ヘタリア大帝国
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TURN89 エアザウナその四
エアザウナからの攻撃が来た、戦域全体に咆哮と共に人間のものでは造り出せない威力と射程のビームが放たれた。
それが総督の艦隊を襲う、総督は前から来る無数の光の矢、いや杭を見て将兵達に対して言った。
「撃沈されたらね」
「その時はですね」
「もう退艦の用意は出来ているから」
既にだというのだ。
「だからね」
「即座にですね」
「死んだら駄目だよ」
その為の処置だった。
「だからいいね」
「わかりました、それでは」
「うん、そうしてね」
こうした話をしてであった。
彼等は脱出する用意に入っていた、既に。
その彼等にエアザウナのビームが来た、破滅の衝撃が走った。
だがだった。艦隊は。
「あの、無傷です」
「ダメージはありません」
「バリアが全て弾きました」
「何ともありません」
「えっ、そうなんだ」
総督は将兵達の報告に旗艦の艦橋で目を白黒させた。
「エアザウナの攻撃を受けても」
「はい、全くです」
「ダメージを受けていません」
そうだというのだ。
「信じられませんが」
「そうなっています」
「ううん、まさかと思うけれど」
総督は学者としての立場から分析して述べた。
「この艦隊のバリアがね」
「エアザウナのバリアを防ぐだけのものがある」
「それ故にですか」
「どんな矛でもその矛より硬い盾は貫けないよ」
矛盾の語を少し変えたものだ。
「そう、つまりは」
「我々にはそれだけの盾がある」
「そういうことですか」
「この艦隊は確かに攻撃力はないけれど」
精々バリア戦艦のビーム位だ。
「防御力はかなりだから」
「とにかくバリア艦を多く配備したせいですね」
「その結果です」
エアザウナのビーム攻撃も無事防げているというのだ。
「ではこのままですね」
「ここにいて」
「ビーム攻撃はするよ」
この艦隊でも攻撃はするというのだ。
「まあ主力じゃないけれど」
「この戦域での主力はあくまで潜水艦ですね」
「彼等の魚雷ですね」
「そう、それだよ」
まさにこれだというのだ。
「だから僕達はメインでないけれどね」
「はい、それでは」
「攻撃をしましょう」
こう話してそのうえでだった。
総督の艦隊も攻撃を行う、だが。
彼等の攻撃ではエアザウナは殆どダメージを受けない、しかし。
田中は潜水艦を率いながら不敵な笑みで言った。
「総督さんも無事だしな」
「それではですね」
「今から」
「ああ、やるぜ今回もな」
こう己の艦隊の部下達に告げる。
「接近してそしてな」
「魚雷攻撃ですね」
「今から」
「あの化け物でもな」
「何度も攻撃を加えれば」
「それで、ですね」
「やれるっていうからな。怪獣退治といくか」
田中は潜望鏡から大怪獣、総督の艦隊に攻撃を浴びせた後のそれを見て言う。
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