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ハイスクールD×D―魔法使いのキセキ―

作者:Nation
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戦闘校舎のフェニックス
  第22話

 
前書き
予定通り体育館戦です。

是非見っていってください。 

 
 イッセー、小猫と共に体育館に到着する。
「イッセー、ブーステッドギアを準備してすぐに倍加を始めれるようにしておけ」
「おう、ブーステッドギア!」
 イッセーはブーステッドギアを装着する。
 俺もアゾット剣とアンコールを抜きマナクリスタルを出す。
 正面の入口は新校舎側にあるため、旧校舎側にある裏口から入る。
 裏口からは舞台袖につながっており、そこから中の様子を窺おうとするが
「・・・気配。敵」
 小猫がそう言い、それと同時に
「そこにいるのは分かっているわよ。グレモリーの下僕さんたち。ここに入るところを監視していたから」
 相手の一人がそう宣言してくる。
「こそこそしても無駄って事か」
「みたいだ。入るところを見てたってのに何もしてこなかったのは余裕か、それとも別の思惑か」
「・・・行きましょう」
 俺たちも舞台中央に移動する。
 体育館のコート中央にはライザーの眷属が4人いた。
 開始前に見た相手の情報を思い出すに、チャイナドレスを着ているのが『戦車』の『雪蘭(シュエラン)』。
 体操服を着た双子が『兵士』の『イル』と『ネル』
 そして、十日前にイッセーを飛ばした棍を持つ少女が『兵士』の『ミラ』だったか。
「イッセー、倍加を始めて待機だ」
「了解!ブーステッドギア、スタンバイ!」
「『Boost!』」
 イッセーの倍加が始まる。
「行くぞ、小猫!」
「・・・はい!」
 俺と小猫は舞台から飛び降りるように相手に向かう。
 相手もそれぞれ構える。
 雪蘭は中華拳法の構えを取り、ミラも棍を構える。
 そしてイルとネルも担いでいた武器を取り出した。
「チェーンソー!」
 後ろでイッセーが驚いているが、これは驚く。
 背丈はミラと同じくらいの小柄な子がチェーンソーを振り回そうとしているのだ。絵としてはかなりシュールだ。
「解体しちゃいまーす!」
「バーラバラバーラバラ!」
 おまけに物騒なことを言っている。
「そんなことをされる趣味は無い」
 そう言いながらアンコールの引き金を4回引く。
 相手全員に法力弾が向かっていく。
 それを『兵士』の三人はそれぞれ躱し、雪蘭は防ぐ。
 足を止めている雪蘭に向かって小猫が攻撃を放ち、そのまま格闘戦に移行した。
 俺の方には『兵士』の三人が向かってきているがそうやすやすと接近を許す気はない。
「アクアエッジ」
 一番近くに居たミラに向かい水の刃を飛ばす。正面からだったので躱されたがすぐに軌道を変え再度ミラを襲う。
「なっ!」
 その軌道が予想外だったのか驚きの表情を見せるがすぐに火を纏わせた棍で打ち消した。
 だが、これでミラとの距離は開いた。次は
「「バーラバラバーラバラ」」
 物騒なことを歌う双子だ。
 二人に銃口を向けて、氷柱を放つ。
 二人はチェーンソーを盾にして防いだ。だがそれは悪手だ。
「え!」
「うそ!」
 チェーンソーの刃の部分が凍りつき動かなくなった。
 刃が動かないチェーンソーは切断能力が落ち、無理に動かすようなら最悪壊れるだろう。
 だが二人は動かなくなったチェーンソーを鈍器として使うのかそのまま向かってきた。
「えい!」
「やぁ!」
「せめて、融かしてから来い」
 その攻撃をプロテクションで受け止めた。
 その状態のまま二人はチェーンソーに火を纏わせて氷を融かした。
 融かされないと考えていたわけではないが、こうもあっさり融かされると少し泣けてくる。
 もう少しあれを温存しておきたかったがそんなこと言えないか。
 そんなことを思っていると、足を止めた俺に向かいミラが突きの一撃を仕掛けてきた。
 これは受けきれないので俺は足に法力を溜める。
 そして、瞬間的に三人から離れた位置に移動する。
「早い!」
 これは合宿中に作ったオリジナルの魔法。加速魔法陣。
 とは言っても仕組みは簡単だ。
