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八条学園怪異譚

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第四十一話 百物語と茶室その十

「先輩も遠慮されることがあるのね」
「そうみたいね」
「結構ずかずかして入って来る人だと思ってたのに」
「それがなのね」
「そうした気配りもされる人だったの」
「二人共私を何だと思ってるのよ」
 茉莉也はその二人にも顔を向けて問い返した。
「全く、私だって気配りはするわよ」
「そういえば結構」
「私達に対しても」
「人の気持ちは察する様にしてるからね」
 茉莉也はこう二人に返した。
「それに神社だから、人もよく来るからね」
「人生相談とかもですか」
「受けられるんですね」
「宗教家の務めよ、それも」
「そうしたこともされるからですか」
「聞く尿もなんですね」
「そうなの、心掛けているのよ」
 茉莉也は二人にこのことも話した。
「一応はね。だからあんた達も何かあれば」
「はい、色々とですね」
「人生相談をですね」
「そうよ、何でも聞いてね」
 そしてだというのだ。
「それで話さないから」
「そうなんですか、じゃあ」
「宜しく御願いします」
 二人は茉莉也に答えた、そうしたやり取りからだった。
 茉莉也は二人にまずは泉を探すことを勧めた、それで二人にこう言ったのである。
「じゃあまずはね」
「あっ、小さな茶室にですね」
「今からですね」
「そう、行こう」
 まずはそこだというのだ。
「それで確かめてからね」
「それからですね」
「後は色々と」
「私のお家に帰ってね」
 そしてだというのだ。
「飲みましょう、丁度いい和菓子を貰ったのよ」
「それでその和菓子で、ですよね」
「お酒を飲まれるんですよね」
「いつも通りね」
 そうするとだ、茉莉也は二人に楽しげに笑って話す。
「そうするつもりだけれど」
「いい加減慣れてますけれど」
「和菓子で日本酒は」
「あの、結構以上に合わないですよ」
「日本酒に甘いものは」
「私的にはいいのよ」
 茉莉也は二人の話を聞いてまた言った。
「美味しいから」
「あの、先輩ってひょっとして」
 ここでだ、愛実はその目を思いきり顰めさせてそのうえで茉莉也に問うた。
「御飯にもお酒よ」
「あっ、それはしないから」
 御飯に日本酒をかけてそれで食べるということはしないというのだ、こうした食べ方をする人もいたりするのだ。
「昔のお相撲さんとは違うから」
「昔のですか」
「昔の力士さんはそうして身体を大きくしようとしたっていうけれどね」
「先輩はされないんですね」
「御飯にかけるのはのりたまでしょ」
 ふりかけの代表選手である、今も健在だ。
「やっぱり」
「ううん、のりたまですか」
「そっちなんですね」
「そう、のりたま以外でもいいけれどね」
 二人に話していく。 
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