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FAIRY TAIL 友と恋の奇跡

作者:紺碧の海
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第106話 リョウと『銀覇剣』

 
前書き
はいはいはいはぁ~い!!07で~す!!
今回はリョウと聖剣(エクスカリバー)『銀覇剣』との出会いのお話です。
リョウ目線で書いていきます。
それでは、第106話・・・スタート!!! 

 
フレイが無事にエドラスから帰って来た。マヤもめちゃくちゃ元気を取り戻したみたいだ。ナツとハッピーも嬉しそうだ。にしてもフレイのやつ、どうやってエドラスに行ったんだ?そんな事を考えながら、俺は軽く水で湿らせた白い布で、聖剣(エクスカリバー)を磨いていた。

ル「リョウ、何してるの?」

リョ「聖剣を磨いてるんだ。時々手入れしないと、すぐに切れ味が悪くなるからな。」

月に1回は必ずこうやって手入れを欠かさずやっている。聖剣がないと、戦えないからな。

ル「私も手伝うわ。」

リョ「んじゃ、ルーシィは『天力剣』を磨いてくれ。俺は『銀覇剣』を磨くから。」

ル「分かったわ。」

ルーシィは軽く水で濡らした白い布を取ると、丁寧に『天力剣』を磨き始めた。俺も『銀覇剣』を磨く。ルーシィからもらった『嵐真剣』は、すでに磨き終えていた。

ル「ところでリョウ・・・」

ルーシィが、視線だけを俺に向けて、手を止めずに俺の方を向くと、

ル「リョウはどうして聖剣が使えるの?かなり珍しい魔法なんでしょ?」

不思議そうな顔をして聞いてきた。俺は手を止めてしばらく『銀覇剣』を見つめていた。が、『銀覇剣』を持って、窓から射し込む太陽の光にかざす。『銀覇剣』の刃が銀色に光り輝く。

リョ「さぁ、何でだろうな?」

ル「自分で分からないのよ・・・」

俺が聖剣を手に入れたのは6歳の頃だから、もう12年も前の事だ。そんな昔の事は俺は全く覚えてねぇな。でも、

リョ「『銀覇剣』に、命を救われて、俺の事を認めてくれたから、かな?」

ル「『銀覇剣』って、リョウが一番最初に契約した、7本ある聖剣のうちの7番目の剣でしょ?そ
の剣に命を救われたの?」

簡単に言えばそういう事だ。

リョ「あれは確か・・・母さんが死んで1年後、俺が6歳で、まだ魔道士にもなっていなかった頃だ。」

俺は12年前の事を思い出しながら、ルーシィに『銀覇剣』との出会いの話をした。

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マグノリアから遠く離れた国のとある山奥を、まだ魔法も習得していない魔道士の卵の俺は、自分の体よりも大きく膨らんだ緑色のリュックサックを背負って歩いていた。母さんが死んで1年が経った。俺は母さんとの約束を果たすため1人で修行の旅をしていた。

幼リョ「はぁ・・・どうやったら魔法を覚えれるんだ?」

俺は能力系(アビリティ系)の魔法を覚えたいと思っていた。えっ?何でかって?所持系(ホルダー系)の魔法より、能力系の魔法のほうが強いと思ったからだ。

幼リョ「やっぱり男は力があった方が強いよな。絶対に能力系の魔法がいいに決まってる!!」

そんな事を言いながら、川沿いを歩いていると、ズルッ!!

リョ「げっ!?」

足を滑らせて、俺は川に落ちた。ババッシャァァァン!!と音を立てて水しぶきが上がる。思った以上に川は深くて、6歳の俺は川の底に足が着かなかった。しかも、川の流れがめちゃくちゃ速い。俺はそのままどんどん流されていった。恥ずかしい事に、この時の俺はまだ泳げなかった。

幼リョ「ぶはぁっ!!」

必死に水面から顔を出して、助けを呼ぼうとする。

幼リョ「だ、誰ブクブクブク・・・ぶはっ!た、助けゴボゴボゴボ・・・」

重たいリュックサックのせいで、すぐに水中に引き戻されるため、思うように助けを呼ぶ事が出来ない。その時、ザザザザザザザザザザッ!!