 靴に仕込んでいる魔法陣に法力を込めて爆発させるだけ。
 それで発生する爆風に飛ばされるように移動する。
 法力を溜めすぎると自爆したり、飛ばされているので途中で方向転換が効きにくいなど改善の余地がある魔法だ。
 練習中に爆発して怪我をしたり、壁に激突したりしてアーシアの世話になった。
 だが、瞬間的に移動できたり、両足から交互に使えば宙を跳ぶことができるので使える。
 それでも祐斗よりか遅いのだが、『兵士』の三人には十分早いみたいだ。
 そうして距離を置いた俺はアンコールからマガジンを取り出し差し替える。
 再度距離を詰めていた三人に向けて氷柱を放つ。
 凍結するのが分かっているからか、三人とも防がずに躱した。
 三人の予測通り、躱された氷柱は壁を凍らした。
「さっきより強くなってる!?」
 ミラが言った通りさっきより威力が上がっている。
 種は差し替えたマガジン。本来単発式であるT/Cアンコールにはマガジンなんて存在しないがこの俺の銃には存在している。
 このマガジンには属性の威力を高める術式が込められている。先ほど差し替えたのは水氷系を高めるマガジン。
 これにすると基本的にその属性しか放てなくなるが威力が上がる。
 そのおかげでさっきよりも威力のある氷柱を放つことができた。
 三人の足元に氷柱を放ち、床を凍らせる。
 三人は床が凍ったため滑ってしまっている。
 その間に加速魔法陣を使い舞台の上に移動をする。
 すぐさま、魔法の準備に移り、小猫に合図を送る。
「小猫、下がれ」
 通信機があるので小声で指示が送れた。
 小猫はすぐさま舞台のすぐ前まで下がる。イッセーは舞台上だから安全だ。
「氷の槍よ。フリーズランサー!」
 俺の前に魔法陣が現れそこからコート全体に向けて氷の槍が連続して打ち出される。
 全員回避に専念している。
 だが、かなりの数が襲い、徐々に床全体が凍って行くため躱せなくなっていった。
 最終的には自分の獲物に炎を纏わせて迎撃していたが少し被弾していた。
「よし!倍加完了だ。いくぜ!!」
「『Explosion!!』」
 その辺りでイッセーの倍加が終わったようだ。
 選手交代。イッセーが攻め、俺が援護する。
 イッセーは舞台上からイルに向かって一気に飛び出した。
 その速度に反応できないでいるイルの胸をめがけて掌打を入れて吹っ飛ばした。
「よくもお姉ちゃんを!」
 その隙を狙ってネルがイッセーに向けてチェーンソーを振り下ろそうとするが
「やらせない」
 二人の間を狙って氷柱を撃つ。
 それを止まることで躱したが
 イッセーの掌打が襲い、姉同様に吹き飛んだ。
「はっ!」
 立て続けにミラがイッセーに突きを放つ。
 俺とミラの直線状にイッセーが居るためすぐさま援護が出来ない。だが、問題ないだろう。
 イッセーはその突きを躱すと左手で棍を掴み、右手で殴るようにして破壊した。
 そして間を開けずにミラを突き飛ばした。
「いってー」
 イッセーが右手を振るっている。
 小猫の方も問題なさそうだ。
 雪蘭は床に手を着いているが小猫は構えたまま様子を見ているようだ。
「こんな男に負けたら」
「ライザー様に怒られちゃう」
 そういうと双子は立ち上がり、チェーンソーのエンジンを吹かす。
 ミラも同様に折れた棍を二刀のように持ち、炎を纏わせた。
「もう許さない!」
「「絶対にばらばらにしてやる!!」」
 三人はイッセー目がけて突撃した。
 だがイッセーも何か仕掛けていたようで指を鳴らす構えを取り
「いくぜ!俺の新必殺技!『洋服崩壊(ドレス・ブレイク)』!」
 その言葉と共に指を鳴らした。
 すると
 ババババッ!!
 ミラとイル、ネルの三人の服が破け去った。
「「「きゃあああぁぁぁぁぁ!!!!!」」」
 三人はその場にうずくまりながら悲鳴を上げた。
 その光景を見ながらイッセーは高笑いをしていた。
「フハハハハハ!見たか!これが俺の技!その名も『洋服崩壊(ドレス・ブレイク)』!女の子の衣服を吹き飛ばすイメージを延々と繰り返し妄想し続け、魔力の才能を女の子を裸にすることだけに使った結果だ!」
 裸の女の子を見下ろしながら高笑いをする男。完全に警察が出てくる光景だ。
 そして、努力の方向性を完全に間違えている。
