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ロザリオとバンパイア〜Another story〜

作者:じーくw
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第19話 再開 果された約束




























3人 side




それは本当に突然だった。

アカーシャは、戸惑いを隠せない。

呼びに来た時から、妙に2人とも笑顔なんだ……。

その表情から、何か企んでる?って思った…。

だからこそ、アカーシャは2人に再び聞く。

「ねぇ? いったい誰が来たの?モカ〜 亞愛〜??」

アカーシャが聞くんだけど……。


「いいからいいから!」

「是是♪ それはあってのお楽しみだよ。アカーシャさん!」


笑顔でそう返ってくるだけだった。








そして…モカと亞愛に連れられて アカーシャは戸惑いながらも一階の客間の傍まで来た。

そして、その部屋の前に来た時だ。


「……あ!! モカぁ〜〜 そういえば、ちょっと用事があったよね??」


亞愛は、手をポンっと合わせると、モカの方を向く。


「?」


だけど…モカは……あったかな??って感じだった。

亞愛の意図に感づかなかった……。


「え? 用z……もがっ「いいからいいから!(2人にさせてあげようよ♪)」ッッ!(ねっ姉さん!息!息が!)」


亞愛は、意図をわかってなかったモカを連れた。口を塞いで物凄く早く……。

まあ、半ば強制的に 亞愛はモカを連れて かなりのスピードでそこを離れた。

その場所に、残されたのは、アカーシャただ一人だった。







3人side out





モカ・亜愛 side






亞愛は、モカを抱えながら走る……。

「ね?ね?? モカ!ここはやっぱし 2人きりにさせてあげようよ!その方が絶対良いって。」

ニコやかにそう説明。

密室での男と女の密会……、それも良いかも♪って思ってる。

お父様の事も知っているみたいだから、会うのは問題ないって思うし。

だが、亞愛もその場で隠れてみてみたい!っとも思ってた。

でも……。

(それに、隠れてみててもあの人にはバレちゃうと思うし。)

だからこそ、半ば強制的にモカを連れ出した。

そして、返事の無いモカ。

ちらりと見てみると……。


「きゅう〜………」


モカは息が出来なかった為 酸欠で目を回しながら、気絶していた。



「って!!モカ??モカ??? きゃーゴメンモカ!!しっかり!!!」



亞愛は慌てて、モカを離した!!





……モカが目を覚ましたのは それからしばらく立ってからだった。





モカ・亜愛 side out











アカーシャ side




ポツン……と残されたアカーシャ。

「ふぅ いったい何かしら?」

亞愛の行動がおかしいのでちょっと不安になった。

2人が仲が良いのは嬉しい事なのだけれど今は気になる。


「まあ 会えば分かるかな……。」


彼女は、その時は軽い気持ちだった…。

いつも通りの家の扉。

全てがいつも通りだって思ってた。

でも……なんだろう?

扉に手をかけた時……、身体に何かが走ったんだ。



そして、アカーシャは、客室の扉を開けた。









アカーシャ side out
















誰かが外にいるのか……

それは、すぐに分かった。

懐かしい感じがしたのもあるが……

何より、騒がしかったからだ。

(……亞愛ちゃん…はは…ありがとう。)

ジャックは、そう思っていた…。

気を使ってくれたんだろうと。

……亞愛の思惑はちょっと違うんだけれど。 苦笑







そして、扉が開く……。






見えた……それは、光に包まれた…。

1人の女性の姿……。

いつまでも変わらないその美しい姿……。

鮮やかな桃色の長い髪、赤い瞳。

全てが懐かしい……。






『 ………アカーシャ。 久しぶり………だな。』


「えっ……………………………?」






アカーシャは目の前の光景が信じられなかった。

本当に軽い気持ちで…扉を開けたんだ。

手にかけた時、何かが身体に突き抜けた感じがあった。

それは気になっていたんだけれど。

それ以上のことが目の前で起きてた。

その中は…まるで、違う世界のよう……。



目の前にいる存在が……信じられなかった……。



(だって、だって……、あの大戦から もう200年……だよ? ……もう死……んでいるんだって…… 会えないんだって…… ……あきらめかけて……いたのに……)



アカーシャの視界が徐々にぼやける……。

感情が、上手くコントロールできない……。

ジャックはそんなアカーシャを見て…

『……ははっ。……酷いなぁ。 ……死んだなんてさ。 ……ちゃんと約束したろ?今度は破らないって…必ず ≪また 会える≫って…… あっ……先に君の子どもたちにあったから順番逆になったけどな……。』

ジャックはアカーシャの側にまで近づく。

アカーシャは目を見開かせた。

その時、涙も一緒に流れ出ていた……。



(あ……。こ…この考えをあっさり読んで聞かせる感じ…… ……この 温かい感じ……ほ…本当に……?)


