FAIRYTAIL ~“神殺し”を喰らう者~
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第五章
しばらくたって妖精の尻尾(フェアリーテイル)にて
「痛て⋯」
「あーくそっ!!!」
「まさかオレたちが撤退するハメになるとは!!!」
「悔しいぜぇ!!!」
「ギルドやレビィたちの仇もとれてねぇ」
「ちくしょオ!!!」
妖精の尻尾の魔導士達は愚痴を言い騒いでいた
別の場所では
「奴等の本部はここだ」
「南西の高台から遠距離魔法で狙撃すれば」
と作戦を考え、また、別の場所では
「今度は爆弾魔水晶(ラクリマ)ありったけ持っていくんだ!!!」
「所持(ホルダー)系魔導士用の強力な魔法書を
倉庫から持って来い!!!」
と叫んでいる
そんな中
「どうした?まだ不安か?」
グレイが端の方に座っていたルーシィに声をかけた
「⋯⋯⋯ううん⋯⋯
そういうのじゃないんだ⋯⋯
なんか⋯⋯ごめん⋯」
それを聞き今度はエルフマンが口を開く
「まぁ、金持ちのお嬢様は、狙われる運命だ
そして、それを守るのが漢」
「そういう事言うんじゃねぇよ」
エルフマンの言葉にグレイが言う
「でも、オイラも驚いたな
ルーシィ、何で隠してたの?」
ハッピーはルーシィに問う
ルーシィは顔を俯かせながら答えた
「隠してた訳じゃないんだけど⋯
家出中だからね⋯あまり話す気にもなれなくて⋯⋯
一年間も家出した娘に関心なかったクセに⋯⋯
急に連れ戻そうとするんだもんな⋯⋯
パパがあたしを連れ戻す為にこんな事をしたんだ⋯⋯最低だよ
でも⋯元を正せばあたしが家出なんかしたせいなんだよね⋯」
ルーシィの言葉にエルフマンが口を開く
「そ⋯そりゃ違うだろ!!!悪いのはパパ」
「バカ!!!」
「あ⋯いや⋯ファントムだ!!!」
グレイに言われ訂正するエルフマン
「あたしの身勝手な行動で⋯⋯⋯
まさか、みんなにこんなに迷惑かけちゃうなんて⋯
本当にごめんね⋯
あたしが家に戻ればすむ話なんだよね」
「そーかなぁ」
ルーシィの言葉にそう呟いたのは
今までずっと黙っていたナツだった
「つーか“お嬢様”ってのも似合わねぇ響きだよな
この汚ねー酒場で笑ってさ⋯⋯
騒ぎながら冒険してる方がルーシィって感じだ」
「ナツの言うとおりだ」
そう言って話に入ってきたのはレントだった
「それに、戻りたくない場所に戻って何になる?
俺はお前と会ったばかりだからよく分かんねぇけど
お前は妖精の尻尾のルーシィだろ?」
「ここがお前の帰る場所だ」
レントに続きナツが言う
ルーシィは皆の言葉に涙ぐんでいた
「⋯泣くなルーシィお前は笑っていればいい」
「そうだ!!!漢は涙に弱い!!!」
「だって⋯⋯」
その様子をロキは遠くから見ていた
そのころ⋯
「ダメ!!!ミストガンの居場所は分からないっ」
カナは占いでミストガンの居場所を探していた
「そう⋯残念ね」
そう返答したのはミラだった
「ルーシィが目的だとすると奴等はまた攻めてくるよ
ケガ人も多いし⋯⋯ちょっとマズイわね」
「マスターは重傷、ミストガンの行方も分からない
頼れるのはあなたしかいないのよ⋯⋯⋯ラクサス」
『あ?』
そう言ったのはミラと通信用魔水晶で話していたラクサスだった
「お願い⋯⋯戻ってきて、妖精の尻尾のピンチなの」
『あのクソじじいもザマぁねえなァ!!! はははっ
オレには関係ねぇ話だ勝手にやっててちょうだいよ』
「ラクサス!!!あんた!!!」
『だってそうだろ?じじいの始めた戦争だ』
「ルーシィが⋯仲間が狙われてるの」
『あ?誰だ、そいつァ
ああ⋯あの乳のでけェ新人か
オレの女になるなら助けてやってもいいと伝えとけ
それとじじいにはさっさと引退してオレにマスターの座をよこせとな』
ラクサスは笑いながらそう言った
「あんたって人は⋯⋯」
『オイオイ⋯⋯それが人にものを頼む態度かよ
とりあえず脱いでみたら?
オレはお色気には弱』
ピキッ パリィン
ラクサスがそこまで言ったところで通信用魔水晶が
粉々に砕け散った
「ミラ⋯⋯」
「信じられない⋯⋯こんな人が
本当に妖精の尻尾の一員なの⋯⋯?」
ミラは涙を流しながらそう言った
「こうなったら次は私も戦う!!!」
「な⋯⋯何言ってんのよ!!!」
「だって私がいたのにルーシィはさらわれちゃって⋯⋯」
とんっ
とカナはミラの肩に手を置き、言った
「ダメよ、今のアンタじゃ足手まといになる
たとえ、元・S級魔導士でもね」
「⋯⋯⋯」
その時だった
ズゥゥン
「!!!」
ズゥゥン
「な、何だ!!?」
ズウン
「⋯⋯」
だだだだっ
「外だッ!!!!」
そう言って駆け込んできたのはアルザックだった
ズシィンッ
シュコー・・
「な⋯何だあれは⋯⋯!!?」
ズシィ
「ギルドが歩いて⋯⋯」
ズシィ
「ファントム⋯⋯か!?」
「⋯⋯!!!」
ズシィン ズシィ ズシィン
皆が驚いている中
“ソレ”は妖精の尻尾に近づいてきた
ガッ ズドッ ズシィ ズシィン ズシィン
“六足歩行ギルド幽鬼の支配者!!!”
ズズゥゥゥン
「⋯これは予想外の展開だな⋯⋯⋯」
そう呟いたのは苦笑しながら見ていたレントだった
「魔導集束砲“ジュピター”用意」
ガガガ⋯⋯ゴガガ⋯⋯キィィィィィン
そう言う音とともに魔力が集束されていった
「消せ」
「マズイ!!!!全員ふせろォオォ!!!!」
エルザは振り返りながら後ろにいる仲間に叫んだ
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