 まぁ、戦いの観点で言えば、相手の装甲を無くすと言うことで使えるし、相手の武器にまで及べば獲物を失わさせるということもできる。
 だが、あいつはそんなこと考えてないだろう。普通に変態が才能をつぎ込んだ結果だ。
「イッセー。後日折檻な」
「・・・朔夜先輩、お手伝いします」
 俺と小猫は冷ややか目を向けながらそんなことを言う。
「説教じゃなくて!?」
 当たり前だ。普段でさえ実害一歩手前で行き来してたやつが実害と化したんだ。体罰が必要だろう。
 軽くイッセーの教育メニューを考えていると部長から通信が来た。
「『三人とも。聞こえるかしら』」
「ええ、聞こえます」
「全員大丈夫です!つーか、いい感じです」
「『そう。朱乃の準備が整ったけど、もう少しいけそう?』」
 部長がそう聞いてきた。
「無理そうですね。気配がありません」
「『わかったわ。作戦を実行するわ。手筈通りにお願いね』」
 俺が返答をすると、部長が次の指示を出した。
 その指示を聞き、俺たちは中央の出口に向かって駆け出す。
「逃げる気!ここは重要拠点なのに!」
 ライザーの眷属たちが驚いているが気にせずに体育館を出る。
 そして、俺たちが出たところで
 ドゴォーン!
 轟音と共に雷が体育館に降り注いだ。
 雷がやむと、そこにあったはずの体育館が無くなっていた。
撃破(テイク)
 上空に黒い翼を広げている朱乃さんがいた。
「『ライザー・フェニックス様の『兵士』3名、『戦車』1名。戦闘不能(リタイア)』」
 グレイフィアさんのアナウンスが聞こえた。
 中に居た全員を今の一撃で落としたのか。
「すげぇ・・・」
「・・・朱乃先輩の通り名は『雷の巫女』。正規のゲームをやったことがないから、知る人ぞ知る存在ですが、それでも一部の間では有名です」
 小猫が説明してくれる。
 通り名の通り一撃必殺と言える雷だった。
 初手の作戦はうまくいったようだ。
 俺たちを囮に重要拠点である体育館に相手戦力を集中させ、俺たちが離脱後、朱乃さんの一撃を入れて一網打尽にする。
 それが部長の作戦。
 俺たちの半数近くを投入して体育館を狙ったのだから、相手からも体育館を取りに来ると思わせることが出来る。
 欲を言うのなら相手の援軍を待ち援軍ごと攻撃したかったが、来る様子がなかったので作戦を実行した。
 だが『戦車』を含めた4人を落とすことが出来た。成果は十分だ。
「『朱乃が最高の一撃を決めたわ。でもあの一撃は連発はできないし、魔力の消費も多いの。それにまだ、数では相手が上。朱乃の魔力が回復しだい、私たちも前に出るわ。各自、次の作戦をお願いね』」
 そこで部長から通信が入り次の指示が出た。
 俺は小猫と共に新校舎正面のグランドで、イッセーは祐斗と合流し陸上競技用のグランドに行くことになっている。
「やったな。朔夜、小猫ちゃん」
 作戦を見直しているとイッセーが手を上げていた。
「ああ」
 同じように手を上げハイタッチをする。
 イッセーは小猫にもハイタッチをしようと近づいたのだが
「・・・触らないでください」
 蔑むような、いや、蔑んでいる冷たいジト目でイッセーを見ながら距離を置いた。
 当然の反応だ。あんな技を見たんだ。まっとうな奴なら女子じゃなくても距離を置きたい技だ。
「ハハハ。大丈夫だよ。味方には使わないから」
「・・・それでも最低な技です」
 そんなやり取りをする。
「お前たち。今は戦闘中だ。気を引き締めろ。
 確かにあの技については今すぐ色々と言いたいが緩んだとこを狙われたら――――――――!!小猫!!」
 そこまで言ってからあることに気が付いた俺はすぐさま小猫に駆けだした。
 そして小猫のそばまで近づいた瞬間

 ―――――爆発が俺たちを襲った。 
 

 
後書き
「一章あとがき」に書いていた、自動拳銃を候補から除外した理由が属性マガジンでした。今は属性マガジンだけですが、今後いいのが思い浮かんだらマガジンに取り付けるのもいいかもしれません。

そして、加速魔法陣ですが、改良予定があり名前は仮名です。いい名前が思い浮かばないというのも理由の一つですが。

ここまで読んでいただきありがとうございました。 
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