「ほ 本物………??」



アカーシャは、 真っ白になりかけた頭で語りかけた。

どうやら、上手く言葉が出たようだ。



『ああ 勿論…本物だ……本物だよ。 ………随分と待たせてしまった。 ……アカーシャ…ただいま。』


その言葉が合図だった……。



「……ジャックっ!!」



アカーシャは弾けたように動いた。





“ギュッ………”





アカーシャは飛び出し、抱きしめた。

その存在が…… この温もりが……その全てが嘘じゃないと確かめるように。


「……遅い、遅いよ……。あれから…… いったい何年……、 何年たったと思ってるのよっ!」


アカーシャは、顔をジャックの胸にうずめて……涙を流した。

そんなアカーシャの頭をなでると……。

『ん……196年かな?』

ジャックは…笑いながら答えた。

「ッ!…………ばかぁ!!遅すぎだよっっ!!」

しばらく アカーシャは泣き続けた。

こんなに……涙したのは初めての事だった……。

いや、≪あの時≫以来か……。




『ありがとう……アカーシャ…… 会えて……本当に良かった……』




そしてジャックも目に涙を溜めていた。


今の2人の顔、それは200年分の幸福で満ちていた……。
















再開して……

あっという間に数時間。

アカーシャは……これまであった出来事、家族が増えたこと、様々なことを。

彼にジャックに話していた。

そして モカのこと 娘達の事も。

……ジャックは微笑みながら話を聞いていた。

『あはは……それにしても、一茶と仲良くやってるのに ……ちょっと不味くないかな?これ』

……ニヤニヤ と微笑みながらジャックはアカーシャに耳打ちした。


「そ…… 仕方ないじゃない!そんなのッ! それはあなたがッ!………もう!早く会いに来てくれなかったジャックが悪いー!!」


顔を真っ赤させながら怒ったように答えた。


「あ…… でも……本当に大丈夫なの?体の方は……」


アカーシャは、すぐに心配顔になる…

怒った感じの顔が……

『ははは…大丈夫だって。』

ここ数時間……

彼女は……。 …何度聞かれたか分からないくらいその会話が続いていた。

その度 『大丈夫だって』っと答えていた。



(アカーシャはこんなに心配性だったのか?いや、俺のせいか…… やっぱり。)



ジャックは軽く失笑していた。
















「そういえば 不敗さんや御子神さん達には会ったの?彼らも心配してるんだからね!」

アカーシャが聞いていた。

『はは……、 …いや 彼らにはまだあってないよ。何よりもまず 君に会いたかったからな?』

この一言で アカーシャは再び顔を紅潮させた。

「もう!からかわないでよ!!」

『……ははは、嘘じゃないのにな。でも君を一目見れて良かったよ これからは 君にも会えたことだし 今後は、ちょっと人間界へ行こうと思ってる。その時に、彼ら…2人にも会ってくるさ。』

今後についてをアカーシャに伝えた。

「人間界へ?どうして?」

アカーシャが聞き返した。

『……いつかは、 人と妖しは共存できるっていうのを信じてるんだ俺もな…… だから 彼らの陰と陽を長い時間をかけてみたいと思ってな。』

……御子神たちに会いに行こう 陽海学園編に突入って事だ。

「あはは……貴方らしいわね…… 良いとこだけじゃなく悪いところも余すことなく見たいなんてね……。」

側面しか見ていない人間と妖しが多いが故に人間と妖しは幾年月もいがみ合っているのだ。

「それは…素晴らしいことだと思う…… 私も一緒に…… その…見たいけど……」

顔が少し曇る。

『今……君には かけがえの無い護るべき家族がいるじゃないか……。 今はその時じゃないさ』

微笑みかけながら話す。

「そうね。今は無理でもいつかは……ね。」
       
『……地下の≪アレ≫に関する 問題もあると思うが…… いつかは 君もモカちゃんたちとでも見て見たらいいさ。』

ジャックは外を眺めながらそう言う。

彼も感じていた。

この地に、間違いなく≪アレ≫の気配を感じると。死しても尚今だ荘厳さを感じている。



「……やっぱり 分かってたのね 家の地下のこと」

『……ああ、勿論。アイツは……アイツの事はよく解る。』



ジャックは頷いた。






そして………

『じゃあ そろそろ俺は行くよ。一茶に会えなかったのは残念だが、よろしく伝えておいてくれ。』

「ええ、わかった……」

少し暗い顔をしたアカーシャが……。

『アカーシャ……。 いいか…俺は…生きている。前と違ういつでもって分けにはいかないが、また会えるさ。それは…間違いない。』

アカーシャに笑いかけた。

「……ふふふ やっぱり貴方は変わらないわね。 ……いってらっしい 気をつけてね。 また……また 会いましょう。 そうだ!…その時は モカ達と遊んであげてね!」

『ああ そうだな 楽しみにしてるよ。』

そう言い残し ジャックは姿を消した。







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しかし この時点で2人は知る由も無かった……。



……再びこの約束は守られる事は無いということを。




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