ソードアート・オンライン~紅き剣聖~
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一部 浮遊城アインクラッド編
隠されし記録~最初のPKプレイヤー~ 調査篇
前書き
長めです!
《はじまりの街》
俺とサキはとりあえず《はじまりの街》に到着したがやはりここはまだ混乱していた。
「ソウスケ君……」
サキはそう言って俺のハーフコートの右袖を右手でぎゅっ!と掴む。
「サキ、一応俺から離れるな…」
「は、はい!」
***************
「話によると、《生命の碑》っておぶじぇくと? に全プレイヤーの名前があるみたいだね!」
「うん、そしてそこでは《プレイヤーの生死》も確認出来るらしいな」
時間は午後2時、俺達は昼食を食べている。
「ご飯食べたら《生命の碑》ってとこに行ってみるか?」
俺はサキに問いかける。
「………もぐもぐ…………………」
「サキ?」
「…………もぐもぐもぐ…………」
どうやら今食べているジャムパン(正確にはみたいなものが乗った黒パン)に夢中らしい。
「……ったく、サキ、戻ってこーい」
俺は横にあるサキの頭を軽く小突く。
「ひゃっ! ソ、ソウスケ君!? どうしたの?」
「パンに気をとられ過ぎだ、俺の声聞こえてたか?」
「うぅ~、ごめんねソウスケ君……でどうしたの?」
本当に聞こえてなかったのか………
「……ご飯食べたら《生命の碑》ってとこに行ってみるかって言った」
「うん、わかった!」
サキはそう言ってパンの続きを食べ始めた。
まだ食べるのか?……………ジャム黒パン。
俺は座っていた芝生に寝転び目を閉じた。
*****************
sideサキ
私はお昼ご飯を食べ終え、ふと、ソウスケ君の方を見た。
ソウスケ君は気持ち良さそうに寝ていた。
「ふふっ、ソウスケ君って起きてるときは格好いいけど、寝てるときは可愛いね!」
ソウスケ君は今日の朝に出会ったばかりなのにいつの間にか私の─
「─って! なに考えてるの私!」
私は頭をぶんぶん振る。
「ん………何を考えてるって?」
ソウスケ君が起きた。
…………………
「ぅ…………ぁ……にゃ!にゃんでもないれす!」
「大丈夫か? ろれつ回ってないぞ」
全身がかぁっと熱くなる感覚がした。
「そんなことより! 行こう、なんとかの碑ってとこに!」
「《生命の碑》な」
***************
sideソウスケ
まぁ、そんなこんなで《生命の碑》に到着した。
「ここか……」
それは《黒鉄宮》と呼ばれる巨大な建物内部で鎮座していた。
「サキ、友達の名前って?」
俺は生死を調べるため、聞いた。
「うん、名前はアスカ、探してみよっか」
……………………
「あった! ちゃんと生きてるぞ!」
俺はサキに名前を見せる、名前に横線は入っていない。
「ふー、良かったー!」
サキは安堵したようだ。
「良かったな!」
そう言って頭を撫でる。
「えっ! ソウスケ君!?」
サキはゆでダコみたいになって俺を見てくる。
「? どーした?」
気になったので聞いてみる。
「ど、どうしたって…………それは反則だよ…………(小声)」
最後の方、何て言ってたんだ?
ゆでサキ(ゆでダコみたいなサキ)はほっといてだ、
誰かに見られている、そんな気がしていた。
**************
その後、《はじまりの街》でアスカなる人物を探したが見つかることはなかった。
もう夜になってしまったので、ひとまず宿で休もう、となった。
のだが─
「ソウスケ君、本当に私がベッド使ってもいいの?」
「あぁ、俺の事は気にすんな、思う存分寝てくれ!」
なんでこんなことになっているかって?
そんなの、サキがご飯食べすぎて宿賃すら残ってないからだよ………
「うん! やっぱり………ソウスケ君!」
「は、はい!?」
サキの余りの剣幕に思わず敬語になる。
「ベッドは半分こしよっ、いい!」
とかやってるうちに結局、
「ソ、ソウスケ君? 狭く……ない?」
「あ……うん、だ、大丈夫………です」
二人で1つのベッドを使うことになった。
その夜はなかなか寝付けなかったと捕捉しておこう。
SAOがスタートしてから二回目の夜だった。
****************
次の日─
《はじまりの街》にはやはり攻略を諦めたプレイヤーがちらほら見えた。
「なぁサキ? 昨日より人減ってないか?」
ふと、疑問に思いサキに問う。
「言われて見れば…………どうしたんだろ?」
街中を歩いてると、
「あんたら、攻略プレイヤーか?」
1人の男性に声をかけられた。
「……そだけど?」
「えっと、何か攻略プレイヤーに関係が?」
「人を探してるか?」
男性は更に聞いてる。
「!? 何でそれを?」
「…………アンタ、何を知っている!」
俺は男性を睨む。
「俺は《自称最初のPKプレイヤー》にあんたらへの伝言を頼まれただけさ」
男性は無表情のまま言った。
「……………え?」
サキは信じられないって顔をしている。
「…………内容は?」
俺は男性を鋭く睨む。
「今日の夜、街の出口で待つ。 以上だ」
そう言って男性は、どこかへ消えた。
***************
「………………………」
サキは先程からベンチに座り焦点の合わない眼で何処かを見ている。
「………………………」
俺はなにも言わずただサキの隣に座っている。
俺はアスカという人を知らない、サキにとってアスカがどんなに大切な存在かは知らない。
─俺には何もする事は出来ない─
いや、出来ることは1つある。
「……少し調べものしてくる」
俺は立ち上がる。
「え─」
サキは不安げな眼で俺を見てくる。
俺は何も言わず微笑みその場を離れる。
そして、《圏外》に出る。
そこには─
「待ってたぜぇ、霧島蒼介!」
「…………誰だ?アスカさんは解放しろ、しなければ……」
俺はSAO がスタートしてから一番殺意のこもった目をした。
「俺様の名前はスコルピオ、《まだグリーンプレイヤーだ》………解放しなきゃ……何?」
スコルピオはにやついている。
「《俺が最初のPKプレイヤー》になるだけだ……もう一度聞く、何故俺の《本名》を知っている!」
スコルピオは口笛を吹く。
「来な、舞台は用意してある」
俺とスコルピオは森の奥に消えていった。
「お前の質問には後で答えてやるよ」
俺は例え用のない怒りを感じながらその声を聞いていた。
後書き
ソウスケ「……………………」
サキ「ソウスケ君、怖いよ…………」
キリト「(出番ないな………)」
アスナ「(私なんて、一度もないよ(泣))」
ARISEN 「次回はバトルメインの予定です!」
アスナ「疑問点や感想などありましたらよろしくお願いいたします!」
サキ「アスナ、必死だね……」
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