転生とらぶる
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魔法先生ネギま!
0369話
目の前に立っているフェイト。そしてその後ろには同じようなローブを着た2人に、小太刀を2本持っている者が1人。
フェイトと小太刀の2刀流。この2つが組み合わさったのなら、それが誰かは容易に想像がついた。恐らく月詠で間違い無いだろう。京都で捕まったという報告が無いと思っていたら、どうやらフェイトに匿われていたらしい。
「……アクセル・アルマー。やはり僕達の存在に気が付いたのは君だったようだね。僕の挨拶は気に入って貰えたかな?」
「随分と物騒な挨拶だな。……それで、何の用があってここまで俺達を追って来たんだ? まさかまた近衛やネギの魔力が狙いか?」
「いや、残念ながら違うよ。君達とのニアミスは本当に偶然さ。僕達の目的はあくまでもここ……ゲートなんだからね」
「……何?」
「言っておくけど、現在ここは外界とは完全に隔離されている。だからいくら応援を待っても無駄だよ。そしてここにいる存在も……」
フェイトの言葉が切れた途端、ローブを着ている者の片方から広範囲の雷魔法が放たれる。
「ちぃっ!」
「あぁ、君は気にしなくていい」
咄嗟にスライムで雷を防ごうとした俺を止めたのは、そんなフェイトの一言だった。
「君は非常に興味深い存在だからね。少しの間だけどどれくらい腕を上げたのか確かめさせて貰うよ。それにネギ君や君の仲間に関しても……ね」
そんなフェイトの言葉は真実だったのだろう。放たれた雷は俺やネギ以外のゲートの警備員達へと襲い掛かり、その殆どを無力化する。
「さて。これで舞台は整った。刻限までは後少し。京都での借りを返させて貰うよ」
「……一応言っておくが、俺は魔法発動体を持っていないんだが? どうせ戦うのなら本気の俺との方がいいんじゃないか?」
「君が魔法発動体が無い程度で無力になるとは思えないけど……ねっ!」
そう呟きざまに瞬動を使い、俺の懐へと潜り込み顔へと狙って拳を振り上げる。
「加速っ」
その一撃が振るわれる前に精神コマンドの加速を使用し、フェイトの間合いから抜け出して距離を取る。
そしてフェイトはそんな俺をいつもの無表情で……いや、口元に僅かな笑みを浮かべて視線を送っていた。
「ほらね。魔法発動体が無いのに身体強化魔法を使ってるじゃないか」
「さて、どうだろうな。もしかして魔法発動体を隠し持ってるのかもしれないぞ?」
意味あり気な笑みを浮かべ、懐へと手を入れて空間倉庫から初心者用の杖を取り出す。
その際に周囲を確認してみたのだが、月詠と思われる相手には小太郎が。ローブの人物のうち1人には長瀬と桜咲がそれぞれ攻撃を仕掛けていた。その分け方は上手いと言えるだろう。小太郎は元々素手で戦うタイプだし、狗神という武器もある。それに対して長瀬と桜咲はもちろん素手でもある程度の戦闘能力があるが、基本的には武器を持って戦うタイプだ。そしてその武器が手元にない以上は2人掛かりで攻めるというのが現時点ではベストだろう。
ネギに関しては、明石達を守る為に俺と同じく子供用の杖を持ちながらもその場から動く事が出来ずにいる。素手という事で、茶々丸か古菲辺りが援軍に駆け付けてくれれば戦力的にも安心なんだが……いや、待て。ローブのもう片方はどこに行った?
「やれやれ。僕を相手によそ見とは随分と余裕だね」
ちぃっ、とにかく今は俺達の力でこの場を切り抜ける事を考えるべきだ。
「いや、何でもない……よ! 『3の影槍』」
言葉に混ぜて初心者用の杖を使い、なるべく魔力を込めないようにして影槍を発動する。俺の影から伸びた3本の影槍が、それぞれ複雑な軌道を描きながらフェイトへとその先端を突き立てるべく向かうが……
「まぁ、初心者用の杖じゃ君のその馬鹿みたいに大きな魔力を十分に使いこなせないと思っていたけどね」
そう、初心者用の杖は所詮初心者用の杖でしかない。俺が本気で魔法を使おうと思ったら、放てて1発だろう。それだけでこの杖は破壊される。
つまり、この杖で放たれた魔法はいつも俺が使ってる魔法よりも数段威力が低いのだ。よって……
「くそっ!」
自分に向かって来た魔法を手で払いのける。それだけで、影槍は砕かれ影精は空中に散っていく。
それを見て思わず吐き捨てるが、次の瞬間にはフェイトが懐へと踏み込んでこちらの喉を狙って拳を……させるかっ!
