転生とらぶる
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魔法先生ネギま!
0388話
魔法球を購入し、中で戦闘訓練等をして十分身体を動かした翌日。俺はあやか達と共に闘技場へと向かっていた。もちろん前回のインタビューや昨日のネギのインタビューで俺に対する注目が集まっているのは理解しているから、顔や身体を覆うローブを着て正体を隠してだが。
幸い、その変装が上手くいっているのかキャーキャー騒がれずに無事闘技場へと辿り着く。選手用の入り口と観客席用の入り口は別なので一緒に移動するのはここまでだ。
「では、私達は早速賭けに行ってきますので」
あやかの言葉に頷く。
幼女5人がそれぞれ3万ドラクマずつ分けて持っているのは正直非常に危なっかしいのだが……何しろここは言わば公営のギャンブル場でもある。それだけに防犯設備や警備兵もそれなりに揃っているのでこのまま真っ直ぐに俺に賭けてくれば……まぁ、大丈夫だろう。それに見た目は幼女5人組でも、それぞれがそれなり以上の戦闘力を持っている。もし見た目に騙されて襲い掛かるような奴がいたとしたら、碌でもない目に遭って後悔するだけだろう。
……まぁ、その場合は俺達の正体が知られる可能性もあるので余り嬉しく無い事態なのだが。
「頼む。言うまでも無いが、くれぐれも気をつけてな」
「はい。では、皆さん。参りますわよ」
「はーい」
恐らく、この中で一番幼児化を楽しんでいると思われる千鶴が、子供のように手を上げて返事をする。
「千鶴さん……いえ、何でもありません」
半ば諦めたようにそう告げ、観客用の入り口へと向かうあやか達。それを見届けてから、俺もまた選手用の入り口から闘技場の中へ入って先へと進んでいく。
「お待ちしてました。今日も貴方の戦いを楽しみにしております」
選手控え室へと入ろうとすると、そう声を掛けられた。
振り向いた先にいたのは、既に何度か出会っている闘技場のスタッフの女だ。今日もいつも通りの無表情でこちらへと視線を向けている。
「……もしかして、俺の担当か何かなのか?」
どうも接触する機会が多いので思い切ってそう尋ねてみるが、女は例の如く無表情に首を振る。
「いえ、私が自主的に行っているだけです」
「何でまたそんな面倒そうな事を?」
「貴方を見ていると、何故か気持ちが沸き立つのです」
「……惚れたか?」
取りあえずそんな風に惚けてみるが、返ってきたのは冷たい視線だけだった。
「冗談は顔だけにしておいて下さい。私の好みはもっと優しくて誠実な方です。少なくても、幼女を4人も5人も侍らせてロリコンハーレムを作っているような方は私の対象外です」
「ロリコンハーレム……」
いや、確かに年齢詐称薬を使っているんだからそういう風に見えてもしょうがないと言えばしょうがないんだが……いや、待て。元の姿に戻ったとしても20歳過ぎの俺と15歳のあやか達。……微妙な所ではあるが、あやか達が20歳になった時の事を考えればそうおかしくはない……か? いや、それ以前にあいつ等に本格的に手を出したりしたらレモン達にどんなお仕置きをされるか分かったもんじゃない……
背筋に一瞬だけゾクリとした何かを感じたが、それを意図的に無視して何とかロリコンハーレムのダメージから抜け出す。
「別にそんなつもりは無い。こっちにしても色々と訳ありでな。それよりも用がないのならそろそろ控え室に入ってもいいか?」
そう言って、控え室のドアに手を付けたその時。
「訳ありですか。確かに賞金首というのは訳ありに入るでしょうね。しかも150万ドラクマ」
その、何でも無い事のようにさらりと告げられた内容が耳に入ったその瞬間。殆ど反射的に手を伸ばして女の首をその手で掴み取っていた。
