ヘタリア大帝国
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TURN88 うぽぽ菌その二
「貴女は学んだな」
「ああ、よくな」
「失敗から学ぶことだ」
これもまたレーティアが学んだことだ、失敗自体が学ぶことだということをだ。
「私もわかった」
「では今度は」
「同じ失敗は二度としない」
レーティアのその顔が鋭くなる。
「絶対にな」
「ドクツに戻っても」
それでもだというのだ。
「私には多くの者がいる」
「今もな」
「彼等により助けてもらいたい」
レーティア自身だけでなく自分を助けてくれる仲間達のだというのだ。
「ドクツの為に」
「そうか。ならドクツに戻れば」
「あの時以上のことを果たしたい」
立ち直ったレーティアは総統だった頃よりもさらに大きくなっていた、その放つオーラも違っていた。その彼女を見てだ。
グレシアはにこにことしていた。そのうえでエルミーとドイツに話すのだった。
「もうね、今のあの娘ならね」
「無敵ですか」
「何も心配はいらないか」
「ええ、大丈夫なんてものじゃないわ」
コーヒーを飲みながら話す。
「前よりも凄くなったし。それに」
「私達にどんどん任せてくれる様になりましたね」
「ドクツの頃は全て自分でやっていたが」
まさに全てだった、だがそれがだというのだ。
「私達に出来ることは与えてくれています」
「それで自身の負担を軽減もしている」
「これは凄く有り難いことです」
「かえって全てがよくなっている」
「人間でも何でも頭だけでは動かないのよ」
そうだというのだ。
「何度も言ってるけれど。あの娘もそのことをわかってくれたから」
「ではドクツに戻られても」
「あの頃とはさらに違うわ」
レーティアが蘇らせたあの頃よりもだというのだ。
「凄い国になるから」
「そうですね。では」
「ドクツに戻った時は」
目を輝かせて応じるエルミーとドイツだった。彼等もまた輝きをさらに増したレーティアを見ていた。だがそれと共にだった。
グレシアはここで眉を顰めさせてこうも言ったのだった。
「ただ。ハニワ族だけれど」
「あの連中か」
「とりあえず邪でないことはわかったけれど」
「欲望に忠実過ぎるな」
「ええ、エロゲだの同人漫画だの」
こうしたものがハニワ族の栄養なのだ。
「そういうのばかりだから」
「それでなのですが」
エルミーも丸眼鏡の奥の目を曇らせている。コーヒーカップは両手に持っている。
「彼等は恐れ多くも総統まで、その」
「ええ、知ってるわ」
「宣伝相や私と絡ませたり」
「三角関係も多いわね」
「帝だったり」
レーティアを様々に絡ませているのだ。
「エイリスのセーラ女王もありましたね」
「カテーリン主席もあるわよ」
「あれは。太平洋経済圏では表現の自由がありましても」
「何かね、流石にね」
「はい、本心を見透かされてる様で」
「全くよ」
二人は本音を言った。
「あまり気持ちのいいものではありません」
「どうにかならないかしら」
「待て、本音が出ているぞ」
ドイツはその二人に突っ込みを入れた。
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