやがった!!」

あいつ、俺が黒風の能力を使う一瞬、砂鉄の剣をその能力で引き寄せる一瞬。その俺の能力まで利用して攻撃しやがった!!しかも、投げた方の剣は鎧の関節部に当ててきやがった。

「さすがと言うべきか……これが『織斑家の負の遺産』の力。いや、それだじゃないな。その機体『白式』の性能を引き出しているのか」

しょうがないあれをやるか。俺は刀奈の束縛と自身の鎧と破山の砂鉄を解除して、機体を元に戻した。

「刀奈!上に飛べ!!!」

「わ、分かったわ!!」

俺は刀奈と一緒に上に飛び、砂鉄を更に出し、さっきの砂鉄と組み合わせ“砂鉄結襲 五寸釘”と“砂鉄結襲 大金槌”を作り出した。織斑はブースターが破壊された為飛べずにこっちを見ている。

「真理、何をする気なの!?」

「織斑は俺が“どこにどう行くのか分かっている攻撃”を見抜いて反撃している。なら、俺が“どこにどう行くのか分からない攻撃”をするんだ!!」

俺は五寸釘と大金槌2つの砂鉄結襲を組み合わせ、その2つは合わさったことで結合し反発している。そこに左胸の磁力制御放出装置を開き一気に磁力を上げた。

「“砂鉄界法”!!!」

組み合わさった砂鉄結襲は反発し、無数の棘になり、かなりの勢いでアリーナ全域に突き刺さった。

ドドドスッドドドドッドッスッドドドドドド!!!

アリーナは土煙覆われ何も見えなかったが、土煙がはれ、アリーナを見るとそこには砂鉄界法の棘が二本しか刺さっていない織斑が倒れていた。気絶した織斑の周りには、折れた砂鉄界法の棘が数本落ちていた。

「まさか、砂鉄界法の棘を折ったのか?」

「と、とにかく一夏君を助けましょ!!真理、砂鉄を直して!!」

「分かった。満月さん、医療室のベットを一つ確保してください!」

俺は砂鉄を直しながら満月さんに連絡を入れ、織斑を安全に寝かせられる場所を用意するように指示した。


      ー◇◇◇◇◇◇◇◇◇ー

「まったく!元気がイイのはいいことですが、このままだと織斑君の短期間連続入退院回数が記録ナンバーワンになりますよ。更識生徒会長、神倉君」

「「……はい、返す言葉もありません」」

時刻は午後18時、俺と刀奈は医療室主任に主任室で説教中である。この人美人なのに怒ると顔のしわが目立つな。

「今日は頭が痛いわ、あなた達も大概だけ織斑君もよ、体の至る所の筋肉が痛んでる。あんな痛みかた尋常じゃない。それに……」

「それに…何ですか?」

「織斑君の回復スピードもおかしいの。普通なら早くて1ヶ月しないと治らない痛んだ筋肉がもう治りかけてるわ。それに神倉君との戦いの後半を見て調べるとまるで…体のリミッターを外していたみたいなの」

その言葉を最後に主任室をでると壁に寄りかかって満月さんが待っていた。

「どうだった久々の説教は?」

「まあ懐かしいと言えば懐かしいですね。織斑はどうですか?」

「傷も殆ど癒えてるしもう目を覚ましてる。試合のことは途中までしか覚えないようだ」

「たった二時間ちょっとそんなに……」

「前にも織斑は死にかけた時に似たことがあったらしい。今回もそれなんじゃないか?」

「いや、多分それは違いますよ。それは織斑が…」

「『織斑が…』なんだ?』

唐突に出てきたこの声は織斑一夏の姉、織斑千冬。変なタイミングで出てきたなこの人。

「俺が今言おうとしたこと位、あなたなら分かるでしょ」

ヒュ パシっ!

「「真理!!」」

刀奈と満月さんは織斑千冬の手刀に反応して叫んだが、俺はそれを左手で受け止めている。この人俺の首を狙ってきたぞ。姉弟揃って首が好きだな。

「私の家族について探っているみたいだな……止めとけ。何もいいことは出てこないぞ」

「忠告傷み入る『ブリュンヒルデ』」

俺は手を話すと織斑千冬は厳格な顔になり俺の処罰を言い放った。

「神倉お前には罰として明日は、轡木さんと一緒に花壇の清掃活動をしてもらう」

「分かりました」

「では、確かに伝えたぞ。あまり引退した人間を怒らせな」

織斑千冬はそれだけ言って織斑の病室に向かって居なくなっていた。

「『引退した人間』がなんつー殺気放つだよ」

俺の頬に一滴の汗が流れていた。

















 
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