幼リョ「!!?」

ものすごく水を強く打つ音が聞こえた。音のした方に視線を移動させると、滝だっ!!このままじゃ・・・!!必死に陸地に戻ろうとしても、体はどんどん流されていく。もう、ダメだ・・・!俺の体は宙に投げ飛ばされた。俺はそのまま意識を失った・・・

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幼リョ「・・・・・ん・・・?」

いったい、どれくらい時間が経ったんだ?目を覚ました俺の目に一番最初に飛び込んできたのは星が輝き光る夜空だった。俺、夜まで寝ちゃってたのかよっ!?慌てて飛び起きると、

幼リョ「ぬぉっ!!?」

目が飛び出そうになった。俺の服装は、緑色のTシャツから白い布を1枚羽織っているだけの状態だった!!いったいどうなってんだよ!?混乱していると、パチパチパチと赤い炎が俺の目の前で揺らめいていた。

幼リョ「焚き火・・・?」

その焚き火の傍で俺の緑色のTシャツが乾かされていた。どうやら俺は、誰かに助けられ、服を着替えさせてもらったみたいだ。でも、いったい誰が?すると、

?「あ、気がついた。」

幼リョ「!!?」

驚いて振り向くと、俺の背後に銀色の長髪をなびかせ、空色のフリルの付いた服を着た俺より遥かに年上の女がいた。こいつ、魔力が感じる・・・!魔道士か?女の手にはおいしそうな果物が抱えられていた。

?「お腹、空いたでしょ?」

女の声が合図のように、グゥ~~~~~と俺の腹の虫が鳴いた。俺は恥ずかしくて顔を赤らめた。女は俺に果物を差し出す。俺は受け取ると、すごい勢いで食べ始めた。うまいっ!!俺は果物を食べながら、

幼リョ「あの、助けてくれてありがとう。俺はリョウ。よろしくな。」

守「よろしく。私の事は・・・守護剣士とでも呼んで。」

守護剣士?何だそれ?

守「リョウは、聖剣とゆう世界に7本ある剣の事を知っているかしら?」

幼リョ「聖剣?知らないな。」

守「守護剣士は、その7本の聖剣を守る聖霊なの。」

へぇ~・・・って、それじゃあこの人も・・・!

シ「そっ、私は聖剣の1つ、『銀覇剣』の守護剣士、シルバーよ。」

俺は聖剣とゆう言葉に心を奪われた。俺とシルバーは焚き火を間に挟んで話しを続けた。

幼リョ「なぁ、聖剣ってどんな物なんだ?」

シ「聖剣は、ある特定の魔道士じゃないと使用できないとても珍しい所持系の魔法なのよ。」

魔法なのか!!俺はシルバーに土下座する。

シ「えぇっ!?ど、どうしたのっ!?」

幼リョ「俺を、その聖剣とゆう魔法を使わせて下さい。お願いしますっ!!」

珍しい魔法なんだ。めちゃくちゃ強い魔法に決まっている。所持系の魔法だけど、俺はどうしても習得したかった。

シ「・・・この魔法を使用するためには、3つのルールを守ってもらうの。」

俺は顔を上げる。シルバーは右手の人差し指だけを立てると、

シ「1つ、聖剣を使用する者は、必ず自分の血を付けて、聖剣と契約をする事。」

自分の血を付けるのかっ!?残酷な契約の仕方だな・・・でも、この魔法を覚えるためには仕方がねぇか!!今度は中指を立てると、

シ「2つ、聖剣を大切に扱う事。」

そんなの常識だっ!!薬指を立てると、

シ「3つ、聖剣には1本ずつ強さが違う。私が守っている聖剣は、7本あるうちの中で一番弱い聖剣だけど、使う者の魔力に応じれば、一番強い聖剣にもなれるの。」

じゃあ、俺がもっと強くなれば、シルバーが守っている聖剣はめちゃくちゃ強くなれるって事なんだな。

シ「世界にはもっと強い聖剣がある。聖剣で、人を殺める事だって出来るの。」

俺はシルバーの言葉に息をのむ。

シ「だから、聖剣は悪意には絶対に使ってはならないっ!!この3つのルールをあなたは守る事が出来るかしら?」

俺は立ち上がり、胸を張ると、

幼リョ「ルールを守って使えばいいんだろう?そんなの簡単だっ!!俺は世界一になるために強くなりたいんだっ!!その為なら、血を付けようが何だろうが、聖剣と契約したいんだっ!!!」