俺の握力があれば人の肉くらいは造作もなく毟り取れる。そうでなくても、ナギ・スプリングフィールド杯に参加している拳闘士達なら女を1人殺すのはそう難しい話ではない。
闘技場のスタッフとして働いている筈の女は、誰よりもそれを知っているにも関わらずいつものように無表情なままだ。……そう。正真正銘、自分の命を俺に握られているというのに。
「お前は、誰だ?」
「以前から仰ってるように、闘技場のスタッフの1人です」
「ただのスタッフが年齢詐称薬を使って、尚且つ指名手配されたのとは全く違う今の俺を見て何故賞金首だと特定出来た?」
「……」
その質問には無言で返す女。
それを見た俺は、徐々に首を掴んでいる右手へと力を入れていく。
「もう1度聞く。何故俺の正体を知っている?」
「……ゴホッ、MMのデータベースに侵入して調べてたからです」
喉を掴んでいた力を少し弱める。
にしても、MMのデータベースに侵入? こっちには基本的にファンタジーの世界でコンピュータとかは……あ、いや。違うな。まほネットとかがある以上はある程度のコンピュータ的な物があってもおかしくはないのか。
「当然そんな真似をしたのが知られればお前も無事では済まないというのに、何故そんな危険な真似をした?」
少なくても、賞金稼ぎに俺の情報を流す為という単純な理由ではないだろう。何しろ、MMのデーターベースに俺の情報が乗っていたとしてもそれはあくまでもアクセル・アルマーという人間の情報であって、現在の魔族とも半魔族とも取れる今の俺の容姿で同一人物だと理解出来る筈は無い。いくらフェイトとMMが繋がっているとは言っても、俺の異形化に関して知ってる者は極少ないのだから。
「確かに今の貴方の姿から、手配写真のアクセル・アルマーが同一人物だと気が付く人は少ない……いえ、殆どいないと言ってもいいでしょう。ですが貴方は街中で彼女達の名前を呼んでいましたね? そして、私はMMのデーターベースに潜ってその内容を覗く事が出来る。例えば、まだ写真だけで名前が公表されていない賞金首の名前とか」
「なるほど、それで確定した訳か」
「はい。万が一、貴方と賞金首のアクセル・アルマーが同姓同名の別人だったとしましょう。ですが、共に行動している少女達まで手配されている人達と同じ名前という可能性はどれ程あると思います?」
「……まず無い、な」
「つまり、これは年齢が変わって子供化しているからといって迂闊に本名を呼んだ貴方のミスです」
「言い返す言葉も無いよ」
握っていた首から手を離す。
確かに街中であやか達の名前をそのまま呼んだというのは俺のミスだ。賞金首に襲われても何とか出来る自信があったとは言っても迂闊だったのは間違い無い。
賞金首になるのは初めてというのは言い訳にはならないだろう。
シャドウミラーとして部隊そのものがある意味賞金首と化していた時もあるが、あの時は部隊単位で動いていたので特に偽名とかに気をつける必要も無かったし。
「で、俺のミスは認めよう。だが、そもそも何故俺の事をMMのデータベースに潜ってまで調べたんだ?」
スタッフの女は、俺の握力で握られていた為に掌の跡が付いている喉を撫でながら薄っすらとした笑みを浮かべる。
それは、普段無表情な女の笑みとは思えない程に艶を感じさせる笑みだった。
「それは最初に言ったと思いますが、私が貴方に興味を持ったからです」
「……話は最初に戻る訳か。で、結局は何で興味を持ったんだ? 俺を見ていると気持ちが沸き立つとかなんとか言っていたが」
「そうですね。貴方にはこう言った方がいいでしょうか。キズクモの街にある闘技場のオーナーの1人娘である私。リュボース・フィーネが貴方に興味を持ったと」
……何だと?
