転生とらぶる
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魔法先生ネギま!
0376話
「不老不死を夢見た魔法使いの末路、か」
読んでいた日記を閉じて呟く。
不老不死。権力者なら誰もが求める究極の夢と言ってもいいだろう。
と言うか、俺の目的も不死ではなくても不老だから他人事じゃないんだが。
だが、この日記のおかげでここから出る手段を知る事が出来た。そして何より……
「アクセル君、探してるのはこれでいいのかしら?」
千鶴がこの部屋の机の裏に貼り付けるようにして隠されていた50cm程度のケースを持ってくる。
そのケースは隠されてはいたものの、特に封印等をされている様子もなく何の抵抗もなく開ける事が出来た。
……まぁ、あのリッチにしてみれば起動する為の魔力を用意出来ない以上はガラクタ以外の何物でもないからな。それでもいずれはより強大な魔力を手に入れて……とか考えて一応保存しておいたのだろう。もっとも最終的にリッチになって疑似的とは言え不老不死になったんだから時の指輪とやらの意味自体がなくなったんだろうが。
「これが時の指輪か」
何らかの青い石のような物で出来た指輪。その表面は滑らかな手触りだが特に模様が刻まれているとかそういう感じはしない。
「これが不老になる為の指輪なんですの?」
千鶴の見つけた指輪に、あやかや円、美砂、そして何故か茶々丸といった面々も興味深そうに眺めている。
「らしいな。効果を発揮する為には最初に莫大な魔力を必要とするようだが」
「でも、それってアクセル君ならなんとか出来るんでしょう?」
「まぁな。ただ、さすがにこの場で確認する気にはなれない。試すにしても麻帆良に戻ってからだな」
そして何より、今の状態で俺が不老になったりしたらずっと子供のままになってしまうという問題もある。
それは御免だとばかりに、持っていた指輪を元のケースに戻して空間倉庫へと収納する。
「後はここから脱出するだけだが……まぁ、一応念の為だ。何に使えるかは分からないが研究資料とかも頂いていくか」
呟き、壁に沿って並んでいる本や資料、レポートといったものを次々に空間倉庫へと収納していった。
「さて、後はここに用はないな?」
資料なんかの押収も一段落し、そう尋ねる。
あやか、千鶴、円、美砂、茶々丸の5人は俺の質問にそれぞれ頷く。
それを確認してから、ここと外を繋いでいる本棚へと視線を向け。
「スライムッ!」
俺の声と共にスライムの触手が現れ、本棚ごとその後ろにある壁も切り刻む。
多少の埃が舞い上がった後、そこにあったのは上へと続いている階段だった。
「階段って、またアナクロね。魔法世界なんだから転移用の魔法陣とかあってもよさそうなのに」
「美砂、あんたね。フェイト達に強制転移させられたばかりだっていうのに良くそんな事が言えるわね。私は正直階段で安心したわよ」
美砂と円の会話を聞きつつ、一応警戒してスケルトンから奪った剣を空間倉庫から出して手に持ちながら上へと進んで行く。
そして階段を上り続けて5分程で眩しい光が見えてきた。
「ようやく外ですか。全く、強制転移とか何を考えてるんでしょうか」
「ほら、あやか。いじけるのはやめなさい」
そんな声を聞きつつ外に出ると……
「ジャングルですね」
茶々丸のポツリと呟いた声が周囲へと響いた。
そう、俺達の周囲に広がっているのはあからさまにジャングルだった。熱帯とかそういう気候らしく非常にジットリとした暑さを感じさせる。また、周囲に生えている木も恐らくは魔法世界特有の種か何かなのだろう。見た事もないような植物だ。
「死霊の館みたいな所に飛ばされて、次はジャングルとかどんな罰ゲームよ」
茶々丸に続いてボソリと口に出したのは円だ。
まぁ、確かに今日は色々と最悪な1日なのは間違い無い。とは言っても、まさかこのままここでずっと惚けてる訳にもいかないだろう。
「ちょっと待ってろ。上から見てくる」
5人にそう言い、虚空瞬動を使いながら近くに生えている木のうち、一番高い木の頂上近くに着地しする。
「……見渡す限り一面がジャングル……いや、違うな」
木の頂上で周囲を見回していると、小さく、本当に小さくだが街のようなものを発見する。取りあえずあそこまで行ければ後はネギ達とどうにかして連絡を取って、大河内達を探して、麻帆良とも連絡を取って……って流れだな。
木の上から一歩進み出て、重力に従い地上へと落ちていき……着地する瞬間に虚空瞬動を発動して速度を弱める。
「どうでしたか?」
5人を代表して尋ねてきたあやかに小さく頷く。
「幸い街はそんなに遠くない場所に見えた。……とは言ってもかなり離れているが。それでも一応木の上から見える位置にあるんだからなんとかなるだろう」
何しろ遭難した時に一番困る食料や水に関しては、俺の空間倉庫がある為に全く何の心配もないのだ。さすがにテントとかそういうのは入ってないので眠る時にはちょっと苦労するだろうが。まぁ、ジャングルなんだし寒くて震えるという事は無いだろう。……その代わりに虫が多そうだが。
「取りあえず目標は一番近くにある街にしようと思う」
その言葉に全員が頷く。
「ジャングルでどんな獣や魔物がいるのか分からないから、前衛は俺とあやか。中衛は千鶴と美砂。後衛は茶々丸と円で頼む。特に茶々丸は背後からの不意打ちに注意してくれ」
「お任せ下さい」
人なら見逃す可能性も、茶々丸ならその心配も無いだろう。
「千鶴と美砂はダンジョンの時と同じく防御と回復、補助を担当。あやかは俺と一緒に進行方向の確認と脅威の排除だな」
