北京ラプソディー
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第六章
李がだ、こう言った。
「俺の家に来るか?」
「御前の家で飲むのかよ」
「ああ、酒とかつまみとか適当に買ってな」
「今親父さん達いるだろ」
「俺の部屋に入れよ」
そこで飲めば問題ないというのだ。
「そうしてな」
「それでか」
「ああ、飲んでな」
そうしてだというのだ。
「食おうぜ、アニメでも観てな」
「日本のアニメか」
「それな、それでどうだよ」
「そうだな、安く済むしな」
こう言うのだった。
「それじゃあな」
「適当にビールとか揚げもの買って」
「カップ麺もな」
これも中国にもある、中国人もまたインスタントラーメンを好んでいるのだ。
「そういうので楽しみながらか」
「アニメ観ようぜ」
こう話してそしてだった、二人はたまたま傍にあったコンビニに入ってそこでビールなり何なりを買った、そしてだった。
李の家の彼の部屋に入った、そしてそこで。
二人でビールを飲み揚げものやカップ麺を楽しみつつアニメを観た、ネットで観たが映っているのは日本のアニメだった。
そのアニメを観ながらだ、李は缶ビール片手に王に言った。
「このアニメの主役の声優さんな」
「よく聴く声だよな」
「日本でも人気らしいな」
「人気があるから主役か」
「そうみたいだな、俺もよく聴くしな」
李もだというのだ。
「イベントとかでも大人気らしいな」
「そうなんだな」
「確か竹何とかいったな」
「竹何とか?」
「エンディングで名前が出るぜ」
クレジットでだというのだ。
「出て来るぜ、それにな」
「それに?」
「このアニメの原作小説らしいな」
「ああ、ラノベな」
今度は王が言う、パソコンの画面を観ながらそのうえでカップ麺を食べている。
「それが原作なんだな」
「終わったらしいな、向こうじゃ」
「じゃあこのアニメもか」
「今期で終わりだよ」
「二期でか」
「みたいだな、この主人公可愛いのにな」
それでもだとだ、李は残念な顔で画面に出ている日本人という設定だがブロンドの髪のそのヒロインを観て話した。
「今期で終わりだろうな」
「寂しいな、そりゃ」
「全くだよ、じゃあな」
「それじゃあ?」
「次は何観るかだな」
李は終わるものは仕方ないとしてそのうえで言うのだった。
「何観る?」
「確かこの竹何とかって人の主役のアニメ他にあったよな」
「ああ、 何かたまとかゆらとかいったな」
こう北京語で李に応える。
「そのアニメだったな」
「日本の広島が舞台のな」
「広島?あそこが舞台のドラマあったな」
「ああ、バッド何とかな」
今度はドラマの話になる。
「原作の漫画本屋でなかったか?」
「どんな漫画だよ」
「日本の不良の漫画でな」
「日本にも不良いるんだな」
「あんなの何処にでもいるだろ、北京でもいるからな」
それで問題になっている、所謂若者の犯罪がである。
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