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転生とらぶる

作者:青竹
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魔法先生ネギま!
  0384話

「これが今回の試合の賞金となります」

 渡された封筒は数枚の札しか入って無くてペラペラだった。まぁ、予選1回戦の賞金となればこんなものか。

「ナギ・スプリングフィールド杯の予選2回戦目は2日後となります。なので2日後の朝にまたこの闘技場に来て下さい。もし試合開始までに間に合わなかった場合は失格となりますのでご注意を。では、よい試合でした」

 俺を選手控え室から闘技場まで案内してきたスタッフがそう言い、最後に微かに微笑みながら一礼してその場を去っていく。
 無表情だっただけに、笑顔を見ると意外な感じがするな。
 そう思いつつ、溜息を吐く。
 結局、アレだけ派手に勝利を飾ったというのにインタビューの類は来なかったのだ。派手に勝負を決めて目立ったと思ったんだが。

「まぁ、次の試合以降も勝ち残っていけばいずれはインタビューが来るだろう。……と言うか、来ないと派手に勝った意味がないんだけどな」

 微妙に暗い気分になっているのを吹き飛ばし、闘技場を出る。するとそこには幼児5人が俺を待っていてくれた。

「アクセル君、お疲れ様です」
「格好良かったわね」
「んー、でもどっちかと言うとグリちゃんの方が目立ってたわね」
「ちょっと美砂。グリちゃんってもしかして……」
「そう。グリフィンドラゴンのグリちゃん。可愛いでしょ?」
「あー……もう、いいわよ。グリちゃんでも何でも好きに呼んだらいいでしょ」
「……クギミードラゴンとか?」
「美砂ぁっ!」
「キャー、こわーい。クギミードラゴンが私を襲うー」

 いつも通りのやり取りに苦笑を浮かべながら見ていると、茶々丸が手に持っていた飲み物を手渡してくる。

「どうぞ。試合自体は短かったですが、疲れたと思いますので用意しておきました」
「悪いな」

 受け取ったそれは、オレンジジュースっぽい味のするジュースだった。何故オレンジジュースと断言出来ないかと言うと、ジュースの色が真っ青だったからだ。これで味がオレンジとか……まぁ、魔法世界特有の果物か何かのジュースなんだと納得しておく。

「さて、じゃあ今日の試合も終わったし宿に戻るとするか。次の試合は2日後らしいから少しはゆっくりできそうだしな」
「では、何とか他の皆さんの情報を探す方法を考えないといけませんわね」

 溜息を吐くあやかだが、魔法世界に来る前と今では身長差が完全に逆転している。そんなあやかを励ますようにポンポンと軽くだが頭の上に手を載せる。

「試合が始まる前にちょっといいことを良い話を聞いてな。それが上手く行けば大河内達を探すのは多少なりとも楽になる筈だ」
「楽に、ですの?」
「ああ。昨日顔見知りになった拳闘士と試合前に選手控え室で話していたんだが、そいつらの目的がナギ・スプリングフィールド杯で勝ち上がって名を売ることらしいんだが……で、名を売るって事は当然目立つ訳だ。そして目立つ拳闘士の事は皆が知りたいと思う。そうすると当然闘技場なりTV局なりがインタビューに来る訳だ」
「あぁっ! なるほど。確かにそうですわ。アクセル君の考えはいけるかもしれません」

 最後まで言わなくても理解してくれたのは、さすがに完璧お嬢様といった所か。勉強が出来るという意味では無く、本当の意味で頭がいいんだろうな。

「え? どういう事? 円、分かった?」
「うーん、あんまり」

 俺を中心にしてワーワーキャーキャー騒いで追いかけっこをしていた2人が首を傾げる。そんな2人に正解を教えたのは、こちらも俺の言葉だけで内容を理解していた千鶴だ。

「ほら、宿にもTVがあったでしょう? インタビューを受ければ当然それがTVで流れる訳で……」
「あ、そうか! アキラ達もそれを見る可能性があるって事ね」
「そうなるわね。ただし、問題が1つ」

 チラリ、と千鶴が上目遣いで俺へと視線を向けてくる。
 うーん、年齢詐称薬を飲んでるせいで随分と視線に違和感が。……いやいや。ちょっと待て。これくらいの目線が俺のいつもの目線であって、麻帆良で幼児化したのが異例だっただけなんだ。そっちに慣れてどうする。