全員が頷いたのを見て、早速ジャングルの中を進み始める。
道無き道、とでも表現するのが正しいだろう。何せ大量の植物が生い茂っており、道なんてものはないのだ。あの迷宮を出てすぐの場所がこうなっているのを考えると、事故か何かでリッチになってしまってからかなりの年月が経っていると見るべきか。日記を読んだ限りだと、生活物資は情報屋が届けていたらしいが……まぁ、普通に考えればリッチ化した男に魔力や体力を根こそぎ魔法陣に吸収されて死んだとかそういうオチなんだろうけどな。パターン的と言うか、話の流れ的にも。
「にしても、剣を持ってきておいて良かったな」
バッサバッサと、腕力に任せて目の前に立ちはだかる植物を叩き切って前へと進んで行く。
人外と言ってもいい俺の腕力だからこそ、剣の一振りで俺とあやかの2人が並んで歩けるだけの幅を伐採出来ている。だが、それでも一振りで進める距離はタカが知れていた。
「あー、いっそのこと円の純炎の涙でバーッと燃やさないか?」
「ちょっと、森林火災とか冗談じゃないわよ。私達も煙に巻かれるじゃない」
「けど、このままだと街に着くまでかなりの時間が掛かるぞ? 俺は構わないが、円達はジャングルで数日間寝泊まりするのに耐えられるか? 当然風呂やシャワーなんかも無いんだが」
さすがにそれは嫌だったのだろう。茶々丸以外の4人は引き攣った顔を見合わせる。
「えーっと、じゃあさ……あっ、そうだ。アクセル君も円も茶々丸さんも空を飛べるんでしょ? それを使って一気に……ってのはどう?」
アイディアを出したのは美砂だったが、意外といいかも? と納得しそうになったが、それに待ったを掛けたのは茶々丸だった。
「申し訳ありませんが、私が飛行可能な時間は15分程度です。それに……」
チラリ、とジャングルの木の隙間から上を見上げる茶々丸。
そこでは巨大な翼を持つ獣が数匹、空を飛んでいるのが見える。
「ご覧の通り、ジャングルの上空を飛んでいくというのは身を遮る物も無いという事になります。そうなると、それだけ戦闘回数が増えてしまいますので」
……待てよ? 上空を見て、ふと思いつく。
「茶々丸、なら俺があの空を飛んでる奴と召喚魔法の契約を結んで、街まで全員が乗っていく……ってのはどうだ?」
「確かに私もその方法を考えましたが、召喚魔法の契約を結ぶ為にアクセルさんを認めさせる。つまりは戦闘をするとなると当然騒がしくなります。そうなるとこのジャングルに潜んでいる魔獣達もそれに反応して行動を活発化させる事になり……」
「結局は戦闘回数が多くなる、か」
コクリ、と茶々丸が俺の言葉に頷く。
「ハイリスク、ハイリターンって訳ね」
茶々丸の言葉に円が返す。
「はぁ、しょうがないな……歩いて行くしかないか」
溜息を吐きながら、歩を進めようとして振り上げた剣へと視線を向けて、先程と同様にふと気が付く。
「そうだよ、別にわざわざ剣で茂みを切っていく必要は無いじゃないか」
「アクセル君?」
横から聞こえてきたあやかの声を聞きながら、スライムを出現させる。
そもそもこのスライムは切れ味抜群であり、切った物は消化・吸収するという能力も持っている。なら……
「行けっ、スライムッ!」
俺の声に従い、街のある方向へと一直線にズザザザザ、とばかりに進んで行くスライム。低い茂みはそのまま吸収し、邪魔になると思われる木に関しては適当に切断して一気に吸収。それを繰り返しながらどんどん道を作っていく。
「凄い……」
あっという間。それこそほんの10秒程度で迷宮から出てここまで進んできた距離よりも長い距離の茂みや木々の伐採を完了した。
「……確かに凄いけど、出来れば最初からこれを思いついて欲しかったわ」
美砂のぼやくような声には誤魔化す事しか出来無かった。
俺に取ってスライムとは基本的に戦闘や偵察に使うという固定概念があったからな。戦場の道を切り開くという意味でならともかく、まさか実際に道を切り開く為に使うというのは全く思いつかなかった。
「ほらほら、皆さんもそう言わないの。アクセル君が気が付いてくれたからこそ、ここからは苦労しないで進めるのですから。それとも美砂さん、アクセル君がこの方法に気が付かずに延々とジャングルの中を進んで行く方が良かったとでも?」
「あー、もう。わかったわよ。確かに私が贅沢でした。アクセル君には感謝してますー」
語尾を伸ばすようなその口調に、ピキリとあやかの額に青筋が浮く。
「ちょっと、美砂さん。貴方本当に感謝してるんですか!?」
「本当ですー。ほら、こーんなに感謝してるわよ」
そう言いつつ、スライムを一端空間倉庫へと戻した俺の背後から抱きついてくる美砂。既にお馴染みになってしまった背中にあたる柔らかい感触には苦笑を浮かべるしかなかった。
「ほら、あやかも美砂も。じゃれあってないで行くわよ。私はさっさと街について汗を流したいんだから」
「円さんの言いたい事も分かりますが、シャワーやお風呂があるとは限らないのではないかと……」
円と茶々丸の話を聞きながら、一直線に街の近くまで繋がっている道を歩き進めて行くのだった。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:715
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
異形化
撃墜数:392
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