「闘技場のオーナーの1人娘?」
「ええ。私の父がこの闘技場のオーナーを務めています」
「何だってそんなお嬢様が闘技場のスタッフの真似事を?」
「それはもちろん、拳闘士の戦いを好むからです」
「……なるほど」
いわゆる、お嬢様の戯れというものか。
俺が内心でそう思った時、笑みを浮かべていたスタッフの女……否、リュボースがその笑みを消して鋭い目で俺へ視線を向けてくる。
「一応言っておきますが、理由があってやっている事です。もちろん趣味であるというのも否定はしませんが」
「理由?」
「はい。この世界に来たばかりの貴方達も知っての通り、拳闘士による戦いというのはこの魔法世界ではかなり人気の高い娯楽です」
「……らしいな」
俺の戦い、と言うかナギ・スプリングフィールド杯の予選でしかないというのに闘技場の客席は常に満員に近い。それだけこの都市から出される代表が誰になるかをキズクモ中の住民が興味を持っているのだ。
そうなると……
「俺はリュボース、あんたの目に叶ったって事か?」
「そうですね。予選1回戦のグリフィンドラゴンの召喚、2回戦の影と炎を使った戦い。それだけを見ても貴方がまだまだ全力を出していないと言うのは分かります。1回戦を勝った時点では目を掛けていた10人の中の1人でしたが、2回戦を勝った時点で5人の中の1人となりました。あのナギ・スプリングフィールドと関係性が噂されているというのもプラス要素ですね」
「光栄な事だな。だが、何でそこまで拳闘士に拘る?」
俺の言葉に小さく首を振るリュボース。
「正確にはキズクモ所属の拳闘士に拘る、ですね」
「キズクモ所属の拳闘士ねぇ……それはつまり、自分の所属している闘技場の拳闘士にもっと活躍して欲しいということか?」
「まぁ、そういうニュアンスで大体間違いありません。私がこのキズクモ代表としてナギ・スプリングフィールド杯に出場する拳闘士に望むのはただ1つ。本戦の優勝のみです」
愛国意識とかは良く聞くが、こういうのは愛街意識、あるいは愛社意識とでもいうのか?
「という訳で、アクセルさん。貴方が私の要望に応えてくれると言うのなら、当然私としても相応の対価を用意しましょう」
「対価? てっきり、俺の正体を握ったんだから自分の思い通りに動けとか言われると思ったんだが」
まぁ、その時はその時でさっさとこの街から脱出するつもりだったが。
何しろ、ネギ達がどこにいるのか分からなかった時ならともかく、今はグラニクスにいると判明しているのだ。移動に多少の手間は掛かるだろうが、やってやれない事はない。
「いえ、当然そんな事はしません。ギブ&テイクです。……と言うか、そんな事をしようものならアクセルさんの場合は自分の情報が漏れるのを防ぐ為に私を消して、自分もこのキズクモから姿を消しそうですしね」
「……お見通しか」
「貴方は確かに圧倒的な戦闘力を持ってますし頭も切れるかもしれません。ですが人には得意、不得意というものがあります。少なくても私にとっては交渉事は得意な方に入るんですよ」
「で、そっちのオーダーは?」
「ええ、簡単な事ですよ。貴方の目的に沿うでしょうし」
「目的?」
「そう。貴方の目的はオスティアで開かれるナギ・スプリングフィールド杯でナギ・スプリングフィールドを名乗る相手と戦う事なのでしょう? 私の目的もそれなのです。……ただし、当然勝って貰いますが」
「そしてキズクモの名を高めたい、か」
俺のその言葉に今度こそ頷くリュボース。だが、続いてその口から出たのはちょっと予想外の言葉だった。
「それもあります」
「それも? つまりは他にも何か理由があるのか?」
「はい。ナギ・スプリングフィールドが所属している拳闘士団はどこの街の所属か知ってますよね?」
「確かグラニクスだったか?」
「はい。正式名称は自由交易都市グラニクスとなります。そしてこの都市は自由交易都市キズクモ。ここまで言えば既に理解してくれると思いますが」
「なるほど。同種の都市だけにライバルな訳か」
都市間でライバル意識があるというのはたまに聞く話だ。この魔法世界でもそういうのがあるのだろう。
「どうでしょう、私の望みを叶えて貰えますか? そうすれば賞金首を取り消すのは無理でも、MMのデータベースに侵入してある程度の欺瞞情報を流す事は可能になります」
スッと手を伸ばしてくるリュボース。自分の提案を受けるのならその手を握って意思表示をしろという事だろう。
俺は殆ど迷わずにその手へと自分の手を伸ばす。何しろこの取引は俺に取っては殆ど不利な要素は無いのだから乗らない手はない。
……何か裏があったとしても俺達に被害が無いなら良し。もし危害を加えようというのなら、その時は己の犯した過ちを思い知らせてやるだけだ。
「では、契約成立ですね」
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:715
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
異形化
撃墜数:392
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