「大河内さん達が、今のアクセル君を見て本当にアクセル君と認識出来るかどうか……」
「ですわね」

 千鶴の言葉に頷くあやか。円や美砂もそれに同意する。

「あー、それは確かに。こんな角が4本も5本もあるようなのがあの小さいアクセル君だなんて普通は理解できないわよね」
「うんうん。私達はともかく、魔法を知らない子達が今のアクセル君を見たら逃げ出すのは間違い無いしね。特に夜中に街中なんかであったら鳴滝ズとかは速攻気絶しそうだし」
「何せネギ君やアスナ達からは大魔王って言われてるくらいだしね」

 何か、微妙に貶されているような気がする。

「まぁ、大魔王云々は置いておくとしてだ。例え俺の姿を見て自分の知ってるアクセルと認識は出来なくてもアクセル・アルマーという聞き覚えのある名前には興味を持つだろう。そうなれば、少なくても何の手掛かりもないままに魔法世界をウロウロとして大河内達を探すよりは接触出来る可能性は高い。何しろネギと同じ名字のナギ・スプリングフィールド杯にクラスメイトである筈のアクセル・アルマーという見覚え、聞き覚えのある名前の選手が出てるんだからな。それに、前に言ったようにネギ達との合流もより確実性が高くなるだろうし」
「そう、ね。確かに何の手掛かりも無いよりはマシかもしれないわね」

 円が俺の言葉に頷き、他の4人も頷く。

「それに、ネギ先生達の中でもバッジを持ってる人と合流出来ればバッジの機能を使う事が可能です。それで少なくても白き翼の人達を探すのは今よりも楽になるかと。……もっとも、バッジの効果範囲は限定的なので確実にとは言えませんが」
「なるほど、じゃあアクセル君にはしっかりと大会を勝ち残っていって貰わないとね。その為にもそろそろ宿に戻りましょうか」
「そうですわね、確かに美砂さんの仰る通りですわ。それに私達は元々目立つのは避けるべきですしね」





「おや、あんたら。TVで見てたよ。1回戦突破おめでとさん」

 宿へと戻って来るなり、宿の女将がそう言ってバンバンと背中を叩いてくる。
 ちなみに宿の女将は40代程の肝っ玉母さんとでも呼ぶべき性格と体型をしており、色々と訳ありの俺達にもそれとなく気を使ってくれている。
 ……ただまぁ、何かっていうと俺の背中を叩くのは止めて欲しいんだが。一応気を使ってか羽を叩かないで羽の下を叩いてくるのだが、それでも痛いものは痛い。

「1回戦突破祝いだ。今日の食事はちょっと豪華なのを持って行ってやるよ。期待しといておくれ」
「ああ、頼む」

 一応食事に関しては1階にある食堂ではなく自分達の部屋で食べている。少しでも人目に触れる可能性を減らす為だ。……まぁ、大会の応援に来ている時点でちょっと説得力は無いが。
 そんな風に女将に礼を言ってから部屋へと戻る。……と言うか、俺の部屋に皆が集合する。

「さて、部屋に入れば余計な人目にはつかないだろう。賭けに関してはどうだった?」

 ベッドにドサリと腰を下ろしながらあやかへと尋ねる。
 そう、今日の予選にあやか達が来ていた理由。それはもちろん俺の応援もあるのだが、以前に言っていた俺に賭けて軍資金を増やすというのもあった訳だ。

「ええ、ご覧の通りですわ。茶々丸さん」
「はい」

 促された茶々丸がドスンと床へと置いた袋。その中にはかなりのドラクマが入っていた。

「特に今日の対戦相手はこの街の闘技場でそれなりに実績のある相手だったというのが大きいですわね。それに対してアクセル君は拳闘士団にも所属していなくて、尚且つ1人での参加という意味で大穴でしたわ。現在の活動資金はざっと50万ドラクマといった所です」

 50万ドラクマ、日本円にして大体三千万円といった所か。

「よし、所持金に関してはこれでいいだろう。次の試合からは賭ける必要はないな」
「え? 何で? お金はあればあった方がいいんじゃないの?」
「美砂さん、よく考えて下さい。私達のような子供が毎回毎回賭けに勝っているのを見たらどうします?」
「どうしますって……そりゃ、羨ましいなぁって」
「それは日本……いえ、麻帆良でならそうかもしれませんわね。でも、ここが魔法世界だというのを忘れないで下さい。奴隷や賞金首といった制度が普通に存在している世界なのです。なら幼児にしか見えない私達が賭けで勝ち続けていた場合……どうなるか予想が付くでしょう?」

