万華鏡
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第四十話 二学期のはじまりその八
「だからなのね」
「運動会は体育会系担当だからね」
「うちの学校その考えが強いみたいだから」
「だから今回琴乃ちゃんはね」
「委員さんにはならないと思うわよ」
「立候補しない限りはね」
それはないだろうというのだ、だが委員会は選ばないといけない。その委員が誰になるかが問題であった。
そのことについてだ、クラスメイトの一人が言った。
「丁度うちには陸上部のホープいるしね」
「そうね、川浪さんね」
「あの娘がいるから」
それでだというのだ。
「あの娘こういう行事好きみたいだし」
「自分から名乗る出るかもね」
「じゃあこのことはこれで終わりね」
「運動会はあの娘メインねうちのクラスは」
「けれどね」
学園の秋の行事は運動会だけではない、スポーツの秋というが他のことについても秋と言われるからだ。ではその秋はというと。
「琴乃ちゃんは文化際ね」
「文化際はあんたも大活躍ってなるわよ」
「うちのクラスでも軽音楽部でもね」
「凄いと思うわよ」
「ええ、もうそう思ってるわ」
琴乃の方でもだ、最初からそう思っているというのだ。
「私にしてもね」
「やっぱりそうなのね」
「琴乃ちゃんの方もなのね」
「だってね、軽音楽部文化際でコンサートやるから」
もうこれは決まっていることだ、最初から。
「その準備もあるし」
「それでよね」
「それでね」
「うちのクラスでもね」
今度はこちらの話だった。
「催しやるから」
「まだ何をするかは決まってないけれど」
「そっちもあるからね」
「催しね、何かしらね」
琴乃はこのことについても言った。
「一体ね」
「メイド喫茶とか?」
一人がこれを出した。
「それとか?」
「ああ、最近文化祭でも多いわよね」
「あれ普通に人気出るからね」
「もうポピュラーになってるわよね」
「それか執事喫茶か」
今度は男だった。
「そういうのとかかしら」
「悪くないけれどね」
「実はメイド服って露出少ないし」
スカートの丈に関してはむしろ今の制服よりずっと長い、しかもストッキングまで装備しているからである。
「あれだとね」
「お料理も揃えやすいしね」
「まずはそれね」
「候補ね」
「まだ運動会もあってね」
そしてだというのだ。
「文化祭はその後だけれど」
「それでも今からなのね」
「考えていこう」
先のことをあらかじめ考えていこうというのだ、クラスメイトの一人は琴乃だけでなく他の面々にもこう言うのだ。
「先に先に考えていけば対応もしやすいしね」
「ううん、何か先生みたいな言葉だけれど」
「言われてみればそうよね」
「確かにね」
琴乃達はその娘の話に納得した顔で頷いた、そしてだった。
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