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Fate/ONLINE

作者:遮那王
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幕間3 神父暗躍

 
前書き

遅れてすいません。
大学がちょっと忙しいです。

こんだけ長引いて2000文字程度しかいかないとか、体たらくですわ……。


 

 

第一層の外れにポツンと佇む教会。
そこは一般のプレイヤーには認識される事が出来ず、ある特殊な存在のプレイヤーだけがそこを見つける事が出来る。

その中の奥の奥の一室、神父の格好をした男は無数のモニターを見ながら不気味に笑みを浮かべていた。

「どうやら、君の計画は順調に進んでいるようだね」

ふと、部屋の入り口側から男に声をかけるものがいた。

白と赤を基調とした服。
その上から暗赤色のローブを身にまとい、普通のプレイヤーとは一線を画した存在感を放っている。

「―――ああ、ようやく全てのサーヴァントが出揃った。小さな小競り合いはあったが、ようやく本当の聖杯戦争が始まる」

クククと男は笑みを零すと、入口付近の男へと向き直る。

「其れはそうとして、君に渡したサーヴァントはどうかな?気にいってもらえたか」

笑みを浮かべながら男…言峰綺礼は、入り口付近に立つ男…ヒースクリフへと問いかける。

「―――やや癖は強いがね、確かに強力な存在だよ。君が最強クラスだと称するのも頷ける」

ヒースクリフは頷きながら言峰に言葉を返す。
数ヶ月前、ヒースクリフは言峰から譲り受けた聖遺物を使い、この世界でサーヴァントの召喚を行っていた。
そして、その召喚に言峰は立ち会い、ヒースクリフのサーヴァントも確認済みである。

「それで、何故今日私を呼び出したのかな?これでも忙しい身なのだが」
「フ……これを見たまえ」

ヒースクリフの問いに言峰は目の前のモニターの一つを指差す。

「ほう……」
「これほど巨大なデータを合わせるのはさすがに骨が折れた」

そこには、魚や蜂、鯨などをモチーフとした、ポリゴン状のモンスター達が浮かんでいた。

「これらはエネミーと呼ばれるモンスターとはまた似て非なる存在たち。このエネミー達を特殊なダンジョンに解き放つ」

言峰はそう言うと右手を上げ、立体ホログラムを出現させる。
そこに映るダンジョンは、SAOのフィールドとはまた違い、四角く角ばった通路がただ続くだけ、言わば迷路のような物であった。

「成程……此処にエネミー達を解き放つのか」
「そう、このエネミー達は一般のプレイヤー達では傷つける事が困難であろう。だが、サーヴァントであれば彼等を打ち倒す事が出来る」

ヒースクリフは言峰のその言葉に、顎に手を持って行きながら考え込む動作をする。

「ならば、マスター以外のプレイヤーが入り込めないようにするべきかな」
「ああ、サーヴァントを所持しているマスターのみにこのダンジョンの入り口は反応する。そして、その中のクエストに挑戦してもらう」
「クエストだと?」
「そう――――――差し詰めサーヴァント用のクエストと言ったところか」

言峰は笑みを浮かべながらも、右手を動かす事を止めない。

モニターに映る様々なエネミー。
立体ホログラムとして投影される多種多様なダンジョン。

そして、最後にモニターに映し出されたのはマフラーやワッペン、剣などのアイテム類であった。

「これは?」
「これらは全て、マスター達が使うサポートアイテム―――――私はこれらを礼装と呼んでいる」

モニターには、多数のアイテム達が浮かび上がっている。
それも全て同じという訳ではなく、メガネやベルトと言った日常で使うものや、水晶やマントという魔法使いが使いそうなアイテムまである。

「これをクエストの報酬にと、わたしは考えているのだが」

言峰はそう言うと、ゆっくりとヒースクリフへ向き直った。
ヒースクリフはモニターを眺め、全て確認し終えるとモニターを見つめながら口を開いた。

「分かった、君の考えに私も乗ろう。ダンジョンをそれぞれの階層に幾つか設置する。それで構わないかね?」
「話が分かるようで助かる」

そう言いながら、言峰は満足そうにうなずく。
その様子にヒースクリフは溜息をつきつつも、再び口を開いた。

「話はそれだけかな。私はそろそろ失礼させて頂きたいのだが」
「ああ、それだけだ。忙しい所呼び出してすまなかったね」

一言二言だけ交わすと、ヒースクリフは教会を後にした。

残された言峰は、画面を見ながら口元に笑みを浮かべ右手を数度動かす。
すると、画面が切り替わりそこには十数人の男女が映る。

言峰はそれを見ながら満足そうに笑みを浮かべると、静かに口を開いた。

「さあ、存分に足掻いて見せてくれ。私のために」

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通達:聖杯戦争参加者へ

本日の正午、君達のために新しいクエストを用意した。

クエストの内容は各階層に用意したダンジョンの制覇。

ダンジョンは複数存在し、君達はこのダンジョンを見つける事から始めなくてはいけない。

これらのダンジョンを見つけ出し、クリアしてくれたまえ。

なお、このダンジョンはサーヴァントを連れていなければ入る事が出来ない。

そこに出てくるモンスター達もサーヴァントでしか倒す事が出来ない。

クエストをクリアする事が出来れば、それなりのアイテムを手に入れる事が出来る。

このクエストに挑むかは君たちの判断に任せる。

今後の聖杯戦争に役立てていきたまえ。
 
 

 
後書き
本当は10月に入るまでに投稿したかったのですが間に合いませんでした。
次はもう少し早く投稿します。

次回はキリト回です。
遂にセイバーと奴が出会う!?

感想お待ちしています。
 
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