 あやかに言われて数秒考え、すぐにそのうんざりとした表情を顔に出す。

「あー、あやかの言ってるのは大体理解した。確かにそう考えると危ないわね」
「そういう事だな。幸い50万ドラクマもあれば金に困るという事もないだろうから無理に稼ぐ必要も無いだろう。それに、俺の賞金もあるしな」

 試合終了後にスタッフの女から渡された封筒を50万ドラクマの横に置く。

「賞金って……ちょっと少なくない?」

 賭けで勝ったドラクマが入ってる袋の横に置くと、よりそのペラペラさが強調される。

「まぁ、オスティアで行われるという本戦ならともかく、俺が戦ったのはここの代表を決める為の、しかも1回戦だからな。賞金が低くてもしょうがない」
「あぁ、なるほど。確かに予選から高額な賞金を払ってちゃ闘技場の経営が成り立たないもんね」

 美砂が苦笑しながらTVのスイッチを付ける。
 基本的に外には出ないようにして宿に引き籠もっているのが多い為に、すでに魔法世界のTVの操作にも慣れたものだ。
 どこかの闘技場の勝利者インタビューなのだろう。何らかの目立つような派手な勝ち方をして注目度を上げた新人といった所か。その画面に映っているのはどこか野性的な雰囲気を感じさせる20代程の男と、赤毛の顔立ちが整った、こちらもまた20代に見える男だった。
 ……どこかで見覚えがあるような顔だが。
 記憶の中からその顔を思い出そうとした次の瞬間。部屋にいた全ての者の目が画面へと集中する事になる。

『僕の名前は……ナギ・スプリングフィールドです』

 赤毛の男がそう言い放った為に。
 言うまでも無く、この魔法世界でナギ・スプリングフィールドという名前は大きい。それこそ名前を冠した闘技大会が開かれる程に。そしてその名前を堂々と使うという事は……

「ネギ、か」
「え!? これネギ君? あ、そうだよ。確かに麻帆良祭でこの格好をしたネギ君と会ってるじゃん私達」
「だよね、円の言う通り確かに私やあやかは会ってる」
「確かにこれはあの時のネギ先生と同じ……という事は」

 チラリ、と俺の方へと視線を向けるあやか。

「ああ。俺と同じく年齢詐称薬を使ってるんだろうな」

 やっぱり向こうも父親大好きのネギだけあってナギ・スプリングフィールド杯に参加する事になったか。

「まぁ、とにかくこれで合流の目処は立ったな」
「そうですわね。でも、それならネギ先生達と連絡を取れれば別に大会に参加する必要も無いのでは? インタビューを聞く限りでは、ネギ先生達はグラニクスという都市にいるようですしそちらに移動して合流した方が……」

 なるほど、その手もあるか。確かにグラニクスとかいう場所に行けばネギ達と合流出来るだろう。軍資金にしたって今日の賭けで十分稼いでいるんだし。だが……

「いや、俺はこのまま大会に出場しようと思う」
「何故ですの?」
「確かにネギとの合流を考えればグラニクスに行った方がいいだろう。けど、あそこにいるとはっきりしてるのはネギと小太郎だけだ。そうなると他のメンバーの目に止まる機会はネギだけじゃなくて俺も多い方がいいだろう。幸か不幸か、大河内達以外の奴等は俺のこの姿を知ってるんだしな」

 まぁ、子供バージョンの異形化だが。

「それに大河内達にしても、ネギの他に俺の名前を使った方が見つかる確率は高くなる。……ただ、向こうとの連絡手段は作っておきたい所なんだが……」

 携帯が使えればメールや電話で一発なんだがな。
 そんな風に思った時、不意に美砂が口を開く。

「だったらさ、それこそアクセル君もインタビューであっちに連絡を取ればいいんじゃないの?」
「……何?」
「ほら、あっちの世界でも格闘技の大会とかで試合前にインタビューでお互いを煽る事があるじゃない。マイクパフォーマンス的に。ああいう風にネギ君とアクセル君が敵対関係……っていうか、ライバル関係であるかのように見せかければネギ君達も私達の無事を確認できるんだし」
「確かにそれは有りですわね」
「余り殺伐としたのは好みじゃないんだけど……」

 あやかが頷き、千鶴が憂鬱そうに呟く。

「別に本気で喧嘩する訳じゃないんだから。あくまでも振りよ振り」

 軽い口調で美砂が千鶴を宥め、取りあえずはその案で行く事に決定するのだった。 
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:715
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    異形化

撃墜数:392 
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