ヘタリア大帝国
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TURN85 日本の奮起その八
東郷も古賀の急変を見ていた、そのうえで傍らにいる秋山に問うた。
「ひとみちゃんだがな」
「古賀中将ですね」
生真面目な秋山は訂正を忘れない。
「見ました、私も」
「二重人格だな」
東郷はすぐにこのことを見抜いた。
「それだな」
「そうですね、間違いなく」
「少し気になるな、戦いは勝ち戦果はあったが」
それでもだというのだ。
「後で少し調べよう」
「わかりました、それで損害ですが」
「大したことはないな」
「応急修理で済む」
それでだというのだ。
「ダメージを受けた艦隊をテキサスに戻すこともない」
「ではこのままですね」
「チリに向かう」
予定通りそうするというのだ。
「そうするぞ」
「はい、わかりました」
こうした話をしてだった、そのうえで。
イナゴ達を退治した彼等は一旦港に戻った、そこで応急修理も受けた。
日本は修理の間に本国に戻った、そしてだった。
帝と伊藤との三者会談に入った、まずは伊藤が日本の話を聞いてこう言った。
「わかりました、祖国殿がそう仰るのなら」
「それでいいですね」
「はい」
頷いての返答だった。
「私からは異論はありません」
「では帝は」
「私もです」
帝も微笑んで答える。
「祖国さんの思う通りにして下さい」
「日本帝国軍は海軍だけではありません」
伊藤はこうも言った。
「陸軍、この二つが両輪です」
「このことは我が国の伝統なので」
それでだと、帝も話す。
「私は陸軍を海軍に編入することはしません」
「それでは」
こう話してそうしてだった。日本はすぐにペルーに戻りすぐにだった。
日本は山下達陸軍首脳部のところに来た、妹も一緒だ。
その二人の軍服を見て山下はこう問うた。
「あのその軍服は」
「陸軍の軍服ですが」
それだった、二人は今それを着ているのだ。
そしてその軍服姿で山下に言ったのである。
「次の戦いでは共に陸戦に参加させて頂きます」
「それで宜しいのですか」
「何か不都合が」
日本は確かな顔で山下に返す。
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