放たれる寸前のフェイトの右拳を、左手で受け止める。そのまま半ば力比べの様相を呈するかと思いきや、あっさりと拳を引いて距離を取る。
「京都で君の馬鹿げた身体能力は散々見せて貰ったからね。そう何度も同じ手は食わないよ」
そう言いながら、何かを掬い上げるように手を下から上に動かすフェイト。その仕草に嫌な予感を覚え、咄嗟に瞬動で後方へと距離を取る。
その判断が正解であった事は次の瞬間に証明された。床から槍のように数本の鋭い岩が突きだして一瞬前まで俺が存在していた空間を貫いたのだ。
そしてその一撃を目眩ましに、地面から突きだした鋭い岩を左右に迂回するようにしてこちらへと放たれた無数の石の槍。
初心者用の杖で使う魔法では対抗仕切れない。そう判断した俺は杖左手に持ち替え、脳裏に浮かんだ空間倉庫のリストからサブマシンガンを選択する。
同時に、射線の先に一般人がいないのを確認。その弾をバラまく。
ダダダダダダダダダダダ! というけたたましい音と共に大量の弾丸が発射され、俺へと向かっている石の槍のことごとくを破壊する。
放たれた石の槍の全てを破壊し、周囲の状況を素早く確認した俺の目に入ってきたのは、ローブの人物に黒い球へと封印されたらしい長瀬と、どんな手段を使われたのかは分からないが床へと倒れこんで文字通りに眠らされている小太郎の姿だった。そして残された桜咲が必死にローブの相手とやり合い、月詠と思われる存在はそれを興味深い様子で観察している。
「おや、どうやらあっちもそろそろ決着が付きそうだね。君の仲間としてはちょっと物足りないけど……」
「……さて、それはどうだろうな」
口ではそう言ったものの、どうする? スライムや異形化を使えばこの場を凌ぐのはそう難しくはない。だが、この世界のイレギュラーである俺の力を人目も多くあるこの場で使うというのは色々と拙いというのも事実。
そんな風に悩んでいた時だった、その声が聞こえたのは。
「アクセルッ! これを!」
神楽坂のその声と共に飛んできたのは、腕輪。そう、俺の魔法発動体だ。
「良くやった!」
そう声を掛けて腕輪を右腕に嵌めつつ声のした方へと視線を向けると、そこには俺とネギが受け取った武器が封印されている入れ物が神楽坂に破壊されている所だった。
封印魔法。魔法無効化能力。その2つの単語が頭の中で繋がり、何が起きたのかを理解する。
「さて……ここからが本番だ」
武器の封印が解けた以上は、こっちの戦力も充実するという事だ。
そしてさらに追い風となるべく、外の様子を眺めに行っていた面々も戻ってきている。
その中にいる1人。守りに関しては絶対的な信頼を置いている人物へと声を掛ける。
「千鶴、明石達の防御を任せる!」
「分かったわ」
「ネギ、お前も参戦だ」
「うん!」
視界の端で、虹色領域の腕輪を使って赤い領域で明石達4人を包み込むのを見ながら初心者用の杖とサブマシンガンを空間倉庫へと収納。同時に呪文を詠唱する。
『アリアンロッド ものみな焼き尽くす浄化の炎、破壊の主にして再生の徴よ、我が手に宿りて敵を喰らえ……紅き焔!』
あのエヴァにさえ規格外の馬鹿魔力と呼ばれた俺のSP。それを大量に注ぎ込みつつ唱えられた魔法は、小型の太陽とも言える熱量を放ちながら捨て台詞さえ口に出させる事なくフェイトを一瞬で燃やし尽くし……何っ!?
その瞬間、フェイトの形をしたそれは水へと変わって蒸発していく。同時に少し離れた場所に再びフェイトの姿が現れる。
くそっ、修学旅行の時と同じ手口か。だが、いつの間に入れ替わった? 俺と戦っていたのは間違い無く本物でフェイトであり、水の分身では有り得なかった。
だが、それでも。例えフェイトが俺の攻撃から逃れたとしても、形成が逆転したのは事実だ。桜咲はいつもの大太刀を手に、陰陽術と神鳴流のどちらかを使ったのかは不明だが床に転がっていた黒い球の封印を解除して長瀬も戦闘に復帰している。そして月詠に関しては、小太郎と古菲が相手をしている。
待て。さっきも気になった残り1人はどこにいった!?
素早く周囲を見回し……いた! ここの柱へと手を触れて……ここを破壊する気か!?