俺はシルバーの茶色がかった瞳を真っ直ぐ見つめる。シルバーは小さく微笑むと、

シ「分かったわ。あなたを信じるわ。契約をしましょう。」

幼リョ「本当かっ!?ヤッターーーーー!!!」

俺が歓声の声を上げていると、シルバーが光に包まれて、どんどん姿を変える。光が消えると、そこにはシルバーの姿は無く、変わりに1本の剣が落ちていた。

幼リョ「もしかして、これが・・・!」

俺は剣を拾い上げる。すると、

シ『そう、この剣が、私が守っている聖剣、『銀覇剣』よ。』

頭の中でシルバーの声が聞こえた。

シ『さぁ、あなたの血を付けなさい。この聖剣と契約したいんでしょ?』

幼リョ「う、うん・・・」

やっぱり、いざとなったら恐ろしい。俺はゆっくり自分の左腕に『銀覇剣』の刃先を向ける。月光に反射して、『銀覇剣』が銀色に光り輝く。

シ『大丈夫。ほんの1滴付ければいいだけよ。』

1滴で、いいんだな・・・?俺は勇気を出して、『銀覇剣』の刃先を軽く左腕に刺した。

幼リョ「っ!」

やっぱり、痛みは少しだけ感じる。銀色の刃先に、少しだけ俺の鮮血が付着している。

シ『契約完了よ。頑張ったわね。』

幼リョ「お、おぉ・・・」

俺は痛みを堪えて、羽織っていた白い布を少し裂いて、腕に巻きつける。

シ『リョウ、あなたはこれからもっと強くなるはずよ。強くなる為には、聖剣1本じゃとても無理。世界中に散らばっている後6本の聖剣を集めるといいわ。残りの6本も、私と同じ守護剣士がいるわ。同じように、残りの聖剣と契約する時も自分の血を付けてね。それじゃあ。』

シルバーの声が聞こえなくなった。俺は地面に寝そべると、契約したばかりの『銀覇剣』を月光に照らす。

幼リョ「これからよろしくな、『銀覇剣』」

返事をするように、『銀覇剣』は銀色に光り輝いた。

****************************************************************************************

リョ「それから俺は『銀覇剣』と一緒に旅をして、8年前に『天力剣』と契約して、つい最近『嵐真剣』と契約をしたんだ。」

あれからどの聖剣の守護剣士の声も聞いた事も無いし、見た事も無い。でも、聖剣のおかげで、俺は強くなったし、聖十大魔道の1人にもなれたんだ。磨き終えた『銀覇剣』を太陽の光にかざす。銀色に光り輝く。

リョ「これからも、俺は聖剣と共に戦って、もっと強くなるんだっ!!そして、いつか7本の聖剣を全部集めたいと思っている。」

すると、ルーシィが俺の手に優しく手を重ねてきた。

リョ「ルーシィ?」

ル「リョウならきっと出来るわ。」

俺の決意にルーシィは優しく微笑んでくれた。

リョ「ありがとう、ルー・・・!!!??」

お礼を言おうとしたけど言えなかった。ルーシィが、俺にキスしたからだ///////////////俺とルーシィの顔は、少し赤みを帯びていた。

ル「わ、私からは、まだだった、よね/////////////」

案の定、ギルドのみんなは誰も見ていなかったようだ。

ル「あぁ、これ!『天力剣』磨いといたから!そ、それじゃあ!!」

ルーシィは俺に『天力剣』を渡すと、顔を赤くしたままギルドを飛び出していった。俺は受け取った『天力剣』を見る。いつもより輝きが増していた。 
 

 
後書き
第106話終了~!!
聖剣にはそれぞれ守護剣士とゆう聖霊がいるんですよ。契約者を優しく見守っています。
次回はちょっと不思議なお話。
お楽しみに~!! 
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