異世界からチートな常識人が来るそうですよ(タイトル詐欺)
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第十九話 まで書いて42386文字って、………あれっ?
前書き
お久しぶりです、れキュン? です。割と早めの更新ですが駄文となっております。
それでは、どうぞ。
―――〝サウザンドアイズ"支店。白夜叉の私室。
「というわけで何とかしてくれ」
「何とかしてくれと言ってものう……」
その場にいるのは部屋の主である白夜叉、土下座でで頼んでいる証、そして女性店員。
どうしてこのような状況になっているかというと……、
〝ノーネーム"は南側の収穫祭にフルの日程で行ける二人を決めるためにどれだけの成果を出せるかの競争をしているのだが………、
証は見事に十六夜のとばっちりを食らっているのだ。
「十六夜が目立っているのが解ってたからこの勝負に勝算があると思ったのに、なぜ俺まで巻き添え的に断られるんだ………?」
十六夜は数多くの神霊と戦い、打倒している。そんな参加者をギフトゲームに参加させたら大敗することは解りきっていることなので、十六夜は断られるだろうから―――と思ってこの勝負に挑んだのだが、
「ふむ、まあ仕方のないことではあるのう。何しろ目立ってきたとはいえ、まだまだメンバーについては詳しく知られてないようだの。だがコミュニティの勝負に儂を頼るなよ………」
………十六夜と勘違いされ、参加を断られている。
「くそぉ! 俺はあいつみたいなチートじゃないっていうのに………!」
「嘘つけ。で、だ。お主に頼みがある」
「え?」
白夜叉は姿勢を正し、元・魔王の顔で話を持ちかける。
「お主の技量を頼んで話す。決して他言は無用だ。〝ノーネーム"にもな」
「へぇ? それは一体?」
久しぶりに面白い事かと獰猛に嗤う。同志にも秘密の頼みとは、白夜叉はずぃと身を乗り出し証に依頼内容を話した―――――
▽
―――〝サウザンドアイズ"支店。客室。
そこでは二人の男女が乱痴騒ぎをしていた。
「は、放しなさい!! どうしてこんな服を着なければならないっていうの!?」
「そりゃあもちろん白夜叉の頼みだし。仕方ないよ」
「どうして白夜叉の頼みでワタシがこんな服を着なければいけないのかと聞いているのよ!!!」
叫んだ少女は黒い風を証に叩きつけようとするが証は適当に笑いながら躱す。そのせいで客室の調度品が粉々に砕け散った。
「ペスト。流石に〝サウザンドアイズ"の店の中で暴れるのはやめようよ」
「黙りなさい! この変態!!」
ふりふりのレースの付いたワンサイズ小さいミニスカの着物を着せられたペストは顔を真っ赤にして証を睨みつけている。この世界から魂ごと消え去ったはずのペストが隷属の召喚式から蘇ったときは流石の証も驚いた。ここまで箱庭の制約が強固なものだとは思っていなかったのだ。
(しかし、ノーネームの皆にも秘密とはこういう意味だったか)
黒い風を躱しながら納得する。魔王戦の報酬はペストの隷属らしい、南の収穫祭で渡す予定のため、ノーネームには秘密にしてサプライズしようという計画らしい。
そして証にはペストに着せる服のコーディネイトをしてほしいと白夜叉が依頼したのであった。
「ほら白夜叉の同志さんにも参考にしてもらうためにカメラまであるよ。可愛いから是非撮ろう。………黒ウサギの方が似合いそうだな」
「死になさい!!?」
絶叫して出鱈目に黒い風を放つが、『心眼』持ちの証にあたる筈がない。
なにしろ先日、十六夜が『手が滑った!』と後ろからわざと投げてきた第三宇宙速度で飛んでくる石っころを『危な!?』と叫びながら振り向かないで真っ二つにするほどの剣技を見せるほどだ。その二次災害で廃墟の家が二つほど消し飛んだが。
全方向からくる何かを全て知覚することが出来るので、いい加減な狙いで放つ黒い風に当たる理由はどこにもなかった。
ハアハアと息を切らせながら肩で息をするペスト。その様子を端の方で眺めていた白夜叉は笑いながら、
「ふむ、証のデザインして作った服も中々良いが次は儂のデザインしたこの服を着させるぞ! 証!!」
「おうよ!」
「ヤメテ――――――――――――――!!!???」
ノリノリの白夜叉と便乗する証、泣き叫んで逃げ回るペスト。その様子を見て女性店員は頭を抱えていた。
▽
暫くして店の用事で白夜叉が離れたため、証も今は大人しくしている。ぐったりと倒れたペストはレティシアの着ているノーネームのメイド服を着ている。
「ふう、久しぶりに楽しかったが結局問題は解決してないよな………?」
呟いて肩を回す。呼吸を整えた後、ペストの方に向き直る。
「で、話があるんだろ?」
「………ええ、」
姿勢を整えたペストは憤怒の形相で睨む。太陽の星霊がいない今しかこの話は出来ない。
「………貴方の話は本当なのかしら?」
「ああ、俺が殺した奴らだ」
刹那、黒い風が証を取り囲む。しかし全く動ぜずに斬り払われる。ペストは立ち上がって追撃を入れようとするが、剣の切っ先を突き付けられ動きを止める。―――話とは証の抱えている悪霊群は証の殺した人間であるのかという話である。
「貴方、呪われたいのかしら。八千万の悪霊群から。それだけの罪を犯しながら」
「罪………か。まあそうかな」
「え?」
自嘲するような声音でつぶやく証を不思議そうに見つめる。しかし、尋ねる前に妨害が入った。
「おんしら! 話は終わったかの―――――!!」
「ちょ、危な………あ」
飛び込んできた白夜叉を裏拳ではねのける。その為白夜叉はボロボロの調度品に突っ込む羽目になった。
「グボハァ!? ええい! 十六夜といいおぬしといい星霊を何だと思っておる!」
「何とも?」
「おおい!?」
「そんなことより、なにか用があるんだろ?」
「そんなことではないが………、うむ。おんしに頼みたいことがある。今回の収穫祭にも関係あるの」
「ふうん?」
勝負の最中の収穫祭に関係があるとは、身を乗り出して聞く姿勢に入る。
「おぬしに対する依頼はだな―――――………
「え?」
証は珍しく困惑して悩むが、結局、その依頼を受けた。
後書き
『心眼』
FATE/の心眼(真)、心眼(偽)、直観、鷹の目。と幻覚系全般無効、五感及び反射神経強化、予測射撃強化などなど。
どうでしたか? ぶっちゃけ『心眼』が証の中で二番目にチートです。
今回はペスト弄りと余りネタの少ない話がメインです。………もう少し面白く話が書けるようになったらいいなぁ。
まだ、三巻のメインの話には行かないというかここで一番原作に則って書かないオリジナル小説を書いておきたいので………。
次回は対軍に優れた証のギフトを見せられたらと思います。
感想を頂ければ幸いです。
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