俺の視線を辿り、自分達の狙いが知られたと察したのだろう。薄く笑みを浮かべたフェイトが口を開く。
「気が付いたようだね。けど、もう遅い。これは置き土産だよ」
そうして放たれた魔法。それは漆黒の巨大な柱が降り注ぐものだった。その柱は多数降り注ぎ、あらゆる物を押し潰す。
「千鶴!」
「分かってるわ。皆、こっちに集まって!」
千鶴の言葉に周囲にいた面々が千鶴の赤の領域の中へと次々に入っていく。さすがにあの人数を1m程度の領域に入れるのは無理があったのか、3m程度にまで領域を広げてはいるが、それでもギリギリだ。
そうこうしているうちに、その領域へと降り注ぐ柱。
それを破壊すべく1歩踏み出した俺だったが、それよりも前に領域の中から飛び出してきた人物がいた。
「ネギ、アクセル、こっちは任せて。それよりもあんた達はあいつ等を!」
アーティファクトの剣を振りかぶり、直径5mはあろうかという柱へと振り下ろす。普通に考えれば全く無意味な攻撃でしかないその一撃も、神楽坂が行ったとなると話は別だ。神楽坂だけが持っている魔法無効化能力。そのスキルが降り注ぐ巨大な柱をまるで幻だったかのように消し去ったのだ。
よし、神楽坂がいればあの一画の安全は確保されたも同然だ。
周囲の様子を素早く確認すると、ネギや小太郎、長瀬、桜咲、茶々丸といった面々もまた降り注ぐ柱を迎撃している。俺の従者達に関して言えば、美砂がセイレーンの瞳の効果を使って味方の魔法攻撃力を高める歌を歌い、それに後押しされた形で威力の増した魔法の矢をあやかが放ち、円は純炎の涙で生み出した炎を使ってそれぞれ降り注ぐ柱を攻撃と、3人で1つの柱に集中攻撃をして何とか破壊している。
ざっと見た感じではこっちの味方はまず大丈夫。となると、残る問題はフェイトのみだ。
先程までフェイト達がいた場所へと視線を向けると、そこにはすでにフェイト達の姿は無い。今のドサクサに紛れて姿を隠したのだろう。
魔力を練り上げながら、フェイト達の姿を探す……探す……探す……いた!
先程小柄な方のローブがいた場所にフェイトの一味が全員集まって何かの準備をしている。それを確認した俺は、これ以上事態が悪くならないうちにと降り注ぐ柱や崩壊した建物の瓦礫を回避しつつ距離を縮めていく。
そして距離を縮めた俺の耳に届いてきたのは……
「彼等にもゲートを。強制転移でバラバラに世界の果てへ」
くそっ、こっちの戦力を一端分散させる気か!?
「加速」
瞬動の速度だけでは強制転移の妨害を出来ないと判断し、精神コマンドの加速を使用。よりその速度を上げてフェイト達へと迫る。
だが……
「ここから先は行かせる訳にはいかない」
俺の目の前に、長瀬と戦っていた大きい方のローブが立ちはだかった。その声と身長から言って男だろう。
だが、今はこいつに構ってる暇は無い!
「はぁっ!」
瞬動と加速により速度の乗った拳をローブの男の顔へと叩き付け……
ギィンッ!
る事も出来ずに、フェイトと同じように積層型の魔法陣とでも呼べる魔法障壁が生み出されて俺の拳を弾く。
その反動で吹き飛ばされ、強制的にローブの男との距離を開けられてしまう。
くそっ、時間がないのに。……しょうがない。これは対フェイトに既に使ってしまっているものだ。だが、これを防ぐ事は出来無いだろうという確信もある。しかしそれでも、切り札というのは敵に見せれば見せただけ対応する方法を練られるのだ。
だが、そんな事を考えていられる状況ではないというのも事実。故に。
「加速」
再度の加速を使い、地を蹴る。同時にローブの男の影から何かが飛び出てこちらへと迫る! こいつも影使いか!?
「集中」
精神コマンドの集中を使い、襲い掛かってくるローブの男の攻撃を紙一重で回避していく。しかし、これは影……では無い? 紙一重で回避した黒い存在をチラリと見て違和感を覚える。そこには影精の気配は無く、つまりこの攻撃は操影術ではないのだろう。
そんな風に一瞬で思考を働かせながらも、ローブの男との距離を縮め……
「直撃」
精神コマンドの直撃を使用。加速の勢いを乗せたまま拳を繰り出し……魔法障壁をぶち破る! そのままの勢いでローブの男の腹へと拳……ではなく、右手を掌底にして鳩尾へと叩き込む! 同時に、そのまま掌底の状態から指を伸ばして殴りつけた腹の周辺の肉を鷲掴み……毟り取る!
「ぐっ!」
呻くローブの男だったが、鳩尾周辺の肉を毟り取られた割には血の一滴すら零れていない。そして毟り取った肉にも違和感が。いや、これは……
握っていた肉片を地面へと投げ捨てながら口を開く。
「そうか、お前……フェイトと同じ存在だな」
「さて、それはどうかな。それよりも時間切れだよ。……また、ね」
ローブの男の代わりにフェイトが応え、その言葉と同時に周辺一帯に眩いまでの光が広がり……俺達は転移空間へと巻き込まれるのだった。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:655
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
異形化
撃墜数:380
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