| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ヘタリア大帝国

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

TURN87 再編成の合間その六

「何があろうとも」
「だよな、それでか」
「攻勢に出ます」
 セーラの決定は変わらない。
「アフリカ方面からアラビア、マダガスカルに」
「しかし既に枢軸側は迎撃態勢を整えています」
 イギリス妹が指摘する。
「数も艦艇の質もかなりのものになっています」
「それにだよな」
 イギリスも妹に応える。今エイリスにいる国家も少なくなっている。
「提督もな」
「インド洋方面の敵の司令官は柴神様です」
「あの神様なあ、いい神様だけれどな」
 日本帝国にいる、彼等にとってはそれが問題だった。
「敵だからな」
「そうです、軍を指揮しても優秀な方です」
「手強いな、正直」
「今の我々の戦力で攻勢に出ても」
 それでもだった。
「植民地の解放は」
「絶望的か」
「残念ですが」
「何か戦力ねえのか?」
 イギリスは心の底からこのことを探した。
「本当にな」
「通常艦艇では」
「ないよな、やっぱり」
「今の状況で通常艦艇による戦力は極限にまで達しています」
「これ以上は無理だな」
「はい」
「手はないか?戦力の充実は」
 後は人材に頼るしかないのではないかとだ、イギリスは考えだした。
 だがここでだ、マリーが言って来た。
「あの、南アフリカにね」
「あそこにか?」
「面白い娘がいるからスカウトしてみる?」
「?そういえばあそこの総督の秘書の娘がだったな」
「祖国さんも見てたよね」
「ああ、現地の娘だったよな」
「あそこの総督さんも大概だけれどね」
 マリーは彼については顔を顰めさせて述べる。
「けれどあの娘はいい娘だし」
「何か怪獣使えたよな」
「そう、それ」
 マリーがここで言うのはこのことだった。
「通常艦艇での戦力が限界ならね」
「怪獣使うのも手か」
「ソビエトもドクツもそうしてるじゃない」
 大怪獣達のことだ、これが彼等の切り札にもなっている。
「だからね」
「じゃあ声かけてみるか、あの娘に」
「うん、姉様はどう思うかな」
「そうですね」
 セーラは妹の問いにまずは一呼吸置いた、そのうえでこう答えた。
「今は少しでも戦力が必要です」
「それならだね」
「その娘にお話して頂けるでしょうか」
 セーラはイギリスを見て彼に声をかける。
「そのうえで」
「わかったぜ、提督に任命だな」
「そうして下さい」
「わかったぜ、じゃあな」
 イギリスはマリーとモンゴメリーに顔を向けて二人に言った。
「南アフリカにな」
「うん、行こうね」
 二人もイギリスの言葉に頷く、この話はこれで決まった。 
 セーラは攻勢の話を決めてからだった、そのうえで。
 深刻な顔をそのままに会議にいる一同にこう言った。
「この戦いには絶対に勝ちます」
「それからよね」
「ソビエト、そしてドクツですが」
「あの二国は放ってはおけないわよ」
 エルザがそのセーラに言う。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